近年、いろんな所でJBCの在り方が問われてますが、他の格闘技も好きな自分としてはまだ統轄団体があって皆が一緒の方向を向いてる分はマシだと思います。キック系などは方向性がバラバラなので一部を除いて発表会の誹りを逃れないところもありますからねえ。
前座選手がファイトマネーをチケット払いで場合によっては持ち出しになるところは他の格闘技も変わらないですが、頂点に上がったときの名誉と金はまだ雲泥の差があります。どんなに権威失墜を言われてるプロ・ボクシングの世界王座ですが、よほどの事が無い限りは他の格闘技の選手より金銭的なメリットはまだあるでしょう。
そんなボクシングの権威を利用して、パイオニアという体のいい言葉を使って独自の興行を打つ方達も散見します。いや、これらの興行が定着して現行のJBC体制よりも厚みを増した陣容を創り上げていけば開拓者としてその名を残すでしょうが、現在はただの泡沫候補にしか過ぎないわけですね。
一回、二回の興行打って消えていく類似競技、草興行は忘れられていくしかありません。
1.BOX FIGHT
※言うまでも無く類似興行ではありますが、従来のボクシングと差別化も図られてます。
①バックハンド・ブローが有効
②3分3R、または5R
これらの形式から類推するにキック系やMMAなど他競技の選手がパンチの技術を磨く場所としての存在意義はありそうです。ただ引退したボクサーや引退勧告を受けた選手を担ぎ出したとしたら問題が出てくるかも知れませんが。
2.JBC非認可興行
※古くは96年11月3日にNKホールでジョージ・フォアマンを招聘したマニアには伝説(?)の大会もありましたが、米国の中継に合わせて進行はグダグダ、英語のアナウンスしか無かったし、パンフレット等も無かったので観客がおいてきぼりになったズンドコ興行だったらしいです。
日本人選手の出場は無く、それでもオーランド・カニザレスやトミー・モリソンが出場して注目されてましたね。モリソンはHIV検査で陽性の診断が出ていたので試合をやらせること自体が問題視されていた記憶があります。出血もなく、1Rで終わったので事無きを得ましたが。
そして今年に入ってからは山口賢一主催のWBFの世界戦とかもありましたね。
JBC憎しでこの興行を担ぎあげた一部の方々が試合後のズンドコぶりをシカトしてるのはどうなのかと思いますがね。また、この試合で山口を破った小林健太郎の陣営がブログ上で世界王座奪取と喧伝してるのも何とも言えません。西澤ヨシノリもWBFの王座を豪州で奪取したのはあくまでも現役続行の通行手形を手に入れるためであり、記録や記憶に残ってるのはムンディンやバイエルといった本物の世界王座に挑んだことだと思うのですがね。
山口に関しては過去にも国内で激闘を展開し、海外でサリドやデイブとも対戦した確かなキャリアを積んでる選手だと思ってます。それだけに何があったか分かりませんが、草試合と見紛うような興行を行うことだけは避けて欲しかったのですが。前座の選手も公式記録に残らないのではかわいそうですよ。
キックボクシングの関係者と以前、お話させて頂いたとき、ボクシングは同じ方向を向いているのが羨ましいと言われたことがあります。この一体感を上手く転がしていくことこそが大事だと思います。
それ、もしかしてボクシング?
お詫び
6月3日以降の一部、コメントが反映されていませんでした。
結果として承認に時間がかかってしまいましたので謹んでお詫び申し上げます。
今後とも有意義なご意見をお聞かせ願えれば幸いです。
倒されてもなお
ジョニー・ゴンサレスがクリストファー・マーティンに壮絶なKO勝ちを収めました。
何かと日本とも縁深いジョニゴンは強打者であるものの、打たれ脆く、過去に痛烈なKO負けを何度も喫しています。しかし、その都度に何食わぬ顔で再起してきます。
ラタナポンやマーク・ジョンソンにKO勝ちし、フェルナンド・モンティルと激闘を展開したバンタム級王者時代。
1階級上のSバンタム級王者、イスラエル・バスケスに激闘の末にKO敗退。
その後、有利予想だったベテラン、ジェリー・ペニャロサにボディを叩かれ、まさかの敗退。
そして、地元メキシコにて西岡のモンスター・レフトに仕留められKO負け。ここらへんが底だったかも知れません。
そんなジョニゴンを蘇らせたのは名匠、ナチョ・べリスタインでした。
チューンナップ戦をこなした後、震災の傷跡深い日本に来日し、長谷川に見事なKO勝ちでWBCのフェザー級王座獲得。
これを持って長谷川と西岡の比較論に走る向きもありましたが、ナチョ以前と以後のジョニゴンはまるで別人の趣きでしたし、相性の件も加味すると単純比較出来ないかも知れないですね。あえてそこを踏み越えて比較するのもマニアの楽しみではありますが。
その後、ポンセ・デ・レオンに負所判定で敗れて陥落したのは残念でしたが、その前の防衛戦でムタグワやロイネット・カバジェロ、エリオ・ロハスらを退けたのにはキャリアからくる巧さが従来の強さに加わってきた印象を持ちました。
そして2013年夏に不利予想のアブネル・マレス戦での初回KO勝ち!村田デビュー戦の有明コロシアム会場で休憩中にこの速報を聞き、思わず声を上げてしまいました(笑)。
そして昨年はゲーリー・ラッセルJRにストップされ、次戦でジョナサン・オケンドにいいところなく判定を落としての連敗。これまでか・・・とまた、思われてからの復帰劇。この勝利に喝采を送る日本のファンも多いはず。
思えば、長谷川戦が東日本の震災の直後に例え(関西に会場が変更になったとはいえ)福島原発の放射能洩れの不安もあったあの時期によく来日してくれたと思います。もちろん、同じ大会に参加したグチェレスやマウリシオ・ムニョスにも言えることですが、ジョニゴンほどのビッグネームであれば、彼らと違ってここで機会を放棄しても、チャンスがすぐ巡ってくるはずと考えても不思議ではなかったです。
しかし、それでも敢えて来日し、最高のパフォーマンスを見せたジョニゴンにはメキシカンならではのマチズモを感じました。今度は我々が応えてやる番です。
Sフェザーで戦えるならば、コラレスとやる前の内山高志の再起戦の相手としてはいかがでしょうか?
