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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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二世ボクサー不完全ガイド

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観戦仲間のプクーさんが国ごとの不完全ガイドをブログで記されているので、自分もちょっと趣向を凝らしてやってみます。

90年代以降に活躍した選手を親に持つ、二世ボクサーをピックアップ。いち早く世界王座を奪取した拳四朗に追いつけ!

 

1.辰吉寿以輝(大阪帝拳)

プロ6戦6勝(6KO)無敗

90年代を代表するカリスマ、辰吉丈一郎の次男。

アマ経験はないものの、ワンパンチで試合をひっくり返す決定力と当て感の良さもあり、このキャリアの選手としてはスケールの大きさを感じさせる。しかしながら、防御の拙さや攻撃に特化してしまうメンタルはかっての父親同様に気になるところだ。

また、新人王戦が不参加だったり、陣営が過剰に慎重になってる印象もある。父親の様になれるかどうかはわからないが、今はとにかく、出来るだけ多く試合を積み重ねていく時期ではなかろうか。

 

 

 

2.畑中建人(畑中)

中京高校在学時に国体3位、選抜ベスト8。

アマ42戦32勝(5KO)10敗

プロ3戦3勝(3KO)無敗

中京のジム、初の世界王者の畑中清詞、畑中ジム会長の長男。

スピードに乗った動きとシャープなコンビネーションから繰り出されるパンチにはキレがある。東海のカマチョと称されてた父親のボクシングを想起させる。

今後、メキシコ修行も予定してるみたいなので今後が楽しみ。

 

 

 

3.湯場海樹(都城レオ・スポーツ)

元日本王座5階級制覇王者、湯場忠志の長男。

日章学園在学時にインターハイ2位、国体3位。

アマ42戦34勝8敗

プロ1戦1勝(1KO)

まだプロでは1戦しただけ、しかも負け越しのタイ人に勝っただけではあるものの、父親に感じたスケールの大きさを感じる。懐の深さを利用して距離をとり、右ジャブから切り込んで左のストレート、フックとつなげていく。父同様の打たれ脆さがあると心配、杞憂であればいいが。

次戦は6月13日、粉川vs黒田のアンダーで予定。

 

 

 

4.仲里周磨(ナカザト・沖縄)

3度世界挑戦した激闘王、仲里繁、ナカザト・ジム会長の長男。

沖縄・中部商業高校在学時にアマで49戦(戦績調査中)

プロ6戦5勝(4KO)1分

2015年度新人王西軍代表。全日本決勝では萱沼撤平(帝拳)に引き分け敗者扱い。拳の負傷でブランクを作ったが、6月3日に再起戦を予定みたいだ。

音が聞こえてきそうな、剛腕からのワンツーが主武器。真正面からの打ち合いを好むシーンも散見される。今後は、持ち味を殺さずにボクシングの幅をどう広げていくか。

 

 

 

5.番外編:プロ入りしてない二世ホープたち。

他にもアマで活躍してる二世ボクサーとしては

 

・平仲明信氏を父に持つ平仲信裕(南部農林高校→芦屋大学)

アマ63戦48勝(33KO)15敗(2016年12月13日時点)

高校総体2位、全日本選手権は2年連続で2位。

 

・赤井英和氏を父に持つ赤井英五郎(LAのウラディア・カレッジ)

アマ6戦4勝2敗(2016年12月13日時点)

全日本選手権ベスト8。アメフト出身でミドル級なので期待はあるかも。

 

・松本好二氏を父に持つ松本圭祐(横浜市立みなと総合高校)

2015年の高校選抜優勝。インターハイ2位。

 

二世ボクサーは良かれ悪しかれ、父親の名前が背中に乗ってきます。父は父、自分は自分ではありますが、二世ボクサーだからこそ得られる注目はプロとしての大きなアドバンテージです。

重圧に負けず、一人でも多く、父親を超える様な選手になって欲しいものです。

 

 


金子大樹と益田健太郎

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王座乱立の弊害からか、なるべくリスクを軽減しようという傾向が顕著になってますが、そんな中でも敢えてハードな道を行く選手もいます。

そして、そんな選手は無条件で応援してしまいたくなるのもファンの性(サガ)なんですよね。

 

1.金子大樹

 

内山の世界王座に挑み、善戦したものの敗退。これが2013年暮れのこと。ここからは通常ならタイ人との連戦で再挑戦までお茶を濁す人も多いのですが、日本ランカー相手の連戦→ジョムトーンのOPBF王座挑戦というマッチメイクがまさに王道。

ジョムトーン以外に仲村正男にも不覚を取ったりとその道は険しいが、なんとか活路を見出して欲しいな。

今度は7月にロシアで無敗の地元選手と対戦。

日本王者の尾川にも挑戦を表明してるだけに段階をきっちりと踏もうとしているのは好印象。ただ、この階級で世界を狙おうと思ったら、国内を圧倒するくらいでないと勝負にならないので頑張って欲しい。

