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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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ご利用は計画的に

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4団体加盟は世界の趨勢ですが、国内では二つのタイトルが増えたことでより混沌が増してきた様に思います。いうまでもなく、ユースやWBOアジア・パシフィックの事ですが、王座の価値同様にそのマイナー王座を保持してる王者の実力も見えないのが現状です。

形を変えた亀田式といいますか。王座をスケープゴートにして対戦相手を選別するというのは、王者という立場につく以上はみっともないという誹りを受けても仕方ないのではないでしょうか。

WBOアジアなんちゃらに関してはともかく、ユースに関しては効用的な使い方をした選手もいます。つまり、これを踏み台にして日本や東洋など既存の王座に挑むというやり方です。

 

ユースのフライ級を奪取して東洋王座を獲得した比嘉大吾、そしてユースのライトフライを獲得して間髪いれずに次戦で日本王座を獲得した拳四朗。結局、戴冠はならなかったものの、益田との決定戦に挑んだ田中裕士等も該当しましょうか。

対戦相手にもよりますが、いわゆるランクの飛び級の意味合いで使われるならば、それもアリかなと思います。但し、自他と共に認めるトップ・コンテンダーがいる場合はその限りではありませんが、無駄に防衛戦やら決定戦やらを乱発されるよりはずっと賢い利用法だと思います。

そして現在、ユースを保持してる丸田陽七太。好選手ということはわかりますが、どのレベルなのかはわからず、このままでは実力測定を拒否したまま、上を狙う泡沫挑戦者か、それとも実力だけはある亀田式のいずれかで広くファンの支持は得られないのではないかと思います。やはり、日本王者の益田か、東洋王者のマーク・ジョンヤップと1戦交えない限りは飛び級で上を狙うことは賛同できませんね。

亀田式がボクシング・ファンに拒絶された後は本物路線を必要以上に意識した風潮もありましたが、喉元過ぎて熱さを忘れた人達が巧妙に仕組んできてる印象です。誰とかどことか言わないけど、陣営の姑息な手法で一番の泣きを見るのは我々ファンであり、当の選手達なのです。

 

 

 


渡嘉敷vsマデラを振り返る。

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我が国の世界戦で過去、4度も拳を交えた例は渡嘉敷勝男vsルペ・マデラとウィラポンvs西岡位でしょうか。内藤vsポンサクレックも4戦行われてますが、あれは第一戦がタイで行われたので日本国内でいうとこの2組み合わせ位です。そして、ウィラポンvs西岡が西岡のチャレンジ・マッチ的な意味合いが強いのに対して、採点内容が紛糾して短期間で立て続けに試合が行われたという点では稀有な例ではあります。(ちなみに大熊vs朴も4戦行われてますが世界戦は3戦、うち1試合は韓国開催、あとはノンタイトル10回戦。)

 

           

 

採点問題が紛糾し、当時世間を騒がせていた毒入りオレンジ疑惑も相まって、大騒ぎになった第一戦は過去に検証したとして、(http://ameblo.jp/chavezbodyblow/entry-11565916577.html)2~4戦目も加えて15R×4試合=60回戦として評価したらどうなのかという壮大な検証をしたいと思います。まさにサーガ(笑)。

そして大騒動になった1戦目を引き継ぐ形で行われた2戦目は83年4月10日、後楽園ホールで行われました。

試合の方はとても15回戦と思えない程、二人とも初回からエンジン全開。いかに両者の間にしこりを残したかが伺いしれます。序盤5Rまでは48-47でマデラ優勢、3Rは少し迷ったけど、有効打でマデラかなあ。

10Rまでの中盤は一進一退。6,7Rは渡嘉敷だが8Rにマデラのボディが効いて一瞬動きが止まるシーンも。明らかにバランスが崩れていて、フットワークも乱れてる。しかし、大崩れまでにならず、10R終了時は95-95で五分の展開。

後半5Rは波乱の展開、11Rは微差で渡嘉敷かなと思いましたが、12,13Rでマデラが猛攻。特に12Rはこの試合のベストラウンドではないでしょうか。マデラのパンチにフラフラになりながらもラウンド後半に渡嘉敷が逆襲。全体の印象はそれでもマデラだが、ここで追い打ちをかける様にホールディングで渡嘉敷が1点減点。消耗戦ともいえるクロス・ゲームでここで減点だと心が萎えても仕方ないのだが、14、15Rで反撃してポイントを晩回にかかるのが渡嘉敷の非凡さ、凄さです。そして公式採点は145-143渡嘉敷、143-144マデラ、144-144引き分けで1-1の引き分け、私的採点は142-142で引き分け、減点が無ければあのラウンドは10-9でマデラながらも全体では143-142で1差、渡嘉敷勝ちとなっただけにこれは引き分けとはいえ、胸を張っていい試合だったと思います。

しかし、それを差し引いても1戦目での負のイメージを拭うことが出来なかったので両者は因縁の3戦目へ挑みます。そして、それが更に因縁を深めることになるとは。

長くなるので続きます。

 

渡嘉敷vsマデラをさらに振り返る。

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両者の因縁が深まったのは1戦目のアレな判定ですが、3戦目の試合もマデラ側の強烈なしっぺ返しになり、さらにシコリが残ったと思います。偶然のバッティング等の負傷で試合続行が不可能になった場合、昔はそれでも怪我した方が悪いともいうように、出血した方がTKO負けという時代もありました。反則した方がやり徳というか、やられる方が悪いという考えなのかも知れませんね。

丁度、この頃はパンチによる加撃以外で負傷した方が負けというのはおかしいだろう?ということでようやく負傷判定のルールが整備されてきた頃です。3Rまでは偶然のバッティングによる負傷等で試合がストップした場合は引き分け。4R以降はそれまでの採点で優劣をつけるということなのですが、現在は負傷で止められたラウンドも採点の対象になります。しかし、この試合では負傷した4Rは含まれず、終了ゴングを聞いてるということなのか3Rまでの採点で決着になりました。混乱期の賜物といいますか・・・

 

因縁の3戦目は2戦目から3ヶ月後の昭和58年7月10日、場所は後楽園ホール。

今度こそという期待が会場中に充満しており、その雰囲気が伝わったのか、ここまでの試合の中で二人とも出足が凄くいい。早くも好勝負の予感が漂う。1Rはやや渡嘉敷、2,3Rはマデラかなあ、しかし、バッティングなのかマデラが頭部をカット、夥しい流血に一度、ドクターチェックが入るが続行。程無くマデラが何やらアピールして後ろを向いてしまう。呆気に取られる渡嘉敷。場内の不穏な空気はテレビ画面からも伝わってくる。

再度、ドクターチェックの末に試合がストップ。しかも一旦、渡嘉敷の引き分け防衛がアナウンスされながらも取り消しになってマデラ勝ちがアナウンスされる不手際が観客の怒りを表してる様に見える。

そもそも流血が偶発的な事故によるものだったとしても、マデラの自分から背を向ける様な仕草はどうなのか。あれはストップがかかってなければ渡嘉敷は追撃しても構わないわけで。ちょっと厳しいレフェリーだったら試合放棄を取られても文句は言えないですよ。

このルールが定まりつつある混乱期だからこその混迷した決着でマデラ王座奪取。そして、王者と挑戦者の立場を変えて、二人はもう一度だけ相対することになるのです。

最後へ続く。

渡嘉敷vsマデラを最後に振り返る

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さて、内容的にはいろいろあったが、ここまで3戦の戦積は1勝1敗1分とまったくの5分。