残酷な天使のテーゼ
今年も既に半分が過ぎました。世界王者が何人もいて、一見すると活況を呈してるはずの業界が閉塞感に苛まされてる気がします。簡単に言うと例年に比べても金払って観に行こうという気にさせてくれる試合が余りに少ないからマニアでも国内事情に乗れないのではないか。
複数世界戦開催が当たり前に成り過ぎて、王者の数ほど興行数が増えていない。単純に相手次第ではあるが単独でメインを張れる王者は山中と井上、井岡(大阪限定)位ではないのか。河野や田口、八重樫には不安と不満しか感じられない。
集客が駄目でもその階級での強さを感じられればいいのだが、これとても山中、井上に期待は抱けるものの他の王者には残念ながら、その階級においてのトップ争いに加われるとは思えない。癒着してるマスコミやテレビの売り込みで無意味な記録狙いを目指されても白けるばかりです。
地域王座はどうか。金払って観に行くつもりになるのは日本タイトルマッチだけだが、それとても上位ランカーが王者の王座返上を待っての決定戦狙いで好カードが無くなると観戦意欲が減退する。
暫定まで認めてしまったOPBFや未だに無価値のユースは言わずもがな。そしてWBOの地域王座まで認可しようという動きは何を言わんかやであろう。
もうねぇ、業界全体に強烈なショックを与えるカードを大手が協力して組んでしまうしかないんじゃないか。それも井上vsロマゴンみたいな海外開催も考えられる組み合わせでなくて、日本開催が前提で一見さんもマニアにも強烈なショックを与えられる組み合わせ。考えようによっては敗者の競技者人生に大きな影響を与えるかもしれないが、そもそもボクシングの大試合はそういう類のはず。
それは山中慎介vs井上尚弥ではないかと個人的に思います。
山中自身はビッグマッチを求めての転級はあるかも知れないが、無理して階級を上げなければいけないほど減量に苦しんでるわけでもない。一方、井上に関しては将来的にはバンタム転向を視野に入れてるのはまだ身体が大きくなってきてるからでしょう。山中の年齢的なこともあり、充実気にある間に何とか実現させてもらいたいと思うのですけども。
夢物語として一笑に付してしまいそうなカードが実現したときは業界内だけでなく、世間にもインパクトを与えることがあります。古くは小林弘vs西城正三もそうでしたし、90年代の薬師寺vs辰吉や00年代の畑山vs坂本などがそうでした。
薬師寺vs辰吉に関しては電車の中でNumberの特集号を読んでたら、見ず知らずの人から「どっちが勝つと思います?」など普通に話しかけられたこととかありましたからねえ。しかも数回。
階級とか細かいことまで世間の人はわからないけど、今、世界王者がこんなにいたら誰が一番強いのかと疑問に思うことでしょう。そうしたら近い階級で実績があるもの同士を戦わせるのが一番、現実的ではないでしょうか。
4団体加盟で世界王者があちこち出来ても、皆が勝手に相手を選んで防衛戦をやってる状況はヌルいだけです。かってボクシングの世界戦は敗者が即引退になることも珍しくないほど、残酷な舞台だったはず、だからこそ勝者には比類なき栄誉と金銭が手に出来たのです。
今後、いくらベルトを増やしても喜ぶのは記念に形になるものを得たいという方々のみ。
ファンはその選手が誰とどういう試合して、どのような結果を残したのかを気にしますが、タイ人相手にユースや暫定王座の獲得まで記憶してません。単なる思い出を自分達の中に創るのでなく、あくまでもファンの心の中に残る思い出を創る様な試合を提供出来なければ、歴史の中で淘汰されていくだけでしょう。
上半期の惨状と下半期の期待
河野とルイス・コンセプシオンの対戦が決まりました。ようやくというか、ワタナベ会長もやれば出来るじゃんというのが正直な感想。田口と宮崎も宮崎が本来はライトフライが適正階級だったことを考えれば悪くない組み合わせだし、これは会場に足を運ぶ価値があるかも。
太陽と海さんがブログに上げてたように今年の上半期は業界的にはそりゃあ酷いものでした。
なんせ、印象に残るカードが少なすぎるし、金払って会場に足を運びたくなる組み合わせがほとんどない。結果として好試合になることはあるものの、こりゃあ身内以外は来ないよなというカードばかりで辟易しました。井上兄の防衛戦もフジの段取りの悪さで悪評でしたしね。
後楽園ホールも五輪開催に合わせる様に改修工事に入るので、下半期は心機一転、怒涛の勝負カード・ラッシュを期待したいところです。そんなわけで下半期に期待したい組み合わせは・・・
①山中慎介vsリー・ハスキンスまたはジェイミー・マクドネルの統一戦。
モレノ2はこの後でいいです。ちょっとモレノはお腹一杯かなあ。
②井上尚弥vsローマン・ゴンサレスまたはエストラーダかクァドラスでも可。
しかし、ロマゴンvsクァドラスの報も。これはこれで楽しみですが、バンタムへ上げるのはその後だ。
③中量級戦線の活性化。国外では小原の世界挑戦と亀海の上位ランク(ウェルター)入りを望む。
国内では岡田に期待。荒川が階級アップしないかなあ。記録達成してしまう前に別府の日本上位ランカーとの対戦希望。クリアすればあきべぇとの新旧倒し屋対決を是非。
④尾川、内藤律樹、仲村、金子に伊藤などの国内Sフェザー級ウォーズ開戦。あと誰か一人入れてスーパー6をやってしまえ。
⑤大森、岩佐、赤穂、益田・・・バンタムで凌ぎを削ってる選手のサバイバル戦。
こうして見るとタマは一杯ありますねぇ。世間受けとか考える前にマニアの琴線に訴えて金銭を落としてくれる様なカードをたくさん組んでください。目指すは逆・亀路線。
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歴史探索~高山勝義キック時代の戦績(随時改定)
今回は高山勝義(新日本木村)のキック時代の戦積を調べてみました。
62~70年まで現役で活躍し、タイトルには恵まれなかったものの、現役の世界王者であったサルバトーレ・ブルニ(イタリア)との無冠戦で10回判定勝ちを納め、66年3月にはオラシオ・アカバリョ(アルゼンチン)の世界フライ級王座に挑むも1-2の判定で惜敗。そのキャリアの中では32連勝という戦積が光ります。