 

2.益田健太郎

 

2015年に大森に敗れて、日本王座を陥落したときはここまでかと思われましたが、よくここまで復活したものです。しかも、誰もやりたがらないマーク・ジョンヤップに挑戦決定、漢です。

大森戦後も単に待ってるだけでなく、ミリオン後楽園で勝っての決定戦進出。川口、小澤と防衛して、次は赤穂かなと思われてた矢先の王座返上には疑問がありましたが、その解答がジョンヤップ挑戦なら頷けます。

これをクリアすれば後は国内で気になるのは松本亮くらいですかね。

 

金子も益田も決してスタイリッシュでなく、どちらかといえばゴリゴリ系のファイター・スタイルをベースに自分なりのスタイルを構築した選手です。全局面での対応が迫られる世界戦線ではまだ不安も感じさせられますが、硬派なマッチメイクを通して風穴を開けて欲しいところです。

村田vsエンダムの騒ぎに乗っかる懲りない面々

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村田vsエンダムの反響は大きく、いまだにファン同士がSNS上で意見を戦わせてるのも散見します。

物事なんて見る角度が違えば、見える景色も違ってきますし、人それぞれの意見を持ってることはわかります。自分と相反する見解であってもこんな見方もあったのかという事を教えてくれることもあるので議論を戦わせることは決して無駄ではありません。

自分のボクシング観を考えるきっかけになりますし、それがファン冥利。

しかし、誰でも意見発信できるのがSNSだけにアレな意見が声高に叫ばれていたのも閉口します。マスコミという立場なら尚更。

 

・判定に異を唱えるのは結構です。物事にはいろんな見方があるのですから。しかし、ネット上とはいえ意見発信するなら、自分なりにその根拠を提示する義務はあります。

リング上を語らずにやれ、ジャッジ接待したからインチキだの、賄賂だのとか、それ確信持って言えますか?単なる世話係の範囲だったら、名誉棄損ですよ。ジョーさんみたいに外人を飯に連れてく世話人くらいつけるだろうよ?

・それから、これは声高に自分の意見を発信してすぐに人の反論を想定して悦にいる人たち。ファンに玄人も素人もないから。人がどうこう言う前に自分の見解をきっちりと示したらどうなんだい。

特に村田支持の人に多かったですが、自分なりの見解を持って村田を支持した人まで同じに見られたら可哀想ですね。結論だけ同じなのに。

・あとボクシングを否定する人。こんな競技ならテレビで放映しなくていいというが、自分の理解力の無さをボクシングのせいにするな。

他の試合も見つくして、それでもつまらないなぁと思うなら、黙って、そこから身を引け。人にわざわざアピールするな。みっともない。

 

上記読んでみて、???と感じた方はこの記事をスルーしてください。

そして今まで通りにボクシングの試合を楽しみましょう。

多くの方に試合を観てもらう事はいいことですが、いろいろ考えさせてくれました。

 

 

 

 

ボクシング・ジャンキーではあるものの

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井上拓真の復帰戦の相手が久高に決まりました。

相変わらず、相手を選ばない久高の姿勢には感嘆します。

佐々木基樹が第一線から退いた現在、一番、ボクシングに対する愛着というか執着を感じさせてくれるのが久高ではないかと思います。

 

大阪を主戦場にした彼を意識したのが10年以上前になりますか。

清水とのサバイバル戦で敗れたものの、HONMAMONと名打たれた興行でフェデリコ・カッパイとのガチ試合を潜り抜け、07年にはヨシケン、パノム、ハニオラと国内外で3連敗を喫するも、その年の暮れにはフセイン・フセインを破り、世界挑戦の機会を掴むなど、強豪相手の連戦が多いだけに波乱の道のりを歩んでいます。

 

2010年には敵地タイでパノムにKOで雪辱したのがベストバウトか。

 

 

その前後でも国内では坂田とカサレス、海外ではデンカオとナルバエスに挑むなど相手も場所も選ばない姿勢は当時も今も変わりません。

 

しかし、負けパターンが似通っているところが気になります。

①カウンター・パンチャーであるがゆえ、相手の出方を見る時間が多く、どうしても後手に回ることが多い。

②パンチもキレがあるだけに単発傾向なところがあり、手数が少ない。

やはり、先日の村田vsエンダムではないが、微差ラウンドを落とすことも多く、僅差~中差での判定を落とすのが負けパターン。

 

近年でも松本亮や粉川、村中と好試合を見せてはくれるものの、結果まで結びついてないのが勿体ない。

日本タイトルマッチの出場も07年のヨシケンとの暫定王座決定戦のみですから、タイトル挑戦へつながればいいんですけどね。

 