両者の決着戦は王者と挑戦者の立場を変え、場所を札幌に移して行われました。

時は昭和58年10月23日。所は今は無き、札幌・中島スポーツセンター。

過去の試合とは打って変わって、マデラが感情を抑えて、冷静にボクシングをして渡嘉敷に技術差を見せつけたという印象です。15回戦なので5R毎に採点すると、前半1~5Rがマデラ。私は49-46で3差マデラ。手数はやや渡嘉敷が上でしたが、有効打、正確さはマデラに軍配が上がる。そして中盤の6~10Rもマデラかなあ。この辺りになるとマデラのボディが効いたのか、渡嘉敷がやや前屈になる姿勢が目立ちますし、一瞬でもバランスを崩すのも気にかかる。そして後半の11~15Rは渡嘉敷が反撃。13Rはマデラかなあとも思いましたが、あとは渡嘉敷が鬼気迫るラッシュで晩回・・・してる様に見えるがマデラがポイント・リードを計算して流してる様にも見える。結果としてこの辺のポイントは渡嘉敷に流れた様に思いますが、それでもマデラの勝ちは揺るがない様に見えました。公式は145-143、147-145、144-142といずれも2差マデラ。私的採点は144-141で3差マデラかな。

マデラのボクシングがあらゆる局面で微妙に渡嘉敷の上を行っていた印象を持ちました。

それは連打の繋ぎの早さであったり、接近戦での連打の的確さ(ヒット数)であったり。一つ一つの差はそれほど大きくもないし、一部では渡嘉敷が上回ってる部分もあるのですが、トータルすると勝敗に直結する位の差がある、これは当時の日本人挑戦者が抱えていたジレンマでもありますね。

1年で4度も対戦したことは意義もあるのでしょうが、渡嘉敷に関してはキャリアの大事な部分の大半をこの組み合わせだけに費やしてたことが悔やまれます。せめて、この時期に友利や新垣、サパタ、ウルスアといったあたりと拳を交える渡嘉敷も観たかったですね。

 

年またぎ12・30有明観戦記

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2016年、最後の生観戦。国際展示場前はコミケが行われてたこともあり、人混みが凄い、この流れを掻きわけてコロシアムへ向かうのは、まるで東京ドームで行われてるコンサートの客の中を縫って後楽園ホールへ向かうが如く。マイノリティであることの優越感をちょっとだけ、寂寥感をかなり味わう(笑)。

この日は結果、一人観戦になったので勝手気ままに場内を徘徊してました。

とりあえず、別行動で来てたうさぎにくさんと年末の挨拶を軽く交わした位。まあ休憩が異様に長いとか、いらないアーティストの演奏を無理に聞かされるとか、文句はいろいろありますが、一番は休憩中も会場が暗い、これに尽きる。パンフも読めやしねぇ。せっかく展望記事が載ってるのにそれを読むのは試合後になってしまう。ここは次回に改善してくださいよ。お金かからないでしょ。

良かった点としては6000円の席がちゃんとあったこと。フジが絡んだ興行は特に安い席を最初から売ってないケースも多々ありましたからね。しかし、セットのほぼ裏側でクレーンの真正面というのはいかがなものかと思いましたが・・・

場内は最終的に5~6割位かなあ。時間調整のための休憩が多いのは進行上、仕方ないけど間延びした感じになったのは残念。しかし大箱だけあって最初から目が離せない。

第一試合から原隆二vs山本浩也という好カード。原の大きなパンチが山本の細かいヒットをポイントで上回って3-0判定勝ち。結果は問題無いがポイント差はもっと競っていた印象。

続いて井上和樹vs宇佐美太志。これも要・注目カードでしたが、井上従兄弟は本物でしたね。日本ランカーにああいう勝ち方が出来るのであれば次に日本か東洋タイトルでもいいんじゃないかと思います。原田門戸あたりとのマッチアップも観てみたい。

太陽と海さんが都合で来られなくなったのですが、この2試合を遅れて観れないとしたらマニア的に辛いところですものね。こういうマッチメイクは興趣をそそります。

松本亮が一度敗れてるメキシカンに雪辱。松本は久高には勝ってますが、もう1戦くらいは国内ランカーとの対戦を見てみたいところ。

そして清水は天笠に判定まで粘ったデメシーリョに3RでKO勝ち。最後に左フックを食らってダウンしたデメシーリョがかなり危ない状況に見えたがスローで見てみるとフックを食らった瞬間に意識が飛んでる様に見える。清水の試合スタイルはまた独特であれは解明しないと相手にとっては相当やりにくいかも。

何度目かの長い休憩、ドラムの演奏があってようやく18時の生中継に合わせたオープニング。ここでフジのアナから番組進行上、迷惑かけると思いますがよろしくお願いしますと説明。今まではこんなことを口にしたことも無かったが、やはり視聴率低迷もあって苦しいのかと邪推してしまう。

そしてテレビ・オープニングで村田が登場。狙いはいつの間にかゴロフキンからサンダースに代わっていたが、本気でこの階級の王座を目指すならそろそろ、10位以内のランカーと試合させなければ駄目だと思うけどね。

試合自体は3Rで村田のKO勝ち。しかし、村田の右ストレートを耳下に食らい脳震盪を起こしたサンドバルを無理に引き起こして続行させようとするなど、レフェリングの駄目さが出てしまった。このレフェリーは昔、いわゆる亀田派として不当レフェリングを行ってきた人だから、通常の試合での不手際が多いのだが。事故が起こったらどうするつもりだろうか。

 

ダブル・メイン。まずは八重樫vsサマートレックのIBFのライトフライ級戦はサマートレックも粘ったものの八重樫が最終回に連打をまとめてTKO勝ち。しかし、もとはミニマムの選手だし、本来の同階級での挑戦資格が問われるレベルだと思うので八重樫にとってはボーナス・ステージに近いものだろう。メリンドとの統一戦も中1ヶ月ではまとまらないのが明白だったし、そもそも最初から真面目に交渉してたかは疑問ですけどね。

そして井上vs河野。河野の入場シーンには自分もグッとくるものがあったが、井上とのレベル差はそういう感傷が入る余地も無いものだった。現実は残酷、世界は残酷だから。

ナルバエス戦やパレナス戦などではスタート・ダッシュで畳みかけて一気にペースを握るといった試合の組み立てをしてた井上だが、今回は丁寧に左を突いての慎重ともいえる立ちあがり。身体を寄せて接近してパンチを振って来る河野に対しては、フットワークで捌きつつガードの隙間から上下にパンチを入れていく。

早々にボディを効かせた井上がペースを握る展開。5Rに意地を見せた河野だが、6Rに井上が左フックを決めると痛烈なダウン。ここで本来は止めるべきという強烈な一発。起き上がったときの河野の足のふらつき加減から見てストップすべきと思ったが、なんと続行。結局は2度目のダウンを取られたところで試合がストップになったものの、これは完全に蛇足でした。

河野の頑張りは認めるところだが、かっての鬼塚vs松村に似たシチュエーションと内容だったと思う。新旧交代という点での意義は見出せた。しかし、勝者にはロマゴン戦を始めとするいくつかの道が開けてるが、敗者、河野は今後どうするのか。引退という選択肢も視野に入れつつ、現実と折り合いを付けた方針を打ち出すことになるのだろうか。

そして内山・・・に関してはまたの機会にしよう。

2016年国内アワード

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年をまたいでしまいましたが、2016年の国内ボクシング業界を一言で言えば「不作」でしたね。

あくまでも選手でなく、「試合」そのものですが、ま、好カードが少なくてワクワク感に乏しかった印象ですねえ。そんな中でも存在感を知らしめた選手や試合は多々あります。

 

1.最優秀選手:山中慎介(帝拳)

※モレノとの再戦での豪快な勝ちっぷりでソリス戦での拙戦を補って余りある評価を得たと思います。山中のスタイルは短所を補っていくのでなく、長所を強調するものなのでファンや識者のボクシング観や好みによって評価が分かれるところもありますが、まさにあらゆるネガティブな評価を吹っ飛ばす試合でした。内山がコラレスに連敗、井上も怪我に泣かされるなど、ピリッとしたところがないので勢い、山中にかかる期待は大きくなります。