そんな高山が引退後にキック転向したのが72年。同年8月5日の後楽園でのデビュー戦は怪我で流れてしまったものの、9月にはデビュー戦を行い、短いキャリアながらも日本人相手にガチ路線を突っ走ったのは特筆されます。以下、会場は全て後楽園ホールにて。
・1972年
9月16日: △栗原善太(東京)・・・・・・3R引き分け
11月25日: ○前原 榮(千葉)・・・・・・3R判定
・1973年
1月20日: ○ファカムロン・スワンミサカワン(タイ)・・1R2:41KO
3月 3日: ●黒沢春義(東京)・・・・・・5R判定
4月14日: ●山口小次郎(横須賀中央)・・3R1:06KO
8月18日: ○浜田 訓(横須賀中央)・・・2R2:57KO
通算戦積6戦3勝(2KO)2敗1分
所属:目黒ジム
1944年生まれなので転向当時は28歳位ですから、当時としては年齢が行った状態での再デビューだったみたいです。西城や金沢ほど騒がれなかったので普通のキャリアを積めたのかも知れません。ちなみに73年10月13日の後楽園ホール大会を主催しており、引退後の進路も視野に入れていたのではないかと推察します。
狼は生きろ、亀は去ね
相変わらずゴタゴタが絶えない国内ボクシング界ですが、我々ファンに出来るのはリング上を凝視するのみ。選手が嫌がる組み合わせこそ、ファンが望むカードだったりするので、そういうカードを有無を言わせずに指示する体制と勝者に対するメリットを産み出すシステム創りをこそ考えて欲しいですね。ハイリスクこそハイリターンであるべき。
注目してるのは以下の選手たち。ボクシング・スタイルや考え方にはファンそれぞれの好みがあるかも知れませんが間違いなく、リターン以上にリスクを背負う勇者たち。
1.細野 悟(大橋)
ジョナサン・バロスとの挑戦者決定戦が決定。バロスはミゲール・ローマンに勝っており、セレスティーノ・カバジェロとは1勝1敗(1勝はスプリットで際どい内容だったが)。敗れてるもののガンボアやマイキーとも拳を交えており、真っ当に世界に挑むなら乗り越えるべき壁であるという点で相応しい。一方、細野も日本王座の防衛戦でも下田や福原とのサバイバル戦を制して国内では無人の野を走ってるだけにこれをクリアすれば4度目の世界挑戦といえども胸を張っていい。
かって某元・日本ランカーをして粟生なら何とかなるかも知れないが、細野は無理と言わしめた好評価も素人目にはなかなか伝わらない部分があった。しかし、この1戦をクリアすればそれも分かる様な気がする。一気にシェルビー挑戦までこぎつけて欲しいものだ。
2.亀海善寛(帝拳)
海外で分厚い中量級の壁に挑む姿勢が素晴らしい。欲を言えば、本来は技巧派であるものの、海外では技巧の差を痛感してなのかファイター化が著しい点か。ロバート・ゲレーロやヘスス・ソト・カラスとは激闘を展開して現地では称讃を集めたが、肝心の結果を残すことは出来なかった。勿論、良い試合をしたということで次に繋がる機会は失っていないものの、勝ちが無ければ上に上がることは出来ない。
亀海が本当に目指してるものは海外で戦わなければ手に入らないもの。この階級としては日本人として稀有な逸材であるだけになんとか悲願を達成して欲しいものだ。ウエルター級として初の日本人世界王者を見てみたい。
3・小原佳太(三迫)
岩渕を下して海外へ出向き、着実に世界への扉を開きつつあるが、本番の前にもう1~2試合欲しいところ。将来的には国内での岡田戦も期待したいが、それは今では無い。トロヤノフスキー挑戦を見据え、海外で着実に爪跡を残して欲しい。
山中や長谷川、リナレスなど今年の後半に勝負を賭ける選手は他にもいますが、個人的には上記3名に特に注目しております。五輪での2大会連続メダル獲得も期待しつつ、今年の後半期はプロ、アマ問わず「ボクシング」が盛り上がればいいなあと思っています。
あ・・・題材にも上げてますが海外で活躍出来る目が無いから、姑息に国内復帰を目指してる惨号は帰ってこないでいいから、消えてください。せっかくツチノコになってきたのですからねぇ。新生K1の55Kgs級に(カマセとして)上がるプランはどうでしょうか?若くて生きのいいK1ファイターが手ぐすね引いて待ってるよ♪。
和氣vsグスマン、井岡vsララ雑感
ふと思ったのだが、最近のTBSの中継は少なくとも(こないだの)フジよりは全然良かったのではないでしょうか。和氣の試合で実況してた新夕アナは相変わらずだし、内藤ももう少し解説の仕事をしてくれと細かい不満はあるものの、2試合をキッチリと生中継してくれたのも下手な煽りを最小限に留めてくれたのも好感が持てました。
何より、解説に長谷川一人加わるだけでマトモになるとは鬼塚や佐藤修は今まで何をやっていたのか。
1.和氣vsグスマン
本来なら5Rで試合は終わらすべきだろう。あの後の和氣の奮闘や粘りは凄かったが、ポイントを取って逆転するわけでもなく、まして逆転KOに結びつく期待も抱けなかった。下手にダメージを溜めてしまっただけの様に思える。
選手はギリギリまで戦う意思を見せるだろうが、そこを止めるのがレフェリーやセコンドの役目だろう。前半に4度のダウンを奪ったグスマンは後半は確かに動きが落ちたが、アウト・ボクシングに切り替えられる引き出し位は持っている。実況席でそれに触れたのは長谷川だけだし、いかにも和氣のパンチしか当たってない実況の酷さはやはり変わらない。
過剰な擁護は敗者も堕しめるということをいい加減に学習しようよ。
グスマンは強いけど発展途上だし、まだ穴もある様に思うけど、和氣でこれだから小國や大竹、久保などでは厳しいか。長谷川・・・今の長谷川だと・・・う~ん。
2.井岡vsララ
終わってみれば井岡の完勝。井岡は攻防まとまっていてバランスが良いが、スケール感が無いのは致命的な気がする。前半に被弾が多くても距離を詰めて打ち合ったのは、ララがパンチが無いのを見越したうえだろうけども、打ち合いにも強いところを見せたかったのかな。ロマゴン相手にこれやったら自殺行為だと思いますが。