昔からハード路線を敷いてる選手ではあるものの、近年では良くも悪くも若い選手の引き立て役に甘んじてる様にも見受けられます。

拓真を食う位の結果を残せば、我々オッサン世代も嬉しいのですがねえ。

雑感~大竹、久田、ダッゲル・・・

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一度、世界に挑んで失敗した後、タイやインドネシアのいわゆるカマセを相手に勝ち星を稼いで次を待つという手法を批判しましたが、その傾向が若干ながらも正されてきてるのかなと思います。

 

いうまでもなく東洋王座を獲得した大竹秀典のマッチメイクです。

次戦が同じ30代半ばにさしかかるベテランの臼井、この1戦をクリアすれば丸田の挑戦を受けることになります。

この展開は燃えるな。ここに日本王者の久我や前王者の石本が絡んでくるといいですね。そして和氣や岩佐等も関わってくれれば最高です。

和氣も瀬藤相手に再起戦。瀬藤が5年前の状態だったらと思いますが、後がないという点では和氣と同じだと思うので、ここはベテランの意地にも期待してます。和氣もここをクリアしないと次の世界挑戦とは言えないので緊張感持ったいい試合を期待してます。

 

他の階級でも思うところを綴ると・・・

例えばライトフライ戦線も例の久田の拳四朗に対する感情なんかはツィッターなんかで留めずにもっと発信していいと思うんですね。

それが久田のモチベーションになり、やがて世界挑戦に辿り着けば、それが溜めになってカードとしての魅力は爆発すると思いますし。

辿り着けなければ批判されるリスクはありますが、観客としてはリスクを背負う選手に思い入れてしまうのも事実。

ある意味、ストーカー化してもいいかも(笑)。

ただ、現状では拳四朗が先を行ってるわけですから、追いつくためには相応の相手をクリアしなければならないですが。

 

マーク・ジョンヤップに次いでレネ・ダッゲルが新たな日本人キラーになりそうです。パンチの決定力がヤップほどでないから結構、日本人が挑んでますが、翁長に勝ってることを忘れてはならない。

世界挑戦間近の石田はともかく、戸部や世界獲りに失敗した村中、江藤光等はダッゲルに照準を絞るのもいいのでは。もちろん、日本王者の船井が飛び級を狙うならそれもアリだし、この階級も転がしてけば面白くなりそうです。

各階級で国内・東洋圏で誰が強いのかを決める流れになれば必然的に盛り上がります。テレビ座敷の視聴者を満足させることは大事ですが、まずは足元を固めることにも目を向けたらどうでしょうか。

 

 

 

予定調和はいらない。

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昨日のダイヤモンド・グローブは当たりだったみたいですね。

予想もしない激闘と逆転劇、番狂わせとボクシングという競技の持つ面白さ、凄さが詰まってるキーワードが散見されます。

麻生vs今野は誰も予期しない激闘であり逆転劇だったそうですね。

カマセ相手に勝ち星を稼がすマッチメイクよりもやはり、こういう試合ですよ。

そして、竹中に逆転KOで番狂わせを演じたノ・サミュング。

韓国人選手が日本で東洋を奪取なんていつ以来だろうか。

2013年にOPBF王者として岩渕を破った金民旭の後に初めて、強い韓国人選手を見た気がする。

竹中には悪いけど、こういう番狂わせが起こるのがボクシングの怖さであり魅力だ。近年でいえばジョムトーンが杉崎由夜を破った試合にも通づるものがある。

別にタイトル戦でなくても、日本vsタイやvs韓国であってもやりようによってはお客さんは来ると思う。ただし、それは身内の発表会みたいなKOショーの量産でなく、もしかしたら負けるかもしれないという格闘技やスポーツ本来の持つ怖さを体現してくれる様な組み合わせに限るけども。

見せかけだけの無敗レコード、好戦績はいらない。今はタイ人や韓国人が相手でもどういう選手と当たったかが問われるはず。

予定調和はもういらない。

亀海vsコットに思うこと。

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亀海vsコットが正式決定しました。

 

 

日本人が海外のビッグネームに挑む構図は単純にワクワクさせられます。それがエキサイトマッチで恒常的に見られる相手なら尚更。

さて、海外で活躍する様になってから気になってたのですが、亀海に限らず、海外で活躍して評価される選手は攻撃特化型・激闘型になって評価を得てるケースが多いです。

ボクシングの技巧では相手が上の場合に距離を潰してゴリゴリ押していく、そんな試合もボクシングのスタイルの一つですし、それを売り物にしてる屈強なファイターはいくらでもいます。

例えば、過去の相手でいうとロバート・ゲレーロみたいにどちらでも自信を持って付き合ってくれる相手やヘスス・ソトカラスみたいに同じ攻撃型の選手なら嚙み合いますし、勝機も出てきます。