 

2.年間最高試合:ウーゴ・ルイスvs長谷川穂積(9月16日大阪)

※本当は山中vsモレノ2をあげるべきかも知れないのですが、観客の情感に訴えるという点でこちらを選出。ジョニゴンに敗れて以来、己を信じて続けてきた長谷川の集大成とも言える試合になりました。特に9Rは年間ベスト・ラウンドとも言って過言ではない魂が震える様な逆襲でした。辰吉vsシリモンコンの5R、内藤vsポンサクレック3の9Rと並び、近年の私的最高ラウンドです。

 

3.技能賞:小國以載(角海老宝石)

※不利予想を覆してのグスマン攻略を果たした小國はまさに大晦日のMVP。角海老移籍以降に威力を増してきたボディ打ちが効力を発揮しました。11Rでのダウンがローブローと取られる不運もあったものの、気持ちを切らさずに戦い抜いたのは立派。後楽園発の王者なだけにもっともっと世間に知ってもらいたい選手です。

V1戦は岩佐になるのでしょうか、Sバンタムは海外で強豪が多いのでそちらにも目を向けて欲しいとは思いますが。

 

4.敢闘賞:亀海善寛(帝拳)

※国内限定であれば、強敵相手にコンスタントに防衛を重ねて福原、進捗著しい比嘉や拳四朗等のニュー・カマーもいますが、やはり海外で精力的に試合をこなし、ヘスス・ソトカラスとの激闘シリーズを1勝(1KO)1分で切り抜けた亀海を評価したいところです。特に再戦ではロバート・ゲレロ戦の様な激闘型のみならず、技巧を発揮しての完勝でした。徐々に上の選手に対して激闘以外の部分で互せる様になれば今後も期待出来るかも。

 

5.殊勲賞:林 翔太(畑中)

※下田を退けるとは思いませんでした。前半の下田の攻撃を凌いで後半に反撃し、ダウンを奪っての勝利みたいですが、この流れを途切れさせないマッチメイクを畑中会長には期待したいところです。例えば次は細野とか。単なる防衛戦でなく意味のあるマッチメイクを組んで欲しいですね。下田に勝ったことの意義を薄れさせてはいけない。

他にも決定戦ながら最短タイでの2階級制覇を成し遂げた田中恒成とか、ミリオン後楽園でバァトをKOした久我とかにも期待したいところです。

 

6.KO賞:比嘉大吾(白井・具志堅)

※単なる強振、強打依存型でなく、擦り足のステップと下半身からの連動による強打の連打、相手の急所を状況に応じて多彩な角度から打ち分けていくなど、崇拝するロマゴンに一歩一歩近づいて行こうとしてる様が見て取れます。ディアレにKO勝ちしたのは立派だが、世界へ挑む前に出来ればもう1戦、日本王者の粉川とやって、誰にも文句を言わせない様にしたらどうでしょう。

 

7.努力賞:益田健太郎(新日本木村)

※失礼ながら2015年に大森に負けたときは、もうこれで終わりかなあと思っていたのですが、その後も王座復帰への執念衰えず、昨年のミリオン後楽園を制しての今年の王座返り咲きは立派です。岩佐や大森以外の国内バンタムなら結構、上位にいることを2度の防衛戦で確信しました。空手出身者らしく硬質なパンチと強い圧力をかけるスタイルはなかなか頼もしいです。東洋王座陥落した山本隆寛との対戦あたりを観たいところです。

 

他にも日本に次いで東洋も制した拳四朗や内藤との再戦を制して次のステージが期待される尾川、かってのローリーやツニャカオの様に国内で日本ホープの壁となりそうなマーク・ジョンヤップ等が個人的には注目してます。他にもニューカマーとしてはユーリ阿久井政吾や勅使河原、拳四朗に敗れたものの、巻き返しを狙う長嶺等トップ・コンテンダー予備群がいるのも頼もしいです。

人材的には各級とも厚みを増してきたものの、業界的な盛り上がりに直結しないのは好カードの欠如に他なりません。昔と比べて世界王座へ通じる道がいくつか増えてるためにわざわざ危険な道を行く必要は無いという考えが跋扈してる様に思います。

過去に何度も書いてますが、演出がどうの、視聴率がどうの以前に

ユースとWBOアジア・パシフィックの廃止、暫定王座の不認可は徹底すべきかと。

観客動員に結びつかないし、好カード実現の妨げになってますからね。世界王座が4団体認可になったことでジム側にも選択肢が増えたのかも知れませんが、せめて同一階級の王者と統一戦を行う様な意識が高まっていかないと駄目な気がします。

まずはライトフライでIBF、WBA、WBOを一まとめにして国内最強を決めてもらいたいですね。今年は終わった後にファンとして良い一年であったなと思わせて欲しいものです。

 

 

 

 

2016年海外アワード

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国内同様に不作・不調だった海外ボクシング業界。やはり、期待してたビッグマッチが悉く流れてしまったのが良くなかったのかなあ。ゴロフキンvsカネロこそ、まだ実現の可能性はあるものの、クリチコvsヒューリーやワイルダーvsポペトキンが流れ、クリチコvsジョシュアは延期など、散々なヘビー級界隈や他にもコバレフ、ウォードから絶賛逃亡中のアドニス・スティーブンソンみたいな選手を見ると萎えてきますな。

ま、気を取り直していきますか・・・2017年への期待を込めて。

 

1.年間最優秀選手:ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)

 

        

 

ここ何年かはゴロフキンとロマゴンの独壇場でしたが、ゴロフキンはカネロ等とのビッグマッチが実現せず、せめてブルックでお茶を濁し、またロマゴンはクァドラス相手に好勝負だったものの、フライ級までで見せた豪快さが影を潜めていたため、MVPからは当落。

それぞれがハイレベルであるがための不満でしたが、ロマチェンコのマルチネス戦での覚醒ぶりが彼らを凌駕しました。別次元のレベルですな・・・

 

2.年間最高試合:ロバート・イースターvsリチャード・カミー(9月9日米国・ペンシルバニア州リーディング)

 

        

 

珍しく、アグレッシブな攻めを見せてダウンを奪われながらも本来のアウト・ボックスでスリル満点の戦いを制したイースター。片時も目が離せませんでした。敗れたけどカミーも強いね。

リナレス以外の純日本ライト級でカミーに互せる選手がいるだろうか?

他にはロマゴンvsクァドラス、オスカル・エスカンドンvsロビンソン・カスティジャノス等も面白かったですね。傑作はそれほど無かったけど、限りなく傑作に近い佳作が多かったと思います。

コバレフvsウォードは不当採点とまではいかなかったけど、後味の悪さが残ったのが残念。

 

3.敢闘賞:カール・フランプトン(英)

 

         

 

バンタムでクィッグ、Sバンタムでサンタクルスと精力的に活動したフランプトン。そりゃ和氣と日本でわざわざやる暇も無いだろう。何だかんだと理由を付けてリゴンドーから逃げたイメージだけはマイナス点だが、今年はサンタクルスとの再戦で米国進出もするし、ますます精力的な活動が目立つ。

 

4.技能賞:ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)

 

         

 

一人だけOSが違うみたいな技巧を見せてくれました。特に一方的過ぎたのでベスト・バウトから外しましたが、ローマン・マルチネス戦のロマチェンコを見るとまさにハイテクの名称が相応しい。内山や三浦が古臭く見えてしまうというのも凄いなあ。

 

5.殊勲賞:ジェシー・マグダレノ(米)

  

          

 

           

 

 

いうまでもなくドネア攻略を評価してのもの、殊勲という点ではトロヤノフスキーをKOしてIBFのSライト級を奪取したジュリアス・インドンゴや敵地でWBA王座奪取したホルヘ・リナレスも評価したい。

 

6.KO賞:ダニエル・ジェイコブス(米)

 

         

 