意外だったのはTBS側がエストラーダやロマゴンの事をガンガン実況で話していたこと。一部ではTBSが大晦日に井岡vsエストラーダを熱望してるとの噂もあるのですが、井岡親子は出来ればやりたくない感が出ていて面白いです。
試合後のTVインタビューでも具体名に触れないし。まあロマゴンはクァドラス戦があるし、エストラーダもニエテス戦があるから井岡なんざに構っていられないのだろうけど。
取りあえず和氣はゆっくり休養して欲しい。適うのであれば再挑戦は国内のライバルを倒してからでお願いしたいところです。まずは石本当たりとお願いします。
そして、井岡。伝説になりたいなら①ロマゴン②エスト③井上尚弥と対戦しないと認めれらないと思います。
リオ五輪への期待
リオ五輪の開幕まであとわずかですね。日本とまったく真逆の時差になるので平日にBSで生観戦はなかなか辛いものがありますが、4年に一回の祭典ですし、頑張ってリアルタイムで観戦出来る様に努力します。ま、自分の場合はボクシング以外だと柔道とレスリングがメインになるのですが・・・
それはさておき、我がボクシングの扱いは相変わらず酷いものがあります。今回の放映予定がまったくわからないというか。前回のロンドンも村田や清水の快進撃があってこその放映だったので、日本人が勝ち進まないと目にする機会も出来て来ないのかな。youtubeにupされるでしょうけど、やはりリアルタイムでTV画面で観てみたいですものね。
プクーさんと違って海外アマのプロスペクトまでフォロー出来ないので自分なりに注目するならば以下の視点で追って行くことになります。
①成松、森坂などの日本人の動向
②アムナットやヌジカムなどプロ選手の動向
あとはキューバやウクライナなど国で判断して目についた選手に注目していく感じなのかなあ。
注目選手がいたら、こっそりと私に教えてください。
コンピューター採点が廃止され、シニア以上はヘッドギアの着用義務が撤廃されたので、そういう意味では楽しめそうですね。後は五輪名物の政治的意図が見え隠れする大誤審が無く、スムーズにその階級のベストが決まればいいですね。当たり前の勝負が観られることを望みます。
ボクシング・ファンの8・2
今日は8月2日。アレからちょうど10年が経ちました。世間的に偽物は所詮、偽物にしか過ぎないということを知らしめたうえでは意義があったと思います。
しかし、ボクシング・ファン的にはそんなネガティブなものでなく、この日は上原康恒がデトロイトでサムエル・セラノをKOして世界奪取した1戦こそが真に記憶されるべき日です。
日本人キラーとして嫌らしいくらいの巧さを見せていたセラノ。アポロ嘉男やバトルホーク風間を一蹴し、風間戦後には「日本人は勇敢だが、もっとテクニックを磨くべき。」と発言し、我々を地団太踏んで悔しがらせた張本人。(風間戦前日のホルヘ・ルハンvs磯上修一がさらにその見解を後押しする様な内容だっただけに・・・)
上原もビラフロアに2RでKOされるなど、まして海外でセラノが相手ということで戦前の期待値は低かった様に思います。当時、地上波テレビとの関係が今以上に密接だったにも関わらずNO-TVだったことからもそれが伺えるでしょう。
試合の方もセラノの技巧に空転させられ、実況陣が嘲笑してるのが英語であっても伝わってしまう様な弛緩した雰囲気でしたが、6Rの右の一発が彼らを凍りつかせました。まさに痛快な逆転劇。
8・2ということで本来語り継がれるべきはこちらの試合でしょう。
この試合から36年が経ちましたが、真の快挙はいつまでも色あせるものではないと思います。
この年のもう一つの快挙。
やはりユースはいらない
WBC等、既存の団体のみに飽き足らず、日本王座のユース王座設置の案が出されてるそうです。
悪い冗談にしか思えないですねえ。23歳以下の選手が対象になるみたいですが、こんなの認めたら日本王座とかランカーへの挑戦を避けて飛び級狙いが増える一方ですよ。
さて、2011年の国内解禁後のWBCユースの歴代王者でも紹介してユースの無意味さを理解してもらえたら幸いです。
①亀田惨号機(量産劣化型):バンタム、Sバンタム
※悪しき風習はここから始まった。2010年8月、実質負け試合を引き分けにしてもらっただけでも不当判定の匂いプンプンだが、テレビで試合を見てもいないWBC会長(当時)の鶴の一声で勝ち(買ち)にしてもらったのだからたまらない。ジャモエの涙を土台にして日本でもユースの歴史が刻まれていくことになる。
2011年7月8日に福岡九電記念体育館で行われたボーイ・ドンディ・プマール(比国)を相手に初防衛後返上。果たして何のために強行認可させたのか・・・
②渡邊卓也(青木):ライト
※2011年12月7日にノン・オーベンジャマット(比国)との王座決定戦で7RTKO勝ちで戴冠もその後の防衛戦無し。後に日本フェザー級王者の細野に挑むも完敗。
③斉藤司(三谷大和スポーツ):ライト(防衛1)
※2012年8月にタイ人との王座決定戦で2RKO勝ちで戴冠。V1戦もタイ人。2013年3月、ジョー・マグシャン(比国)に7RKO負けで王座陥落、2014年7月に日本王者の加藤善孝に挑むも7RTKO負け。そのキャリアも日本人との対戦が少なくなってたキライがあり、遠回りしてる感があります。ジムを離脱したみたいだし現役続行は困難かも。
④野埼雅光(八王子中屋):バンタム(防衛1)
※戴冠してV1戦は後のユース王者である田中裕士(引き分け)。骨のある試合を行っていたものの、未だ日本王座に縁が無い。
⑤田中裕士(畑中):バンタム(防衛1)
※2013年11月にタイ人との王座決定戦で戴冠。翌年3月にジョン・ジャバワ(インドネシア)を下してV1も今年3月の日本王座決定戦では益田に完敗。キャリアの厚みの差が出てしまったか。
⑥ジョビー・カツマタ(勝又):Sフライ
※2013年12月、同国人であるアンヘリート・メリン(比国)との決定戦で2RKO勝ちで戴冠も次戦でOPBF王者の和氣に2RKO負けで実力差を見せられる。(Sバンタムへの挑戦で階級差があったが)
⑦榮拓海(折尾):IBFのライトフライ
※2015年1月に韓国でタイ人との決定戦を行い戴冠。今年3月には日本ミニマム級王者の福原に判定で完敗しているだけに海外奪取以上の意味を見出せない戴冠劇だったか。