しかし、引き分けに終わったホルヘ・シウバや判定を落としたアルフォンソ・ゴメスみたいに駆け引きや試合運びの巧拙で勝てなかった試合もあり、ボクシングの幅ではコットに及ぶべくもない点に不安も残ります。

昔から日本人選手は攻撃偏重が尊ばれる風潮があり、防御に優れた選手の評価は低めか、現役を退いてやっと、評価が追いつく様にも思います。例えば徳山や新井田、古くは小林弘など。

亀海も国内ではその強打が注目されてたけど、本来はL字ガードや相手に密着して距離を潰すなど独特の打たせない技術があったはず。

肉体的耐久度に依存する様な試合は確かにエキサイティングですが、あれが通用するのはソトカラスまでの気がする。

石田がカークランドを倒したときの様な奇襲が出来るタイプではなく、本来はじっくりと相手を削っていくスタイルのはず。

イメージとしてはかって柴田国明がビセンテ・サルディバルを削ってギブアップさせたような、コットの心を砕く様な試合をして欲しい。

 

 

軽量級では井上兄弟や田中恒成の様な逸材が今後も出てくるでしょうが、中量級以上では逸材が次々出てくるほど、日本のボクシングは熟成されてないはず。

それだからこそ、今回の亀海が惨敗を喫する様だと、またしばらくは日本人にチャンスが巡ってくることもないだろう。

かっての亀田昭雄や辻本章次をも凌ぐ逸材と思うだけにこのチャンスを戦えて良かっただけで終わらせないで欲しい。

 

本当にやってしまうのか・・・

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ボクシング・ファン的には複雑ですが、メイウェザーvsマクレガーが正式決定しました。形としてはマクレガーがメイウェザーにボクシング・ルールで挑むものですが、いきなり12回戦とはどうなのかなあ。

私はMMAも好きですから、こんな挑戦よりもマクレガーはMMAのパッキャオを目指して欲しかったのですがね。

 

メイは現役を退いていたというエクスキューズがあり、マクレガーもボクシング・ルールだから負けてもともとという言い訳が立つ。

リスクが最小限で大きな金が動くということ以外に見所は無さそう。

ま、気持ちとしてはかってパンクラスのリングでパンクラシストのキック・ルールの挑戦を受けてたモーリス・スミスを見守るキック・ファンの気持ちというか、わかりくすぎるか(笑)。

 

これは挑戦する側から見れば意味がある試合かも知れないが、受ける側からするとリスクしかない形式なんだよなあ。

勝って当たり前だし、今回は莫大なファイトマネーが動くからメイも納得したのかも知れないけど。

リアル・ファイトなのが(当然なのだけど)救いかな。

少なくとも一昔前みたいにプロレスのリングで食いものにされることは無さそうだし。

人の好みはそれぞれだけど、個人的にはこの試合にはノレない。

エキサイトマッチで放送することも無いと思うけど、他のボクシングの試合と一緒にして放映することだけは勘弁して欲しいですね。

 


記者の思い入れはいらない。

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ボクシング・マガジンの今月号で気になった点を少し述べたい。

それは、村田vsエンダムが村田視点でしか書いてないということ。

 

この雑誌の思い入れたっぷりの筆致はかっての辰吉や今の井上尚弥の試合レポートからも良く分かるのだが、曲がりなりにも専門誌という媒体でそこらのツィッターの意見と同様というのはどうなのか。

村田が勝ってたという見解の主張をするのは自由だが、専門誌ならではの検証をせずに、単にジャッジが処分されたこと、メンドサ会長がツィッターで自分の採点を公開したことを根拠にするのはマスコミとしてどうなのかと思う。

試合レポートも「思い入れ」が文章のスパイスどころでなく、邪魔をして、試合の全体像が見えなくなってしまっている。

マスコミなら敢えて、一歩退いてから全体を俯瞰して見る目が必要だと思うけど、それもやらなければ、村田が勝ってたという世論の後押しを構築するだけではないのか。エンダム勝利の目もあるという少数の意見を押しつぶす様な編集はいかがなものかと思う。

 

レポートの部分はそのままとしても、何故、ボクマガはラウンド・バイ・ラウンドをやらなくなったのだろうか。

これは単純に1ラウンドからの試合展開を12ラウンドに分けて行い、ラウンド終了時にどちらが優位なのかを書き綴っていくもの。

単に事実の羅列になるが、少なくとも読者に試合の流れは見えやすいし、このラウンドは自分と違うな・・・とかいろいろ検証できるのが大きい。今の記事の書き方でレポートの中で自分の採点は・・・といっても途中採点が無いと思い入れにまかせた適当な採点をしたとしか思えない。

 