クイリンとの同郷対決は壮絶なKO決着でした。故・佐瀬稔氏が著したサイモン・ブラウンvsモーリス・ブロッカー戦を想起させるような、濃密な1Rでした。この1Rで1冊の本が書けるようなプロのライターの出現にも期待したい。

 

         

 

モハメッド・アリ氏の訃報等、哀しい出来事もありましたが、リング上ではヘビー級の停滞やカネロのゴロフキン戦逃亡などもあり、その年度の核を欠いていた印象です。カネロvsカーンがエキサイトマッチで年間ベストバウトになっても本当に我々が観たかったのはゴロフキンとカネロの対戦だったり、ロマゴンvsクァドラスよりもロマゴンvs井上尚弥、コバレフvsウォードよりもコバレフvsアドニス・スティーブンソンが観たかったりします。

2017年は我々をアッと言わせるような業界の動きを見せてもらいたいですねぇ。

 

 

 

記録を追い求めれば信用無し。~未完記事

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世間一般の耳目を集めるには、数字で訴えるのが効果的ですが中身が伴っていないと総スカンという例も多々あります。亀1の惨買級制覇とか、井岡のロマゴン逃亡して11戦目の二階級制覇(当時の国内最短)とかね。

それはともかく、史上最多KO記録更新はよく狙われてます。KOというボクシングの華を積み重ねていくので華々しいものになりますし、タイとかインドネシアのカマセと戦えば、すぐにでも到達出来ると思われてるんでしょうね。

別府が15連続KO勝ちを達成して記録をかけてチャールズ・ベラミーと対戦します。

やはり、浜田さんの持つ「15」、新記録たるべき「16」をそこらのカマセ相手に達成することはボクシング・ファンの顰蹙を買うということを理解していたみたいです。ジムの方針で一時期はとにかく記録達成を・・・という感じだったので心配でしたが、まずは一安心。

ここ最近の過去の事例でも探ってみますか。

※リングネーム、所属ジムは記録継続当時のものです。

 

1.丸山大輔(筑豊):13連続KO(9連続1R KO)

※連続1RKO勝ちを収めた相手の8人が無勝(デビュー4人含む)、13連続KOした相手の8人がタイ人で、13人の全成績が5勝26敗。いくら話題作りとはいえねぇ・・・

2005年8月にOPBFのSフライ級王者である有永に挑むも9RTKO負け。

あからさまに勝癖をつけるマッチメイクだったが、このツケがタイトルマッチという本番で回って来てしまったのは残念としかいいようがない。

 

2.金井晶聡(姫路木下):14連続KO

※14連勝のうち最初の7人が日本人相手、最終的には8KOが日本人によるもので、やはり新人王に参加した頃の連続KOには価値があるといえる。7戦目では6勝無敗の相手とも対戦しているので、8戦目以降にタイ人選手が増えたのは記録を意識しだしたからだろう。

14人の通算成績は56勝39敗7分、最初の7戦に限っていえば14勝2敗2分になるので連続KOでも前半と後半には内容に開きがあったということか。

2005年に15戦目で日本タイをかけた一戦で日本王者の榎に挑んで7RTKO負け、また2010年には東洋王者の三垣に挑んだものの6RでTKO負けと残念ながらタイトルと無縁に終わってる。記録に拘らずにキャリアを積んでればと思ったりもする。

 

3.牛若丸あきべぇ(協栄):15連続KO

※あきべぇも新人王を狙ってただけに最初の7戦は日本人相手で全日本決勝では細川に勝っていたり、その後もルイス・オカモトに勝利していたりする。亀田家で練習を積み重ねてから相手の質は落ちたが、2006年11月~2007年5月までの間に5戦続けてインドネシアの選手と対戦してるからこのときのあからさまな記録狙いが当時、ファンの不評を買ったのだろう。しかし、15戦目でバキロフをKOしたり、結果、負けたけど16戦目で日本王者の湯場に挑んだ心意気は買いたい。史郎は記録狙いのカマセを用意してたけど、蹴ったものね。

相手の通算戦積は115勝68敗14分。

スタイルが攻撃特化だったのでこの後3連続KO負けなどもあり、立て直しが大変だったが。

果たして別府がこのジンクスを破れるのか、ベラミーとはタイトルマッチでないが、それ以上の価値がある。そして、結果次第でこの記事も訂正を入れます。

 

 

 


業界人のロマンはどこに行ったのか?

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近年、アマ出身者の流入が当たり前になり、選手層に厚みを増した日本ボクシング界。

4団体認可の影響もあり、複数の世界王者を抱える状況は良い面も悪い面もあるでしょうが、リング上の攻防のレベルは明らかに一昔前よりも進化しています。しかし、観客動員以外はうまく回ってると錯覚してしまいそうですが、長年の悲願は達成しないまま。

 

①ウエルター級の世界王座獲得

95年に竹原がミドル級の世界王座を奪取したのは快挙でした。他の階級では、以降、何人も世界王者を輩出してるにも関わらず、このウエルターという階級だけは王座の挑戦も覚束ない状況です。唯一、09年に敵地ウクライナへ乗り込んだ佐々木基樹が挑戦した位です。

 

かってはレナードやハーンズが猛威を奮い、最近もパッキャオやメイウェザーが少し前まではメガ・ファイトを繰り広げたこの階級は、メイウェザーが去った現在も日本人が入る余地は見当たりません。なんせ、この階級の第一人者はダニー・ガルシアやキース・サーマンです。パッキャオもいまだ健在だし、テレンス・クロフォードも転向してくることが予想される、どこを向いても怪物ばかりの階級なのです。海外で活動してる亀海には期待してるのだが、Sウエルター狙いという可能性が高いらしく、残念ながらスーパー・ファイトに割り込め無さそうです。

 

         

 

 

         

 

また、かってはこの階級に拘った辻本章次や尾崎富士雄は時の王者に砕かれ、逆に浜田剛史や平仲明信はSライトへ階級を下げることで世界を掴んでます。しかし、才能に溢れていた亀田昭雄や赤井英和はSライトでも跳ね返されており、近隣階級でも壁の高さを痛感させられます。昨今は亀海以外にもSライトで小原や岡田みたいな好選手が活躍してるだけに何とか、この階級に風穴を開けて欲しいのですが、果たして、私たちが生きてる間に日本人のウエルター級世界王者は輩出されるのでしょうか。

 

②国内ヘビー級の充実

かっての片岡昇の時代やコング斉藤の頃はともかく、90年代に活躍した西島洋介山や最近の藤本京太郎の様な選手が個別で出てくることはあれど、国内でヘビー級のランキングを作成することも適わない状況では上記のウエルターの世界王者を輩出するよりも困難な状況です。やはり90年代にまだ元気だった協栄やヨネクラ・ジムがK1などとのタイアップでヘビー級選手を育成しようとしたことがありましたが頓挫してしまいました。

身体能力の高い大型の人材を確保するには魅力的な業界でないと駄目でしょう。

 

しかし、これらの長年の課題に関して、絶望的な状況ではありません。かってアマでは五輪金メダル獲得が課題でしたが、2012年のロンドン五輪では村田がミドル級で金メダルを獲得、そして先日はユースながら世界選手権で堤駿斗が優勝しました。一番の困難と思われていたことをアマが先にやり遂げてしまったわけです。

プロも負けじと原点に立ち返って、長年の課題を克服してもらいたいものですね。どうせ、問題にするならば近年の無駄な王座の乱立とか、業界内の内輪揉めでなく、ファンも夢を見れるロマン溢れるものを取り上げて欲しいものです。

