、いつの間にか1000投稿してたみたいです。
これからも好き勝手に書いていきますのでお付き合いの程、よろしくお願いします。
ボクシングはファイトであり、スポーツであり、ゲームでもあるというのが私の持論なのですが、一般にゲーム性を打ち出した試合というのは評価が難しいところがあります。高度な技術と緻密な戦略によるものなのでしょうが、それが多数にまで届くかというと微妙なところでしょうね。こういう試合こそ後年、語りがいはあると思いますが。
さて、ポイントメイクのちょっとしたミス、勘違いで試合を落としたケースと言えば、国内では渡辺二郎vsヒルベルト・ローマンやライオネル・ローズvs桜井孝雄が思い浮かびます。
近年のビッグ・ファイトではこの試合でしょうか。
WBC,IBFの世界ウェルター級王座統一戦。しかも無敗同士。
オスカー・デラホーヤvsフェリックス・トリニダード。
当時はデラホーヤが計算違いで負けたという印象でしたが果たして今の目で見たらどうなのか?改めて検証してみました。
デラホーヤが31勝(25KO)。トリニダードが35勝(30KO)。
1Rから脚を使い、サークリングしながら左を出すデラホーヤ。
トリニダードも左を刺し返し、大きなパンチをガードの上からでも叩きつける。微妙なラウンドですが、ジョー小泉は10-10、浜田さんは全体のペースでデラ。自分はティトかなぁと思いましたが・・・
2,3Rはデラホーヤが足を使い、トリニダードが前に出て圧力をかけていく展開。終了間際にデラホーヤが印象的なコンビネーションを出すけど、ラウンド全体はトリニダードという展開。
4Rはラウンド前半にトリニダードの右ストレートでデラホーヤがバランスを崩すシーンも。ジョーさんと浜さんが初めて一致。ティト10-9。
ここまではジョーさんが39-38、浜田さんが39-37でティト。
私的採点は39-37で2差トリニダード。
5R、今度はデラホーヤが大きくリングを使いながら、アウト・ボックス・・・と思わせて右ストレートを有効打。終了間際にコンビネーションもまとめて、今度は解説陣が一致してデラホーヤに10-9。
6、7Rもデラホーヤが完全にペースを握る。
いらついたのか、弾みでか、7R終了後にトリニダードの左がデラホーヤの顔面を捕え、セコンドが気色ばむシーンも。
WOWOW解説陣はすべて5~7Rは10-9でデラホーヤ。
8Rはトリニダードに10-9をつけてたな。自分は8Rもデラホーヤ。
ここまでジョーさんが77-76でデラホーヤが逆転。
浜田さんが76-76。私的採点は77-75で2差デラホーヤ。
デラホーヤが中盤にペースを奪い返した印象だが、ここを上手く乗り切ったことでゲームプランを誤ったか。
9R、デラホーヤが足を止めてのコンビネーションで印象的なシーンを作ると後はアウトボクシング。トリニダードの右も首振りで受け流す。
しかし10R以降はトリニダードの圧力に抗いきれなくなってきた。
トリニダードが右をジャブの様に打ち出すとこれが結構、顔面を捕える。デラホーヤも左で応戦するが下がりながらのジャブなのでトリニダードの前進を止められない。
11Rも追うトリニダード、逃げるデラホーヤの構図は変わらない。
デラホーヤの防御をもってしてもティトのパンチをかわし切れない。
そして最終ラウンド。トリニダードが右ストレートのダブルを効打。
それでもポイント・リードしてると思ってか?デラホーヤが徹底してサークリングで逃げ回って試合終了。互いにセコンドに担がれ両腕を上げて勝利を確信。放送席はやや困惑気味。
解説陣の採点はジョーさんが115-114で1差、浜田さんが115-113で2差、トリニダード。私的採点は114-114で引き分け。
公式は115-114、114-113、114-114で2-0でトリニダード。僅差ではあったがデラホーヤの勝ちは無いという点は同感。
良くて引き分けだろう。
中盤でのデラホーヤが非常に良かっただけにこのまま試合を進めていけばポイントで勝てると見た陣営の誤算だったか。本人の意思だったか?それはわからない。
高いレベルでのポイント取りゲームだったと思うが、再戦が実現してればまた別の面での高いレベルでの名勝負が観れたのではないかと思う。それだけに1戦だけで終わったのは勿体無かった試合でした。