この方式では畑山vsリック、レナードvsハグラー等の際どい試合の場合では結構、自分の意見と照らし合わせてみたものです。読者から「ここは違う!」と指摘が入るかも知れないが、ちゃんとレポートで検証しようとする姿勢は読者の信頼を生むと思うけどね。

 

あと、井上尚弥に関してのべたべたした雰囲気のレポートは何とかならないのか。井上にはむしろ、そういう人達の思い入れを拒絶する冷徹なまでの強さ、怖さを見せて欲しいですね。

WBOアジア王者~不完全ガイド~

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去年、半ば強引に開催したWBOアジア・パシフィックの王者ですが、今の日本にどれだけ王者がいるのかを暇にまかせて検証してみます。せっかくの休みだけど雨だしなぁ。

 

1.ライトフライ級王者:堀川謙一(三迫)

※ジム移籍して心機一転のベテラン、堀川。2月に広島での王座決定戦で板垣幸司(広島三栄)を12R判定勝ちで制しての戴冠。

この2ケ月後に拳四朗が返上した日本王座の決定戦に出場するなど、年齢を感じさせないです。やはり、まずは日本とか東洋狙いかな。

 

2.フライ級王者:木村翔(青木)

※昨年11月に王座決定戦で坂本真宏(六島)を12R判定(2-0)で下しての戴冠。この段階で12回戦を戦わせたことに関してのマッチメイク上の批判も散見しました。

7月11日に後楽園でクワンタイ・シスモーセン相手に初防衛戦。井岡や田口との対戦経験あるベテランにどういう試合をするのか。それよりもクワンタイが高級カマセ化してないか不安。

 

3.Sフライ級暫定王者:川口勝汰(堺東ミツキ)

※昨年10月にフィリピンでラクニラン・ムアンソンサダカン(タイ)を9R負傷判定で破っての戴冠。しかし、正王者のレックス・ツォは10月に河野と対戦予定(王座がかかるかは不明)だし、川口も最近、OPBF王者のレネ・ダッゲルに挑戦してしまったから、暫定王座が有効かどうかは不明。

 

4.フェザー級王者:ジェネシス・カシミ・セルバニア(ベネズエラ:カシミ)

※今年4月に王座決定戦でラルフ・ジョン・ルル(比国)に2RにKO勝ちで戴冠。地方ジム所属の外人だし、過去に冨山をKOしてる実績もあって、強いし、マーク・ジョンヤップみたいに日本人から徹底スルーされるのでしょうか。仲でも細野でもいいからやって欲しいな。

清水聡戦というのが一番、面白そうな気がするけど。

 

5.Sフェザー級王者:伊藤雅雪(伴流)

※OPBFと同時保持。昨年、大晦日に統一戦で渡邊卓也(青木)に大差12R判定勝ちで戴冠。今年4月にローレンソ・ビラヌエバ(比国)を9RTKOで破って初防衛に成功してるが、OPBFはこのままないがしろになってしまうのか不安。

 

6.ライト級王者:荒川仁人(ワタナベ)

※今年1月にアンソニー・サバルデ(比国)との王座決定戦を制して戴冠。わざわざ日本王座を返上させてまで獲らせる必要があったのかなあ。これで土屋戦が流れたのだから、ファンにとっては罪作りだよ。

 

7.ヘビー級王者:藤本京太郎(角海老宝石)

※5月のOPBFの防衛戦にいきなり王座決定戦として組まれたのは、WBO世界ヘビー級王者であるジョセフ・パーカーへの挑戦を見込んだものだったら、まだ納得できるかも。

それでランキングに反映されましたっけ?

 

まさに右を向いても左を向いてもチャンピオンだらけ。

挑戦者の方が少なくなったりしてね(笑)。バンタム級も7月3日に高橋竜也(ヤマグチ土浦)が王座決定戦を行う予定です。

その競技人口と比較してこんなに王者を増やしてどうするつもりなんでしょうか。

 

 

矛と盾

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比嘉が井岡を挑発してるのはちょっと面白い展開です。

これまでそれなりの相手とそれなりの試合をしてきた井岡が、勢いある比嘉の挑戦を受けたら、統一戦という括りを外しても面白そうです。

しかし、こと勝敗で考えたら井岡が塩試合に持ち込んで中差以上の判定勝ではないかなと思います。

 

ウォードvsコバレフ2でも感じたのですが、攻撃という矛を持ってる選手と防御という盾を持ってる選手が対戦した場合は大概が矛が盾を突き破ることはないような気がする。

昔でいえばパーネル・ウィテカーvsフリオ・セサール・チャベス(父)

最近でいうとフロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオがこれに当てはまるのではないか。強いていえばコバレフvsウォードの1,2もそれに該当するかもしれない。

 