⑧丸木遼介(天熊丸木):Sウエルター(防衛1)
※2015年3月に1度敗れてるペッチスリヤーからの奪取。これを足掛かりにして日本王座挑戦すれば意味合いが出てくるでしょうが、その気配も無し。
⑨比嘉大吾(白井具志堅):フライ(防衛2)
※敵地タイでの戴冠と2度防衛して、それを足掛かりにしての東洋奪取。上手く踏み台として活用したと思うものの、やはり上へ行く上で望むは日本王者、粉川への挑戦か。
⑩拳四朗(BMB):ライトフライ
※ローリー・スマルポンとの王座決定戦戴冠からわずか2ヶ月後に日本王座を堀川から奪取。ある意味で正当的なキャリアの積み方をしてるとも言える。ユースの正しい活用を示した稀有な例。
⑪酒井祥紀(ロマンサ):Sライト
※プエルトリコでの王座決定戦でハビエル・メルカド(メキシコ)を10RTKOで下しての戴冠は見事。そういえばユースの決定戦でアジア圏以外の選手と戦って戴冠したのは初めてか。(亀3は不当判定なので除外)
⑫太尊康輝(六島):ミドル
※王座決定戦でペッチスリヤーを1RKOで下して戴冠。面白い個性を持った選手だけど、柴田に挑んで敗れてるだけに西田に挑むなど、これを踏み台にして正当な路線を歩んで欲しいなあ。
⑬丸田陽七太(森岡):バンタム
※3戦目の戴冠も動画にすら上がってこない幻の強豪(笑)。いい選手という声は良く聞くけど、それならば、そろそろ国内のランカーとも対戦して欲しいところ。過保護はやめて国内でもセンセーションを巻き起こして欲しいなあ。
まあ抜けもあるかも知れませんが、認可後の保持者は5年でこれだけ出ています。ほとんどが王座決定戦での戴冠で防衛戦もロクに行ってません。しかも、相手はほぼタイ人(たまにフィリピン)でアジア圏ばかり。東洋太平洋王座もあるのにです。
ユース獲得後に日本王座を獲得したのは拳四朗、東洋を獲得したのは比嘉のみ。
渡邉も斉藤も田中もジョビーも榮も悉く既存の王者に跳ね返されてます。太尊のみが柴田に負けてからのユース獲得なのでどうなりますかね。何か別府あたりもここらへんに逃げ込んだら嫌だなあ。ま、WBCのユースですらこの体たらくなので日本王座にユースなんて何を言わんかや。
他競技でユースの大会や王座があるのは同体重でも身体の出来具合が違うから、直接対戦させれば事故になりやすいケースがあるからではないですか。だからアマのボクシングでは高校生以下の少年部と大学生以上の成年部で分けていたりするわけです。しかしプロは17歳以上という規定があるし、何よりも金銭の授受が発生する職業人なのですから目指す価値観は同一であるべきです。何より地域王座であっても誰でもなれるわけでないからチャンピオンなのです。
プロフェッショナルナルに個人の思い出作りなど要らない。ユースは断固反対です。
せめてジョフレくらい・・・
ま、開会式自体はお祭り気分で楽しめましたが・・・
96年のアトランタ五輪の時のアリの聖火点灯。08年の北京五輪の時のフィリピン・チームの旗手を務めたパッキャオとニカラグア・チームの旗手を務めたアルゲリョの姿には興奮させられたものでしたが・・・ブラジルなのでエデル・ジョフレが出て来ないかなあと思ったのですが(高齢だからなのか)出て来なかったですねえ。それとも今日び、誰もジョフレをもう知らないのかも・・・
ブラジルといえば他にはアセリノ・フレイタスもいましたが全く触れることもなく。
格闘技ファン的には柔術や極真カラテのイメージもあるのでヒクソンやフランシスコ・フィリォの登場に期待したりしたのですが、まぁ無理でしたね(笑)。カポエラもあれだけの扱いではなあ。
とりとめも無く思ったことですが、東京五輪では開会式にVIP扱いされる様な存在になっていてもらいたいですね。でも五輪はボクシング、柔道、レスリング中心に楽しめそうです。
ファンとしての距離感
距離感・・・と言っても試合の話ではありません。
SNSが発達する前、プロ・スポーツ選手とファンの距離は極めて遠かったことを思い出します。
テレビで観ることが多い、プロ・ボクサーやプロレスラー、力士にプロ野球の選手たち。たまにしか会場に行くことも出来ず、会場でもリング(土俵、フィールド)の距離は極めて遠くて、ファンは観客席から眺めることが常でした。
ここでいう距離とは物理的なものでなく、感覚的なものです。ある意味、尊厳と言い換えてもいい。
それが根底にあるからこそ、ファンは好きなことを発することが出来ました。あいつには勇気がない。あそこで踏み込まないと駄目だよ。何であんなことするのかなあ等。それを言っても当面の対象にはなかなか届かない。勿論、届いても所詮は素人の戯言、しかし、それを自由に発すること、それを許容することが許される大らかな雰囲気があった時代。それがSNSの発達前夜でもありました。
いまはどうか。選手とファンの距離はグッと縮まってます。大概の選手はブログやツィッター、フェイスブックなどで自ら情報発信しており、ファンと直接、議論を交わすことも珍しくない。ファンの言葉に耳を傾けることが多くなり、時には反発したりするのも散見します。
無論、それは時代の要請であり、今までは紙媒体のマスコミがそれを担っていたのですが、ネットの普及で紙媒体自体の訴求力が落ちてる以上は自分で何とかしなければならないのは当然だからです。
ただ、それが遠い憧れを身近な存在にしてしまっているのはいいことなのか。
特に会場で試合を見ていて、メインがあるのに知り合いの試合が終わってしまったら帰ってしまう人が多かったりするといろいろ考えさせられます。それを繋ぎとめる訴求力が無いのはメイン・イベンターの責任ではあるものの、そういう客層に頼らなければいけない業界に問題点が内包してるのではないかとも思うのです。
やはり、憧れられる存在であるにはファンと適切な距離感を築くことが大事なのではないかと思います。時に距離感が縮まることはファンにも勘違いを産み出す要因になります。
あたかも特定の選手の後見人であるかの様な振る舞いをしたり、自分もファンなのにファンの代表になったかの如く、関係者に業界の内実を提言したり。そういうエセ関係者を産み出す要因も距離感が狂って来たことの証左ではないのでしょうかね?