立ち位置は明確に。

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日本国内で立ち位置が不明瞭な選手がいます。
通常はデビューしたところからランクを上げて、最終的には世界、そしてその先へ・・・と道筋が敷かれているのですが、上を見据えてはいるのでしょうが、まだファンからは何合目にいるのかがわからない場合があります。
日本ランクは超越していても意図的に国内王座へのアタックは避けていたり、そのためにWBOアジアなんちゃらという王座を利用して誤魔化そうとする輩は論外ですが、明らかにそうではなく、実力は万人が認めるけども周囲の思惑がファンのニーズを無視してるというケースもあります。特にアマ実績を上げてる選手は飛び級のイメージが強いですが、二階級制覇国内最短記録保持者の井上尚弥にしろ田中恒成にしろ、世界に挑む前に短いプロ・キャリアの中でキッチリと日本王座なり東洋王座を獲得して実力査定をしてきてますからね。日本はともかく東洋は誰から奪取したのかが重要になりますが・・・
 
1.清水 聡(大橋)
            
 
        
 
 
※わずか2戦のプロ・キャリアながら、五輪銅メダリストの威光を既に感じさせている。
独特の距離感と試合スタイルが国内トップ戦線にどこまで通じるか、それともアッサリ凌駕してしまうのかが観てみたい。雑草・激闘型の天笠や同じアマ出身の東洋王者である竹中、更には崖っぷちながら元世界王者の下田あたりとのマッチアップが観てみたい。
 
2.丸田 陽七太(森岡)
             
 
           
 
※ユース王者で好選手という噂は聞くものの、残念ながら映像を観る機会が極端に少ない。
現段階ではどの程度の位置にいるのかがわからないので日本下位ランカーとそろそろ対戦させてはどうか。せっかくの好素材なのだから地元で囲ってないで後楽園で万人に披露した方がいいと思うのだけれども。
 
3.加納 睦(大成)
            
 
           
 
※高山戦は知人から取り寄せて観たのだけども、ベテランに上手く持ち味を封じられてしまった印象。サビージョ戦にしても現・東洋王者の山中がより明確に勝利しているだけに、どこまで元世界1位として評価出来るかが明確でない。ミニマム級は世界的には層の薄さが問題視されてるものの国内では相手に事欠かないだけに、もう少しハード路線に切り替えた方がいいと思うのだが。
 
最近でいえば別府がチャーリーに挑んだり、昨年は井上和樹が宇佐美と対戦したりと国内でのポジションを明確にする動きも多々あります。タイ人や韓国人相手にお茶を濁してチャンスだけ待つといった受け身の姿勢では身内以外の支持を得られないのでリスクを恐れずに好カードを組んでいって欲しいものです。
結果、敗北でもハイリスクの戦いに挑んだ姿勢や内容によっては勝者にも等しい評価を受けることもあるはず。カマセ相手に何十連勝しても後世に何も残らないのは、あの一家を観ればわかるでしょう。ボクシング・ファンが望むのはこいつとあいつがやったら、どちらが強いのか?という至極シンプルな事なのですから。
 

三浦vsローマン雑感

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三浦vsローマン、凄い試合でしたね。あれほど攻守が明確に入れかわる典型的な逆転劇はちょっと記憶にありません。国内で未だに語り継がれる高橋ナオトvsマーク堀越やジャッカル丸山vs関博之といった試合を海外で行ってしまったのが時代を感じさせます。
近年、海外で積極的に戦う日本人選手が増えましたが、やはりわかりやすいのか、激闘型を見せれる選手がチャンスを掴んでいる印象があります。または、ボクシングそのものではまだ中量級になるほど、差があるので激闘型へ転換しないと活路を開けないかもですが。
リナレスは別とすれば、今回の三浦もそうですし、亀海や荒川等もテクニシャンの顔を捨てて、ガムシャラに戦ってようやくチャンスを掴めるのかも知れません。そして、それが今現在の日本人選手の海外での立ち位置なのかも。
 
ただし、本場で評価を集める選手はやはり、攻撃力があっても防御に秀でてる選手です。ゴロフキン然り、ロマゴン然り、ロマチェンコはいわずもがな。パッキャオにしても露骨に顔をボコボコにされた試合は思い出せません。(マルケス4では豪快にKOされましたが。)
 
そして、Numberのボクシング特集での現役ボクサーの最強とは?というアンケートの答えにフロイド・メイウェザーが上がってるのが興味深いです。なかにはゴロフキンやロマゴンを上げてる選手もいましたが、やはり競技者的には攻撃よりも防御に秀でてる選手の方が評価が高いのでしょうね。90年代にはパーネル・ウィテカーがPFPの筆頭に上げられてたことを思い出します。
そして、メイウェザーの試合がつまらないと言われながらも観客が集まり、莫大なPPV収益を上げてた事実は何だかんだ言われながらも、米国のファンが殴り合いでなく、攻防の技術に裏打ちされたノーブル・アートとしてのボクシングを愛出てきた歴史の長さを思い起こします。
今回の三浦の逆転劇は確かに凄かったですが、6Rまでの展開は褒められたものではなかったはず。あれも三浦のスタイルかも知れないですが、海外でより高みを目指すのであれば、安定した判定勝ちを狙えるスタイルを併せ持つなど幅が欲しい。
激闘は観るものを酔わせますが、我々はそれ以上に三浦が高みに到達する姿を観たいのでそこに行くまでに潰れてしまっては困るのです。
 
 

我、何故、女子ボクシングに興味が湧かないか。

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独断と偏見は承知のうえで書かせてもらいますが、私を含めて周辺のボクシング・ファンは女子ボクシングにまったく興味が湧きません。むしろ観に行った興行の中で女子の試合(vsタイ人とか特に)があると入場料の何割か損した気になります。
異性のジャンルなのでルックス的な好みとか外見的なものが男性客の興味の中に何割か入ってくることは否定できませんが、問題はそんなことではないのではないか。
 
女子ボクシングがJBCにより解禁されたのが、2008年。あれから9年経って現状はどうか。
何人もの世界王者が誕生し、防衛階数を二桁以上のテープまで伸ばした選手もいる。
しかし、それが盛り上がりに結びつかないのは男子と同様だが、事態は男子よりも深刻だ。
根本的な問題として
 
①世界王者が輩出されてるのに日本王座が無い。当然、ランキングも存在しない。
②マッチメイクが日本vsタイ(または韓国)の頻度が高い。実質、勝敗が100%読めるし、相手のタイ人も構え一つとっても素人しか思えないケースも多々ある。
③1R2分という時間設定。ボクシングという競技をやる以上はラウンド時間は変えるべきではない(3分)調整を付けるならラウンド数にすべき。
 
また選手の問題として
①基本フィジカルが男女の差は仕方無いが、同一体重の海外選手と比較した場合に差がありすぎる。
②パンチが女の子打ちの選手が多い。ガードもお構いなしで我慢比べの様相を呈するので、観てる方もだらけるし、顔が腫れて凄惨な試合になってしまう。
③打ちつ、打たれつの防御がザルなケースもある。②であげた様にお互いに1発で倒すパンチが無いので、顔が腫れあがるなど凄惨なイメージだけついてしまう。
 
選手のレベルや技術の問題に関してはトレーナーや指導者の管轄なので我々門外漢は出来あがってきた状況を判断して木戸銭払うかどうか決めればいいだろう。
しかし、ランキングや日本王座、マッチメイクなどの制度の問題はJBCや協会等が手を付けないと抜本的に変わることは無いだろう。今の状況だと何のために認可したのかわからない。
付け加えると、同じ女子の競技でもレスリングや柔道などの五輪競技はもとより、MMAでも男子を凌駕する選手が出てきてますので、可能性はあると思ってますけども。
 
 
 
 
 

誰もやらないのか?

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真正ジムの山中竜也が一度も防衛戦を行わずに東洋の王座を返上しました。
その前には暫定ながら加納睦がやはり一度も防衛戦を行わず返上。その後に高山とのWBOの王座決定戦があったとはいえ、OPBFのミニマム級王座の扱いは酷いものです。
世界へ挑む前の通行手形としてしか認識してないにしろ、この階級は国内では選手層が充実してるのだから、せめて1~2度防衛してからでないと身内以外のファンは納得しないでしょう。関西圏の選手に奪取→即返上の傾向が強く感じるのですが、偏見ですかね?
 