ボクシングはKO、またはそれに持ち込む展開が大きな見せ場だったりするので、観客は攻撃に目が行きがちです。こと、この国ではピストン堀口、ファイティング原田の系譜になぞらえて、攻撃は最大の防御なりという考えもいまだに根強くあります。

しかし、ボクシングの基本は打たせずに打つではなかったか。

あくまでも「打たせず」が「打つ」の先に来る。つまり防御ありき。

2000年代以降の我が国の世界王者の平均防衛回数が増えてるのもディフェンスに長けた選手が増えてきたからではないか。(対戦相手を選べる様になったにしろ)

 

徳山、新井田、西岡、長谷川、内山、山中・・・いずれも距離感に秀でる選手たち。ガードやブロックが防御の大半を占めてた時代と違い、相手に打たせない距離とポジション、微妙なタイミングの取り方に優れた王者が増えてきたと思う。相手の質に疑義を持たれることはあるにしろ、井岡も間違いなくその系譜だろう。

対して比嘉。その当て感の良さ、パンチの利かせ方等を見ると、距離やタイミングといった要素を攻撃に割いてるのは、どこか懐かしい匂いを感じさせるボクサーだ。勝てるかどうかはともかく、やはり倒せるボクサーはプロとして魅力的だ。

 

それでも、今、この二人が戦えば、比嘉がKO出来なければ井岡の勝利だろう。しかし、そこから先の期待を抱かせる選手として比嘉の勝利に賭けてみたい気もする。

イオカメダと揶揄されたくなければ、それこそ「たまには日本人とやろうよ・・・斬り!」と言いたいですね。(元ネタは各自調査。)

 

 

 

 

余計な一発が品格を落とす。

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リゴンドーがゴング後の加撃でフローレス戦のKO勝ちを取り下げられ、無効試合にされたみたいです。その後の展開で何があるかわからないという不確定要素はあるものの、普通に勝てる試合であったろうに勿体ないというか・・・本人はあまり気にして無さそうですが。

 

一定のルールの枠から逸脱したうえでの不可解な決着。

これほど観客を苛立たせ、フラストレーションを溜めるものもないでしょう。基本、プロ競技はどちらが上手いか、強いか、その過程を曖昧にしてしまうのですから。

さて、国内においては伊藤直樹vs宋成雲のOPBF JRウエルター級選手権(89.4.19)や佐藤仁徳vs山中郁夫の日本ウエルター級選手権(93.11.8)がゴング後の加撃が原因で決着ついてます。

他にも輪島が柳斉斗に敗れて世界王座を失った試合でも、KOラウンドの前である6R終了直後の一発が試合の流れを決めています。

海外ではランセス・バルテルミーがアンヘルデス・メンデスを2Rにゴング直後のパンチでKOしたものの、後日、無効試合になってますね。(2014.1.3:IBF世界Sフェザー級選手権)

 

 

ま、再戦で決着しましたが・・・

 

実質、ゴングが鳴ってもレフェリーが明確に止めなければいけないわけです。そしてボクサー側からするとゴングが鳴った後、セコンドなりレフェリーなりが身体を張って止めに入るまで、意識を緩めないということが事前の防止策ですかねぇ。

ただ、明らかに悪いのは加害者側であるから、露骨にゴングの加撃は論外ですし、倒れた相手への加撃も同様。

具志堅も倒れた相手によく殴りかかってましたが、今の時代では許容してもらえないでしょうね。個人的にここはちょっといただけません。

 

アンドレ・ディレルはアルトゥール・アブラハムに倒れたところを殴られて1年9ケ月のキャリアを無駄にしたし、ロイ・ジョーンズもモンテル・グリフィンとの1戦目では反則ながらプロ初黒星を喫してしまいました。

(ちなみにディレルはウスカデキにもゴング後の加撃をもらい、反則勝ちでIBFのSミドル級暫定王座獲得)

勝たんがためにボクシングのルールを逸脱する行為は愚行としか思えません。決められた状況下、ルールの中で見せるKOだから美しいのです。

モハメッド・アリがキンシャサでジョージ・フォアマンをKOしたフィニッシュ・シーン、倒れるフォアマンを目で追ってダウンを確認する様こそがボクサーの品格です。いつでも追撃できる姿勢を維持しつつも追撃しない。リゴンドーがスーパースターになれないのはこの辺ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

名古屋判定振り返り

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ここ10年位のスパンで業界に悪影響を与えてきたのは言うまでもなく亀田一家であるが、2000年代前半の名古屋判定に代表される一部のローカル判定もひどかった記憶があります。

世界戦でないから、後世に語り継がれる機会もそうそう無いけど、自戒の意味も込めて風化させたらダメですね。

当時のFLASHなんかだと中部事務局長(当時)が審判団に圧力をかけていて、緑ジムの松尾会長なんかはその事務局長の解任を迫ってたという話が載っています。こんな小さい島国でも縄張り争いがあるんですねぇ。

