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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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高山勝成の功罪

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谷口vs石澤が決まってしまいました。

試合の組み合わせとしては勝負論があって面白いカードですし、普通に後楽園に足を運びたくなる試合ですね。世界戦という冠が無ければですが。

コロナ禍の影響、ジム側の事情、元来のこの階級の世界規模での層の薄さなどを考えると現状は仕方無いのでしょうが、それにしてもこの階級の世界戦でワクワクする様な感覚が無くなったのは結構、前の様な気もします。いつからこうなったのやら。

 

 

誹謗中傷に捉えられると嫌なので、予め、本人に責任が無いのを承知でいうと私は高山勝成がキーマンになったのではないかとおもいます。

高山が世界王座を初めて獲得したのが2005年。そして、ミニマム級の最後の世界戦を行ったのが2016年。実に11年の長きに渡ってミニマム級の世界の頂点を争ってきたわけです。

2005年~2014年途中までの高山は本当に相手も場所も選ばない勇敢な戦いを見せてくれました。

特に井岡や井上でさえ結果として避けたロマゴンと対戦したり、南アフリカでの逞しい戦いは忘れられないです。そしてメキシコでのIBF戴冠とWBO王者のロドリゲスとの統一戦が実現したのが2014年夏。

本当の意味でミニマムの価値を下落させる要因を作ったのはこの年の暮れのvs大平剛とvs加納陸の二試合の様に思います。

大平戦は夏に敗れたロドリゲスの返上した二王座の決定戦。

加納戦は田中恒成の返上したWBO王座の決定戦。

個々の組み合わせとしては魅力があるものの、いずれも世界タイトルマッチとしては物足りなく、格式が足りない。

しかも加納戦は王座獲得した後に五輪挑戦という大義名分はあったものの王座をアッサリ返上してしまって引退したのも印象が良くなかった。(復帰後はライトフライ級)

 

 

 

この二試合の罪は他のジム会長や興行主にこういうやり方もあるんだと示唆してしまったこと。そしてこの前後のWBOの王座タライ廻しと併せて観ると、何故この階級がダメなのかが痛切に伝わってくる。

 

田中(返上)→高山(返上)→福原→山中竜。サルダールからメンデスに繋がって、谷口・・・が日本王座獲得したばかりの石澤と防衛戦。

外国人もたまに挑める日本王座位の扱いではないか。

本来ならば(コロナで無理にしろ)ノックアウトやパンヤをタイで破ってこそボクシング・ファンの喝采を浴びれるものではないのか。

そして身近なファンの喝采を得られない様では世間の喝采を得る事などは到底無理な話である。

 

 

 

 

 

 


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