この階級みたいに世界挑戦への腰掛け程度にしか思われてないものもあれば、誰も挑もうとしない階級もあります。去年の11月に戴冠したばかりですが、どうして誰もマーク・ジョンヤップに挑もうとしないのか?
 
        
 
かって2000年代に同じOPBFのバンタム級王者だったジェス・マーカには多くの日本人が挑んでは敗北を重ねていきましたが、それでもその経験を生かし、後に世界へ到達した選手もいますよ。川嶋とか。長谷川なんかはマーカ戦が文字通りステップ・アップの1戦になったわけですし。
2000年代後半には日本に定着したマルコム・ツニャカオがやはり日本勢の壁となりましたが、大場浩平をはじめ、中広や本田とかはリスクを顧みずに雄々しく勝負を挑みましたよ。
ロリー松下が王者の頃も然り。日本王者だった三谷将之とか第二次政権下においては大場とか船井とかがチャンスを掴もうと挑んでいきました。
 
近年ではOPBFのSフェザー級王者だったジョムトーンに挑んだ金子大樹の例もあります。本当に上に行こう、のし上がろうという勇敢なマッチメイクに挑む選手は勝敗に関わらず、応援したくなります。
そして、日本人を応援する以前に自分はボクシング・ファンですから、果敢な戦いを見せる選手、勇敢な試合をする選手は国籍問わず応援したくなります。せっかく、日本人が挑みやすく、日本のジムに所属してこの国を主戦場にしてくれてるわけです。この階級でこれから世界を目指すならばジョンヤップを無視するのは物凄く失礼なことではないでしょうか。
 

マイペンライ

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アムナットがキックの試合で那須川天心と戦い、4RでKO負け。大方の予想通りでした。

ただ、以前に魔娑斗がK1で行ったvsボクサー戦で見せたローキック主体の戦いでなく、パンチで倒してのものですからキックの試合であるものの、これは天心のポテンシャルを褒めるべきでしょう。
ムエタイの試合をチューンナップで行ってるとはいえ、当たり前に異種の試合を行い、予想通りに負けても「明日があるさ」とばかりに笑顔を見せるタイ人にはある種の強さも感じます。いや、皮肉でなくてね。
出生のときからwiki記載通りであればアムナットは凄い人生を歩んでいますが、それはリング上の変換も然りです。ムエタイ→アマ国際式→プロ(世界奪取)。プロのリングに上がりつつ、五輪出場して、ムエタイ復帰。そして今回の那須川戦。
面子を大事にする日本人は負けた後は精神的に落ち込むことも多いのですが、タイ人は国民性からか立ち直りが早いです。競争が激しいとはいえ、ムエタイの試合数は半端でないですから落ち込む暇も無いのでしょう。この切り替えが彼らの強さ、逞しさの源でもあると思います。しかし、凄い振り幅ですね~。
 
          
 
          
 
          
         
 
          
 

1995年の田村潔司

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全選手の入場です!!!
 
               
 
UWFというのは書き手のセンスが問われる題材です。
格闘技ファンからすると疑似格闘技に他ならないとなるし、プロレス・ファンからはあれはプロレスとは言えないと揶揄される。特に格闘技寄りのマスコミに書かせると単なる事実(=悪口)の羅列に終始する人も多い。一部で再評価されてる格闘技探検隊もその私怨丸出しで幼稚な文体からは本当に格闘技を観戦者の立場から良くしていこうという思いは感じられなかった。その思いは今も変わらない。
解答が出た今の時代にUWFを振り返ると、羊頭狗肉の部分はあったかも知れない。しかし、あの時代にUWFがあればこそ、格闘技は食べていくことが出来る様になったし、プロレスは十年以上、強さの幻想を維持出来たりもしたわけで、この事実は変わらない。
そして、前田も髙田も引退し、船木や鈴木ですら、総合格闘技とリンクしなくなった現代において、UWFは過去の遺物として忘却されようとしています。そこに独自の観点で光を当てたからこそ「1984年のUWF」はあの時代に青春を過ごしたものの熱意を呼び起こしたところは確かにあるだろう。
しかし・・・佐山視点というのは確かに新しい視点だが、彼がやりたかったのはUWFでなく、修斗だったはず。だから、スーパー・タイガーはアッサリとリングから消えたのだ。だから佐山はUWFの功績など求めていない。その後もリングに上がり続けてUWFを見せていたのは他ならぬ前田達。だから前田は今回、批判の矢面に立たされる。それがUWFの功罪ではないか。
敢えて言えば1986年の前田日明はその功罪を背負っていく覚悟が見えていたからこそ、魅力があった。あの年の前田をリアル体験したからこそ、何を言われ、書かれても自分の中の前田像はまったく持って揺るがない。
書籍による事実の羅列はあの時代の空気を再現してるとは言えない。だからこそ、「1984年のUWF」は自分には片手落ち感が強い。
 
~閑話休題~
 
時代は代わり、誰もUの魂を継ぐものがいなくなったかに思われたが、唯一、Uに拘った存在として田村潔司の存在は外せない。オープンフィンガーよりも掌底、ストップ・ドント・ムーブよりもロープ・エスケープ、ポジショニングでなく回転体、そして脚先にはレガーズ。心の中には小太刀。
新生UWFでデビューして団体解散、そして参加したUインターでは最初は自分の思想にブレは無かったはず。団体の序列はあるものの、練習を重ねて強く、魅せれる選手になることだけを考えてれば良かったのが1992年まで。普段と違う試合で強さを見せつけるために行ったマシュー・サー・モハメッドとの格闘技戦もあくまでも自分のための箔付けで行ったシュートでした。北尾の参戦も上の人達が対応していて他人事ではあったわけだし。
 
しかし、No.2という立場では団体運営の中で関わらなくてはいけない部分も出てきた。
ベイダーの参戦、一億円トーナメントの開催。練習で培ってきたことを披露出来ない試合が増えてきた。93年という年は国内ではパンクラスが旗揚げし、海外ではUFCが産声を上げていた。安生が道場破りに失敗し、団体のイメージが失墜する。93~94年にかけての田村は危機感があったはずだ。
そして1995年の田村潔司はUWFを背負いつつも実験をリング上で繰り返す。
①垣原との2連戦
②オブライトとの2連戦
③新日本との対抗戦出場拒否→K1でのパトスミとのアルティメット戦
 
         
 
 
田村が目指したのはパンクラスなのかと言われたが、それは違う。例えば垣原との1戦目(95年2月18日NK)はパンクラスのリングで行われても遜色無いものだったが、本人が志向したのは2戦目(95年7月28日博多)の方だ。
持ち味を潰さずに道場で培った技術の攻防を魅せるよりリアルに近づくUWF。純度100%のリアルでないが、それはリアルなものを凌駕するリアリティを指すのではないかと思う。
練習してるものは上に上がり、してないものは下に下がる。コンテストでありながら、お客さんを満足させて家路に付かせるものではなかったか。
しかし、それは上の選手がシュートそのものでないにしろ、安穏としていられないことを意味する。リングの行いで問いかけそのものがよりシュートに迫ってくるからだ。
失うものが無い若い選手は田村を支持したのも当然だろう。このときの傾倒が深い程に後の溝も埋まらなかったりする弊害も出たのだが、そうヤマケンのときみたいに。
しかし、外人は田村に懐疑的だった。それがオブライトとの2戦に当たる。
こんな試合やってられないと顔面殴ったり、膠着したり、試合後に椅子を投げた1戦目。
あっさりと技の途中でギブアップして呆気なさしか残さなかった2戦目。
オブライトは垣原と違い、田村にNOを付きつけた。そして全日本へ移籍する。
 