 

・菅原雅兼vsジェス・マーカ

・渡辺 博vsドンドン・スルタン

他に

・小松則幸vsトラッシュ中沼第一戦

・大之伸くまvs阿部元一

 

これらの試合は見方によってどちらにでも振れるという微妙なものでなく、勝者が何故勝っていたのかという説明が付かない試合です。

勿論、選手は真剣勝負をしてたのですが、判定という制度が正常に機能しなかった例です。

そして、一部週刊誌の糾弾があったにも関わらず、有耶無耶な結果にした挙句、数年後に表れたあの一家が業界のイメージを壊滅的にしてしまったわけです。つけいる隙を与えてしまった・・・とは考えすぎでしょうか。

 

パッキャオ雑感

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マニー・パッキャオがジェフ・ホーンにユナニマス判定負け。

いろんな意見があるかもしれませんが、試合を観て思ったのはホーンが良かったというよりもパッキャオが悪かったということです。

体格差を利してゴリゴリ押していく、身体ごと押して手を出しながら、くっついては、上からのしかかるようなクリンチで削っていく、頭も当たるのは結果として仕方がない・・・という戦略はおそらくホーンの最善の選択だったとは思います。換言すると他に手が無いということでもありますが・・・

しかし、以前のパッキャオならば、あんなにペースを持っていかれることなく捌けたはず。

それが出来なかったのは衰えか、練習不足かどちらかなのでしょう。

例えば、過去にはマルガリートやリオスなど今回のホーン以上に圧力をかけてくるファイターとの対戦もあり、それを一方的な展開で打ち破っていることを考えると、今回のパッキャオはそのときと比べて、どこが違ってたのか。

 

個人的な見解では脚が以前ほど動いてなかった気がします。

ホーンが圧力をかけてくると、まっすぐ後ろに下がってしまう。

安易にロープを背にしてしまう。結果、追い詰められてブロッキング、ガードに依存した防御になってしまう。

特にここ数戦はそんなシーンが徐々に増えてきた気がします。

良く言えばキャリアを積んで無駄な動きをしなくなったのかもしれないですが、政務との兼任で練習時間も以前ほどママならないだろうし、悪く言えば(以前と比べるとだが)横着なボクシングになってしまったのではなかろうか。

 

2009~2011年位に顕著に見られた多彩なポジション取りと間断無く放たれるコンビネーションを組み合わせた広角殺法が見られなくなって久しいが、それでもブラッドリー3やバルガス戦のコンディションまで持っていければ何とかやりようはあったはず。

本人は再戦を望んでるみたいだが、現役続行ならばそのキャリアは有限なだけに別の相手とやって欲しい。仮にホーンにリベンジしてもそこからの上積みはないだろうし、カーンやクロフォードとの対戦がまた伸びてしまうだけだ。

あくまでもコンディション次第かも知れないが、ジョーさんが仰っていた様に二足の草鞋はもう限界かも知れない。

 

 

Youは何しに日本へ?

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浅草とか東京スカイツリー界隈で仕事をしてたときに本当にここ10年位で観光で訪れる外国の方が増えたことを実感します。

我がボクシング業界でも一頃ほどではないものの、日本のジムと契約して単身赴任で頑張ってチャンスを掴もうとしてる選手も多くいます。

 

しかし、対照的に「お仕事」で来られる倒れ屋さんも後を絶ちませんね。まあお抱えの選手に勝ち星をつける、スランプを脱出する機会をつくるという目的の場合もあるので必要悪だとは思いますが、興行のメインにvsカマセというカードを組まれると金払って見に行く気が失せます。

日本人対決なら格下の選手が上を食ってやろうという気持ちが見えて、予想通りの結末に終わっても、納得する内容になるのですが、3~5Rで腹を叩かれて10カウントを聞き、何事も無く控室へサッサと帰る外人との試合だと立ち見でも4000円出したことを後悔しますね。

タイトルマッチであったりすると残念感も倍増です。

フィリピンはともかく、タイやインドネシア、韓国から来日する選手は技術とか闘志以前にやる気が感じられないケースが大半だし、これじゃ業界揃ってプチ亀田ではないですか。そりゃ後楽園も埋まりませんよ。

OPBFのタイトルマッチはフィリピンとオーストラリアの選手が相手でないと興味すら持てなくなりましたからね。

 

しかし、先日、竹中からOPBFのフェザー級王座を奪取した韓国のノ・サミュングとか、ああいう試合が増えれば必然的に王座の価値も上がるんだろうと思います。近年では岩渕を返り討ちにした金民旭もいましたし、近隣国の韓国が活気づいてくれば、また違ってくるのかなと淡い期待もあります。

せめて、勝つために来日したということを見せて欲しいですね。

 