自戒の意味を込めて、自分はあくまでも一ファンであり、一観戦者のスタンスを貫きたい。そのため、下手に内情に首を突っ込むよりはあくまでもいいカードを組んでもらっていい試合を観たいという観点から、思ったことを書き綴っていきたいと思う。
逃亡者~チーターよりも早く~
日本ユースだのWBOアジア何ちゃらだの笑っちゃいます。正当な道を歩めないのはコネでなく、気持ちと実力が伴っていかないからではないですか?日本タイトルマッチと謳っている試合に我々が求めるのはその時点での国内最強最高の戦いであって、それに該当しない試合は「日本」と名乗っては駄目なんですよ、年齢で分けるのもナンセンス。
まあ、それと選択肢がいくつか出来るとしても、プロたるものファンが望むカードを実現してもらいたいものですね。自己満足で終わる試合にファンは金を落としたくないのです。
1.井岡一翔
※このままでは本当にイオカメダ一直線。なまじ好選手で正当派のイメージがあるだけに潔くないマッチメイクは本当に勿体ない。ロマゴンは井上にまかせていいから、エストラーダとやってください。8・26の馬場さんばりに「よし、やろう!」と言えば株は上がるんだけどな。元ネタは昭和プロレス・ファン以外は各自調査!
2.サウル・アルバレス
※明らかに現代ボクシングのアイコンたる存在であるのにかってのメキシカンの様に自分が熱くなれないのは何故なのか?それはマチズモの欠如に他なるまい。言うまでもなくゴロフキンからの逃避がそれにあたる。わざわざ、リング上に招き入れてまで対戦を煽ったのは何だったのか?
そしてカークランドとかカーンとかリアム・スミスじゃなあ。チャベス父やバレラ、モラレスの爪の垢でも煎じて飲んだ方がいいよ。
3.アドニス・スティーブンソン
※コバレフとのハード・パンチャー対決をここで避けたら永遠にもう実現しない気がする。
それでもカナダでは絶大な人気らしいから無理をしたくないのだろう。もう39歳、それなりの相手とはそれなりの試合も出来るだろうが、ヒリヒリする様なビッグマッチへの期待は希薄になってくる。
4.カール・フランプトン
※リゴンドーとやってもいい様なことを言っておいて、いざ自分がサンタクルスに勝ったら、金にならないことを理由にエスケープ。確かに和氣とか日本人が相手だったらそれは納得出来るけど、リゴンドーにはとても勝てると思えないからと避けたとしか思えない。
対戦なんて巡り合わせだから、僅かなアヤで実現しないこともあるかも知れませんが、明らかに対戦を避けてる(とファンに捕えられてる)のは駄目だろう。何だかんだでここに上げてる選手には多大な期待を寄せてるから辛口で書かせてもらいました。
ボクシングって毎年、五輪みたいな盛り上がりがあって当たり前なんだからもっと前向きになってくれい。
リオ雑感
今年は特に前半は夏季休暇と重なったこともあり、特に柔道をリアルタイムで堪能し、後半はレスリングをHDD後追いながら楽しみました。我らがボクシングも成松、森坂が早々に敗退してしまったものの、TBSが深夜特番を組んだりと嬉しいサプライズもありましたね。何だかんだ言いながらもボクシングを放映してくれますので有り難いものです。自分の中では一番、糞な放送はフジテレビになってます。
さて、今回のボクシング競技では判定に関する疑義が沸騰してるみたいですが、利権や政治が絡んでる大人の事情的判定が散見されるのはいつものこととして、審判泣かせでガチな微妙判定が多いのは確かです。どこかのツィッターでも見かけた意見ですが・・・
①判定方法の変更
※バルセロナから採用されたコンピュータ採点でなくプロと類似する10点法の採用。ただ、ダウンを奪っても点差に反映されないままだし、微差でも差を付けるラウンドマストだと集計上、観戦者の意に沿わない結果になる可能性が高くなる。(かと言って30-30にするわけにもいかず)
見た印象としての強弱と現実の勝敗が必ずしもイコールではない点が観る者に不満を残すのは、このスポーツの制度上の欠点か。
②ヘッドギアの撤廃
※観客にとって分かりやすくなるのはメリットですが、やはりカットとかは多少増えた気が・・・気のせいかなあ?トーナメント戦で一日に数試合行ううえで素面の顔面パンチ有りは影響が出ないのでしょうか。大きな事故や深刻な怪我を負った選手がいなかったので獲り越し苦労かも知れませんが。
あと他の競技などで気が付いたこと、思ったことを徒然と。
・柔道は旗判定が撤廃されてたので分かりやすくなったが、攻勢点が反映されにくいので相手から指導を引き出す駆け引き(技術ともいえる)が顕著になった印象を持ちました。リネールが原沢を破った100Kgs超級決勝などはまさにその典型。
あと柔術的な寝技を使う選手が多かったですね。NHKの放送で「オモプラッタ」という単語が聞けたり、松本薫も初戦でホレッタみたいな技を使っていたような気が・・・柔道の寝技は時間が少ないので、大きなところを持ってガッて攻めて固めるスタイルが多いのですが、(時間が短いから下の選手は亀になって、「待て」を待つ。)今回は亀にならず、下からスィープする選手が散見出来たのは面白かったです。
・レスリングはフリースタイルが特にスリリングでした。特に高谷が敗退した74kgs級。スピード、パワー、スタミナが揃っていて異様に層が厚い様に感じたのでやはりボクシングでもこの辺りの階級が化け物が多いしなあと思いました。まるで知的な野獣のぶつかり合いで単純に凄げぇと思いましたよ。
あ、女子3人のメダル獲得がいずれも終了間際の逆転劇というのは、いかにも日本人らしいなあとも。ただ、他の競技でもそうですが、今後、研究され尽くされると先手を取れる試合を作ることがこのレベルでも問われてくるのではないかなあと思います。