新日本プロレスとの対抗戦も素手によるVTも本意とするところではなかったはずだが、よりUWFに近いものとして後者を選択した田村のセンスは危うくも鋭い。そして、パトリック・スミスとの対戦で生き残ったことで更に田村は悩んでいくようになる。
時代はVTからMMA、素手の拳からオープン・フィンガー・グローブへ。
リングスもKOKもPRIDEやDREAMも本当にやりたいことでは無かったのかも知れない。
U-STYLEでさえも所詮は箱庭にしか過ぎなかった。やりたい舞台がないことで、20年以上経った今も田村は悩み続けている様に見える。
しかし、1995年の実験を切り抜けてきたからこそ、UWFを背負うことが許されるのかも知れない。
 
 
 
 
 
 

ミニマム級が泣いている

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かってミニマム擁護論をぶった身としては肩身が狭い状態が続いてます。

歴史が浅いにも関わらず、国内外で多くの名王者を輩出してきたのですが、最近の凋落っぷりは目に余りますね、もともと海外ではアジアや中南米偏重であったのですが、最近は自国の選手同士でタイトルマッチを組むことも多くなり、ベルトが他国に流出しにくくなってるのも不活発化の一因ではないかと思います。

何故、こんなことになったのか?ま、思い当たる節はいくつかのあるのですが。

例えばアジア諸国に関しては

①韓国の衰退

日本、タイと並ぶアジア主要のボクシング大国も今は昔。かってライトフライでも張正九や柳明佑などの名王者を輩出したかの国はミニマム(ストロー)でも5度防衛の記録を持つ金奉準、ライトフライ級も交えて二階級制覇した崔漸煥、崔熙壙などが出てきて活況を呈していました。かっての列強の衰退があきらかに層の薄さを促進させてしまったのは残念。

 

②タイや日本での同国人同士の世界戦開催の増加

世界と名前がつけば何でもいいというお手ごろ感から、この階級に目を付けて、後は海外流出の危険性を極力排除したマッチメイクに終始してるのがこの二国の現状でしょうか。タイではワンヘン、ノックアウト、日本では高山ががっちりと握って不活発化を促進してます。

高山の試合などは世界戦という括りで見なければ、国内での後輩相手のハードマッチメイクとも捕えられるだけにイメージ・ダウンは勿体無いのですがね。あれを世界タイトルマッチと認めてしまう現状が哀しい。

正当に手順を踏んでるのは福原だけですかね。山中や加納もあわよくばという陣営の思惑が見え過ぎて応援する気にはなれません。

 

外的要因に関しては、80年代と比較すると、青年の平均体格が向上してきたこともあげられるのではないかと思います。以前は先進国と後進国の経済格差から来る食糧事情や環境面等の問題から(当然、遺伝などの影響もあるでしょうが)平均体格に差が付いていましたが、近年はこの差が縮まってきている印象を受けます。我が国においても180~190cmの背丈の方をごく日常的に観る機会が増えてきています。

今ある階級を廃止するのは現実的ではないですし、何よりもロペスやこの時代のロマゴンなどの名王者の活躍が歴史に埋没して忘れ去られてしまうのが怖い。ならば、再び価値を見いだせる様な環境を整えて欲しいなと思います。

 

     

 

     

 

     

 

 

 

キャリアの果てに

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日本ユースの設立や他地域王座の認定を呼び掛けるなど、ファンのニーズとかけ離れたところに行ってるワタナベ体制ですが、言うなればC級~A級のタイトル獲得以前の選手への補填の意味が強い様に見えます。好意的に観れば、どこのジムも自分のところのホープに箔を付けたいものでしょうしね。

ただ、本当にフォローアップが必要なのは、ある程度上り詰めた選手に対してでないかなあと思います。例えば日本とか東洋を獲得して王座防衛を重ねて返上した後。

階級によっては世界挑戦への算段が組めたりするでしょうが、それが適わないケースもあります。中~重量級だと無為にキャリアを浪費するだけで先方からのお声がかかるのを待つだけの場合もありますし、テーマ無く試合を積み重ねるだけなのは勿体無い。

例えば加藤善孝や天笠 尚。金子大樹等は先が見えにくい状況で試合をこなしてたりする様に見えます。加藤以外は世界挑戦までしたのですから、ある程度の達成感は得られてるのかもしれませんが、ここから巻き返しを狙う上での展望が見えていない。そして、これは選手だけでは無理であり、所属ジムの力によっては階級的に難しいこともあるので、ここらへんを上手くフォローアップさせられる様な制度が出来ればなとは思います。

大竹秀典や帝里木下は陣営の思惑が色濃いマッチメイクを続けてる様に見えるのでまた話は別になるのかも知れませんが。

 

帝拳では亀海や三浦が海外で上手くテーマのあるた戦いを出来る環境にあり、後は本人の実力次第の部分まで環境を整えられてます。しかし、これも帝拳だから出来るのかも知れません。何よりも一度海外での世界戦で敗れた小原に今後の展望が見えて来ないし、日本王座を返上した岡田も首尾よく次のステージへ進めるのかを考えると不安になります。

そして亀海も含めて、小原、岡田の3人がSライト~Sウエルターという世界的に層の厚い階級へ風穴をあける可能性を感じさせてくれるだけに業界で飼い殺しにしてしまうことになるのを憂慮します。

関西圏で粛々と防衛を重ねてる中谷や野中にも次のステージを用意してやるべきですし、こういう選手達の海外進出等のフォローアップを行うのは一ジムの責任でなく業界全体でやれればと思うのですが、せせこましく小銭稼ぎのために無駄なベルトを量産してる現状では無理なのでしょうか。

 

 

3・2両国観戦記

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久々の両国国技館、久々の山中生観戦。岩佐、ビロリアに尾川のタイトル戦もあって豪華ではあるものの、相手との力量差のあるカードが多く、顔見世の意味合いが強い興行ではあった。

さて、今回はhigegeさんのブログのコメント欄でお見受けする達人先生にチケットを依頼したこともあり、初めてお会いする方もいたが、マニア度数が濃い席周辺になってました(笑)。これに試合後の食事にプクーさんが合流したから濃度は増すばかり。初対面の人とも昔からの知り合いの如くすぐ打ち解けられるのも、共通の趣味があればこそですかね。

その中の一人が今日はボクシングそのものよりもボクサーを見せる興行と言ってたけど、そんな感じでした。

この日は4回戦はデビュー戦か1戦しかしてない選手しか出してなかったなあ。

アンダーで注目してた岩佐は予想通り、ビロリアはやや予想外というか、期待外れな試合でした。プクーさんの話だと粘るメキシカンに以前から苦戦を強いられてたみたいなので、もう1戦観てからの判断にしたいけど、この日に限っては錆ついてるなあという印象でした。日本人がもっと手を挙げたら大物食いが出来るんじゃないか?