五輪の熱狂が終わった後は国内外でようやく、ビッグマッチも連なるボクシング界。
上半期の低迷を吹っ飛ばす様な展開と好カードの相次ぐ実現を願ってますよ。
血はリングに咲く(仇)花
さて、そうはいうものの、相変わらずの負傷判定。全40戦中、負傷判定決着が6試合。それに該当する無効試合が1試合。これは明らかに多いのではないでしょうか。
それも世界戦がそのうち4試合+無効試合分1試合の5試合です。具体的には2005年以降になりますから世界戦線に参入してからということになります。これでは和製・文成吉と言われても仕方ありません。
例えば同年代で活躍したラッシャータイプでは河野公平や坂田健史、名城信男がいますが、試合を止められる程の傷をバッティングなどで負ったことはありません。微妙なスタイルの違いはあるものの、高山だけが何故こうなるのか?考えられる理由としては
①たび重なる出血により皮膚の脆弱化:いわゆる切れて出血しやすくなってしまうので皮膚強化の手術なども受けたりしたそうですが、効果が出てる様には見えません。
②スタイル上の問題:前後左右にステップを刻みながらもそのスタイルはアウト・ボクサーではありません。懐に入って連打をまとめるので、勢い頭がぶつかりやすいのかも。
上であげた他の選手に関しては戦績を俯瞰してみるとそれほど負傷判定までもつれた試合は多くありません。河野は圧力で相手を下がらせますし、坂田は内懐での攻防でも頭の位置やカバリングなどに意識を集中してた印象があります。名城は中間距離の攻防にも巧さを感じさせました。
真剣勝負である以上はアクシデントによる中途半端な結末が出てくる可能性は否定できず、お金を払った観客もその事象を受け入れなければなりません。しかし、次にまた会場に足を運ぶかは自由です。
プロ・スポーツとしてカタルシスを得ることの出来ない以上は、例え世界王者であっても観客の意識下で淘汰されるかも知れない。多くの耳目を集める存在だからこそ、これでいいという自己満足には陥って欲しくないものです。
8・31大田区観戦記:内山がいない風景
最近、会場へ足を運ぶ頻度が減ってますが、ルイコン見たさと休みが重なったこともあり、大田区のワタナベ興行へ足を運んできました。正直、内山がいないでどれだけの観客が集められるのか心配でしたが、思ったより入ってましたね。6~7割強ってところでしょうか。
プクーさんが仕事で遅れるとのことなのでチケットを二人分購入して先に会場へ。
アンダーは1試合目の市村vs池尾が面白かったな。1Rに市村が格の違いを見せつける様な試合運びを見せれば、2Rに池尾も反撃し意地を見せる。しかし、3Rに市村が池尾をロープの外へふっ飛ばさんばかりの強打を浴びて試合終了。7勝(6KO)、3敗はしてるものの同程度のキャリアの選手を持つジムはやらせたがらないかも知れないですね。今回も池尾には急な話だったみたいですし。
予備カードを挟みつつ、ワタナベの長井と渡部がタイ人に勝利。前座がサクサク進む。不味い!河野vsルイコンが始まってしまう。この日は21時からデイレイでのテレ東での放映が決定しており、現場もLIVEに一部あわせるのでなければ、田口vs宮崎はそれまでに終わらせたいだろう。そうするとメインの開始は20時前後、その前の河野vsルイコンは逆算すると19時位にゴングを鳴らすと予想された。
頼みの休憩も5分のみ。そうこうしてるうちにルイコン目当てのプクーさんからのメールが気にかかる。はやる気持ちも主催者に届かず、18時45分からセレモニー開始というアナウンスが。
そして煽り映像が会場のビジョンに流れる。とりあえず、一旦席を離れて、会場入り口のモギリの近くでプクーさんの到着を待つ。
ルイコン、河野が入場している当たりでようやくプクーさん到着。
これを見逃すと田口vs宮崎だけで6000円。ルイコン目当てのプクーさんには割高になるし、何のために会場に来たかわからなくなってしまう。それだけに、とりあえずチケット受け渡しも無事終わり、ホッと一息。
河野vsルイコン。このカードが田口vs宮崎の前に来るのは井岡ジムに気を使ってるのだろうか。しかし、この試合こそが今日のリアル・メインだ。異論は認めない(笑)。
やはり二人並ぶと体格差が際立つ、フライ上がりのルイコンと異なり、河野はナチュラルだとSバンタム位あるらしいから当然か。
ルイコンのスタミナ切れを狙ってか、河野は序盤あまり手を出さなかったこともあり、前半はペースを握られてしまう。中盤以降反撃に転じるものの、ペースを変えるには至らない。
ベスト・ラウンドは8R。ルイコンの左フックにあわやというピンチも、打ち疲れを狙って反撃、逆にルイコンがフラつく。ルイコンの打ち終わりを狙って右を鋭角的に打ちおろしていくが、せっかくいい感じで相手を捕えても単発で次に繋がらない。
一方のルイコンはスタミナ切れでもステップとパンチは絶やさず、軽いながらも間を突き、特に左アッパーで河野の顔を跳ね上げるなど、ジャッジにアピールする試合振りです。
後半はまたしても激烈な打ち合いに突入、ややルイコン有利かな~と思って試合終了。
採点は2,4,4、差で3-0ルイコン。個人的には4差位が妥当だと思いました。
フライ級のときの様な爆発力は陰を潜めたものの大人のボクシングでルイコン勝利。
しかしねぇ・・・せっかくコーナーから3度もトンボを斬ってくれたのに勝利者インタビュー無しとはあんまりと言えばあんまりじゃないかテレビ東京。放映しなくてもいいからルイコンの勝利の声を聞かせろよ。
そしてトリの田口vs宮崎。そういえば指名戦なんですね。最近のライトフライで宮崎の実績ってなんかありましたっけ?
ずんずん圧力をかけて徹頭徹尾、田口が圧倒。上体が柔らかく、スウェーを多用する宮崎に避けきれない様な長いジャブを出したり、接近戦でスイッチして撹乱したりでワンサイド。宮崎もL字ガードで田口の攻撃を凌ごうとしてたものの、終盤でも避ける動きを見せてアピールしたりしていて、「まさか、勝ってると思ってるのでは?」とちょっと不安に思いました。
井岡ジムはアムナットvs井岡のときもそうですが、一人位、客観的にリング上を俯瞰できるセコンドがいないのだろうか?挑戦者なんだからポイントで負けてることが明白だったから遮二無二行く気概が無いと駄目だろう。
試合は4,6,10差で田口が大差判定で圧勝。
終わってみれば内山がいなくても満足度が高い大会でした。ただ、4月の大田区のときみたいにランダエタとかインタノンとかを強引に防衛戦の相手として持って来なければ面白い試合は提供できるわけなのでワタナベ陣営はもっと強気のマッチメイクで試合を組んで欲しいですね。しかし、大田区は遠い・・・
9・4雑感
いろんなところで語られてますが、フジの放送云々が酷いのは相変わらずとして、この内容なら言われても仕方ないかなというのが率直な感想。
先日、大田区で一緒に生観戦したプクーさんとも試合後に話してたことですが、井上兄に対する不安要素が浮き彫りになってしまいました。ライトフライのV1戦であるサマートレック戦のグダグダ感を思い出させますね。ペッチパンボーンがサマートレックと同門とは言え・・・
まず、不安を感じさせた点。
①減量の影響か?試合の度に負傷が多い点。
※エルナンデス戦での脹脛痙攣、佐野戦、ナルバエス戦、カルモナ戦での拳骨折(負傷)など。そして今回は拳と腰のダブル・パンチ。
②試合が長引いたときの展開が平坦に過ぎる。
※メリハリが無いというか。序盤に倒し損ねると、リズムがやや単調なのか、相手がパンチに慣れてしまうことがある。サマートレック戦、カルモナ戦、今回のペッチパンボーン戦。勿論、これは観る側の問題でもあり、格下と思われる相手に対して、圧倒的な勝ち方を過剰に期待してしまう。(ただ、海外のスター選手はこの比でないプレッシャーと戦っている。)
勿論、収穫もある。これは太陽と海さんがブログで指摘していたことだが、長いラウンドの試合を経験したこと。2Rで終わった2014年12月のナルバエス戦から、また2Rで試合が終わった2015年12月のパレナス戦までの1年間と比べれば、苦戦やKOへの期待から来るプレッシャーも込みで12R+10Rを2試合で経験したことはきっと大きな糧となるはず。拙戦であれば尚更(笑)。嫌な思いの方が忘れられないものです。
ただ、今、ロマゴンを口にするのは失礼だなぁと思いましたが。勝ち方云々よりもまずは本当にベストの状態で継続的に上がれる様にするのが先決ですね。どうせやるなら、ベストの状態でやって欲しいです。
他の試合に関しては井上弟はある意味、等身大というか。
サルダールの失速もあり、後半に盛り返したものの、一瞬の隙によるダウン癖やパワーレスな点は相変わらず。タパレス挑戦がほぼ決まりみたいですが、先日、王座陥落した河野あたりとのマッチアップの方が観たいです。ゴリゴリ系を相手に今までみたいなマイペースを貫けれるかな。
清水のデビュー戦はカットばかりでよくわからない。独特の試合スタイルなのであのまま上に行ったら面白い存在になりそうですが、韓国人相手では明るい未来か、暗い失望かも良くわからなかったです。
世界に夢見る存在だけに下手に「ぎょーかい」の方々が囲い込まず、もっともっとボクサーとしての矜持を見せるような試合を組める環境に置いて欲しいものです。
一人怒涛のビッグマッチ!タイムリー・オンエア
どうしても仕事の関係でテレビ中継リアルタイム観戦はおろか、その日の夜にぶつ切り観戦になってしまうので、遅れての感想をば。
1.トロヤノフスキーvs小原
※放映前にyoutubeにあがっていた動画を鑑賞。
結果は2RでTKO負け、しかも場外に叩きだされての完敗ではあったものの、惨敗ではない。
1Rにはいい右を当てて期待を抱かせるシーンもあっただけに、その後の展開は残念でした。
国内無敵を証明して、海外で挑戦者決定戦的な試合を行い、かつ敵地での挑戦。
茨の道ではあったが、真っすぐに頂点へ繋がる道を避けずに堂々と歩んできたのだから、ここ最近、国内で頻発してる凡百の世界戦とは明らかに趣きが違う。
ただ、この階級になると根本的なフィジカル差、パンチ力の差が技術の差以前に痛感させられます。亀海みたいに2~3年は海外を主戦場にする位の劇的な変化が無いと状況を打破するのは難しいのではないでしょうか。
2.亀海vsソトカラス
※その亀海、一度引き分けてるソトカラスと再戦してキッチリ決着。アルフォンソ・ゴメスに判定負けしたときは再浮上の目は厳しいかなと思ったが、ここまで盛り返してくるとは。
ここ何戦かの頭を付けてゴリゴリと消耗しあう展開でなく、近い距離でもその防御技術が如何なく発揮されてました。ボディで削って顔面へのキレのあるパンチ、特に右アッパーが効果的でしたね。確実に効かせるパンチ、ジャッジに有効打として認識させるパンチが出ていた印象です。例えば気持ちが見えるだけの「激闘」要員からは抜け出せたかな思います。
歴代の中量級選手の中で最も期待値が高い選手です。何とかスーパー・ファイトを実現させられる様になって欲しいな。
3.ロマゴンvsクァドラス
※私的採点は116-112ロマゴン。スタミナを消耗しながらも印象的なパンチを当てるロマゴンとバックペダルを踏みながら、速くても軽い連打を集めて行くクァドラスの戦い方の差が出た気がします。例えば、相手の急所を捕えて、一瞬でも動きを止める、またはバランスを崩すなどジャッジに有効打として認識させるパンチはロマゴンの方が多かったし、ただ手数を出せばいいってものではない。それでもロマゴンの顔を腫れあがらせたクァドラスはロマゴンのキャリアの中で最大の強敵ではありましたが・・・
Sフライでのロマゴンは怪物ではないと言うものの、相手はクァドラスだし、ミニマムからライトフライへ転級したときもフランシスコ・ロサスとの1戦目で(自身の体調不良であるものの)拙戦を演じたことを考えると、ロマゴンは波があるものの底が見えたとは思えない。
先日の井上のペッチパンボーン戦と重ねて見合わせてみると直接対決はそれでもロマゴン有利という予想は変わらないかなあ。
4.ゴロフキンvsブルック
※見た目の体格は変わらない。計量後のリバウンドした数値も同様だが、それでは割り切れないフィジカルの差、パワーの差を感じました。何と言うか、ミドル級での染み込み具合が違うというか。
例えは古いけど、昔ビデオで観たカルロス・モンソンvsホセ・ナポレスを観たときと同じ感覚です。ブルックのパンチはゴロフキンを何度か捕えたけども、本当の意味でトラブルには陥らせられなかった。一方、ゴロフキンの連打はジワジワとブルックを削っており、まさにカザフスタンのフリオ・セサール・チャベス(父)。最後は不完全燃焼だったけど、あれ以上やらせても無駄な被弾をしただけかも。
海外では五輪後に堰を切ったかの様にビッグマッチ・ラッシュで羨ましい限りです。
一方、国内に目を向けると、今週こそ山中vsモレノ2やルイスvs長谷川などあるものの、相変わらず、馬亀惨号の復帰を画策するなど一部の連中の姑息な動きが目立ち、嫌になります。
エキサイトマッチが存在することにボクシング・ファンは感謝だなあ。