    

 

 

 

 

早い展開でサクサクと試合が進み、この日、一番勝負論があるセミ・ファイナル。

日本王者の尾川にミリオン後楽園を勝ち抜き、権利を掴んだ杉田聖が再挑戦。杉田の左が小気味よく尾川の顔面を捕える展開。序盤の動きが堅いのはいつもの尾川かも知れないが、それでも2、3Rを獲られたときにはもしや・・・と思わさせられた。

しかし、パンチが強い選手はやはりアドバンテージがある。尾川の左、そしてガードの上からでも叩きつける右は攻撃それ自体がプレッシャーになって杉田に二の足を踏ませる効果がある。加えて5R終了時の途中採点は尾川有利、これで陣営は自信を持ったのか、足を使い出し、左もビシビシ決まる様になってきた。杉田は時折り、右クロス等を好打して、流れを完全に渡さず抵抗したが、それでも最後には尾川に気迫で押し切られてしまった。ここら辺の勝負に対する貪欲さは本来、挑戦者たる杉田が見せるべきものであり、ここで行けなかったのが勝敗を分けた気がする。ただ、尾川も日本王座卒業とはいかなかったなぁ、伊藤とか金子と決着を付けてからでないとこの階級の世界はおぼつかない気がする。なんせ一番の穴であろう王者がコラレスですからねえ・・・

 

 

ちなみに今回は2階正面の2列目という好位置の席を用意して頂いたのだが、前の席に一人で来てた帽子を被った40~50代位の男性、尾川や帝拳が嫌いなのか相当に野次が汚なかった。何回、後ろから後頭部蹴っ飛ばそうかと思ったか。しかも、他人の席だったらしく、本来の席の人が来たら「すみません」の一言も言えずにす~っと消えて立ち去ってやんの。空いてる席に座るならせめて大人しくして欲しいものだ。最低だよ、お前。

 

さて、休憩をほとんど入れずに一気にメイン。山中の登場です。いつの間にか2階はモニタ設置で潰してるブロックはあるものの、ほぼ満員。その分、1階升席がちょっと寂しかったが、会場の熱は相変わらず高い。テレビ座敷で観戦してる人もこれは会場で体感して欲しいなあ、山中が現役のうちに是非、一度は足を運んでみてください。

 

        

 

 

試合の方はほとんど右のリードを出さずに惜しみなく、左の大砲をドッカン、ドッカン打ちこんでいく展開。モレノとのヒリヒリする試合を行った後の絶対有利を予想される試合だけに圧倒的に勝ちたかったのだろう。7Rまでに5度のダウンを奪っての圧勝だったから思惑通りともいえたが、5Rに2度ダウンを奪った直後にクリンチの距離で右をもらい、効かされてしまったのが気になった。ダウンを奪われた後の回復力は早いが、効かされた後に連打に掴まる展開は未知数だ。ダウンならインターバルを取って出直しが出来るだろうが、こらえて効かされると長谷川vsモンティエルの最後の様な悪夢も脳裏をよぎる。

あとは格的に下の相手だからこそ、サンティリャン戦で見せた様に右のリードを試したり、モレノ1で地味に効果的だったボディを交えるなど、テーマを持っての圧勝劇にして欲しかったというのは欲目に過ぎるだろうか。

 

心踊らない世界戦・再び

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以前、デンカオーセンvs亀2の1戦目が発表されたときにhigegeさんのブログのコメント欄で心が踊らない世界戦と書いたら、結構反響が良くも悪くもあったらしいのですが、亀以外でもそんな世界戦が増えてきましたね。勿論、選手に罪は無いのですが、単純にお金と時間を賭けてでも観に行きたいワクワク感があって然るべきなのにそれが感じられないのが問題ではないかと。

さて、そんなことにならない様にするためにはどうすればいいのか。

①挑戦者に世界に挑むだけの実績があること。

※単純にベルトの有無だけでなく、「誰」と「どのような試合」をして「結果」を残せたかどうか。

②直前の試合で勝ってること。

※前哨戦で負けて挑戦だと盛り上がりに欠けますしね。例外として内容が良くて、結果が問われないケースもあるので絶対条件では無いのですが、最強を争う直前の試合で黒星というのはどうもね。

③強い王者に挑むこと(強い挑戦者を選ぶこと)

※穴王者に挑んでも白けるだけ。但し、強過ぎてまったく勝ち目が無い王者に挑むのも時と場合によりけりなのかも知れない。

 

これだけの条件をクリアすれば世界戦として立派なステータスを築いてると思います。

さて、近年でこれらの条件に当てはまらない試合といえば下記の通り。

ただし、亀田絡みを入れるとほぼそれで埋まってしまうので除外します。あくまでも試合が対象なので「芝居」は別物と思ってください。

 

①ネオマル・セルメニョvs久保隼

②高山勝成vs加納睦

③ノックアウトCPフレッシュマートvs小野心

④ノックアウトCPフレッシュマートvs大平剛

⑤アレクサンデル・ムニョスvs相澤国之

⑥八重樫東vsサマートレック・ゴーキャットジム

⑦クリス・ジョンvs武本在樹

⑧井岡一翔vsヨードゲン・トールンチャイ

⑨高山勝成vsファーラン・サックリンJR

⑩井岡一翔vsホセ・ロドリゲス

 

80年代はレオ・ガメスvs横沢健二とか90年代にもリカルド・ロペスvs平野公夫やダニエル・サラゴサvs原田剛志とかミスマッチはありましたが、王者は紛れもなく強かったですからね。王座奪取への期待感が持てないからワクワク感が無かったけど、今回の久保の試合みたいにどっちが勝ってもファンが頭を抱えてしまう試合であったり、組み合わせ的にこれで世界戦?なカードがあったりするのとはまた違ってたと思います。少なくとも王者が防衛して「あぁ、やはり世界王者は強いね。」と感嘆してしまうところがありましたから。

少なくとも上の試合にはそれもない。強いて言えば③と④はまだ海外で挑んだというエクスキューズがあるが、カマセの立場を期待されてそれに応えてしまったことは否めない。

しかし、世界戦と名打つ試合だけはボクシング・ファンや関係者の聖域であって欲しかったのだが、もうそんな余裕も無いのですかね。

 

亀が厄しょってやってきた。

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最初は無視しようと思ったが、釘を刺すために書いておこう。

先日、後楽園でツチノコ3号が国内復帰を果たしました。普通に試合をして普通に黒星先行のタイ人に勝ちましたがそれ以上でもそれ以下でもありません。ことリング上に関しては各々が思ったことを述べればいいと思ってます。

しかし、奴らはリングに上がる前に試合の抱負とかビッグマウス以外に自分達の支持者以外に言わなければいけないことがあるのではないか。

・ヘイモンのもとで俺、ビッグになるぜぇと言って日本のリングをせせこましいみたいに揶揄してたのは誰なのかね。

・ビバ・メヒコを謳って、日本にアディオス!と別れを告げたのは誰のかね。

別に謝罪しろとは言わないが、ファンやJBCに対して佐々木健介ばりに「正直、すまんかった!」という一言位あって然るべきだし、本心でそう思ってなくてもポーズだけでもそうするのが日本社会のマナーの一面でもあると思うのだが。強い相手とガチで戦いたくないという気持ちと自分の非を絶対に認めないというチャイルディッシュな感情にだけは正直でいたいということかも知れないが、やはり蛙の子は蛙というかあの親父・兄にしてこの三男ありという気持ちは変わらない。

試合を観てくれという人もいるだろうが、タワッチャイという相手に何を期待すればいいのだろうか。久々の復帰戦とはいえ結局、毎回復帰戦みたいな試合ばかりだし、あれを絶賛するのがわからない。防御専守に徹する相手にはサンドバッグみたいに気持ちよく打ちこめるだろうよ。しかし、倒れないことを目的にはしてただろうが、倒す意思を持った相手でなかったのは事実だろう。注目される初戦だからこそ、日本人相手で禊をつけるべきではなかったのか。それもハイリスク、ローリターンの危険な相手でね。

ロマチェンコの名前を出すのは勝手だが、客観的に自分を俯瞰するということが出来ないのは彼らのリング外の支持者と変わらない。

普通に試合をするだけで支持者がこれだけ騒いでくれるのは、今までいかに普通でなかったのかの証明でもある。彼らの問題は強いか弱いかでない。あくまでも姑息で卑怯なのが問題なのであってその心根は改まったとは思えない。心の中で舌を出してる姿が容易に思い浮かぶ。どうせ、今までの経緯からすると喉元過ぎると熱さを忘れるのが容易に推測出来るしね。

※ついでに親父がセコンド復帰してることを誰も問題提起してないのがマスゴミたる所以ですね。アレが受け入れられた時点で日本のマスコミのリテラシーの低さが浮き彫りになったのは恥ずかしいことです。

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