昔、神童。今は・・

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京口兄の件は残念です。前回の件からのほとぼりが冷めかけた辺りで、またこの手の報道が入るのは反省してないと言われても仕方無い気がします。そのリング上でのポテンシャルを惜しむだけに早く、責任を取って戻ってくる様にとしか一観戦者はコメントできないですね。

 

そして、今回と類似したケースであたら才能を枯渇させてしまった例としては健文トーレスの例があります。

父・ヘルマン・トーレスの影響で4歳からグローブを握り、アマで全日本実業団選手権優勝。プロではメキシコでのデビュー戦こそKOで敗れたものの、10戦目でクマントーン・ポーププラムックに金星。11戦目で空位の日本バンタム級王座決定戦に出場したものの、三谷将之に判定負け。しかし、やんちゃであるがため、幾分かの危うさを残していたものの、攻撃的で感の鋭い、野性味溢れる試合に可能性を感じていたのも事実。池原や大場浩平あたりとのマッチアップが実現すればとも思ってましたよ、当時は。

ま、彼もやんちゃを通り越した事件を起こして、相応の社会的制裁を受けたうえでリングに戻ってきたわけですが、正直、失われたものはあまりにも多かったですね。

 

 

攻めるときの力は見た目にそれほどは落ちてないのでしょう。

年齢的にも体力のリカバーが効く時期でもあるし、この部分の多少のブランクはカバーできるはず。一気に倒しきれる相手ならばそれほど粗も目立たないかも知れないです。

では、どこが変わってくるか。

①避け感、当て感等の反射神経や「センス」に関わってくる部分。

②攻めあぐねたとき、防戦も回った時に求められる思考のスタミナ。

ではないでしょうか。

日本ランカーの中~上位クラスと対戦したときにブランク前と同じ身体と精神のスタミナが維持できるのかということです。

 

京口兄の場合も弟が大一番を控えたこの時期に自身の不注意で再び事故を起こしたことに関しては非難されても仕方ない。

リングの上のことは拳で納得させることが出来ますが、リング外の不祥事は真摯に償うしかありません。ここから先の信用を勝ち取るか、このまま失脚していくかは本人次第です。

 

 

 

 

 

 

 

ロシアより愛を込めて

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金子大樹を始めとする日本選手団がロシアで全敗を喫しました。

結果はともかくとしてアウェーを厭わずに乗り込んでいった姿勢は評価されていいでしょう。

過去にまとまった日本選手団がフィリピンやタイなどのアジア圏に行ったり、個別でアメリカのリングに上がったりしたことがありますが、ロシアというところがミソです。

環境的な面でアウェーの洗礼を浴びることにはなるのは共通ですが、いわゆる東洋圏の選手と比較して

①同体格で骨格、筋量が勝る選手が多い。

②アマの実績が平均的に桁違い。国際大会での経験値が段違い。

 

いわゆるファイトとボクシングの両面での差を実感させられることになります。そして、今の世界の趨勢の一角を担うのは旧ソ連圏のボクサーが多いので、我が国のA級選手がロシアを経験しておくのは決して無駄にはならないはず。

特に90年代のユーリやナザロフ、ヤノフスキー、2000年代のサーシャ以降、国内に留まってれば旧ソ連勢と拳を交える機会は皆無になってしまっているだけに、今回の遠征が実現した意義は大きいと言えるでしょう。

今後もアジア圏だけでなく、欧米や旧ソ連にも遠征してアウェー負けしない逞しさを担って欲しいところです。

三浦vsベルチェルト雑感

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コラレスvsカスティジャノスはまだ見れてないものの、三浦vsベルチェルトは結果を知ることなく見ることができました。

毎回、記憶に残る熱い試合を見せてくれる三浦ですが、海外での戦績は1勝2敗。あらゆる感傷や思い入れを排して冷静にこの結果を受け止めるべきだと思います。これで次のチャンスを呼び込めるのか。

この層の厚いSフェザー級界隈で。

それとも王座やビッグマッチ等を諦めて、アラムやデラホーヤ等が日本人に求められる役割を全うすることに尽力するのか。いわゆる激闘要員ですね。

米国での3戦はいずれも激闘ですし、勝ち負けを考えなければ、どの試合でも三浦の魅力が引き出されていました。しかし、三浦は過去、バルガスやベルチェルトには完敗だし、勝利を掴んだローマン戦も敗色濃厚なところからの逆転だった事を忘れてはならない。

 

今回、序盤、手数が少なく、結果としてベルチェルトに先手を許してしまったのも気になったのですが、6R以降にボディを叩いていったものの、序盤の三浦はヘッドハンターとしての傾向が顕著に見えました。

細かいパンチを意に介さずというわけでもないでしょうが、軽いが多彩な角度からのベルチェルトのパンチを食らい過ぎる。そして自身はリードブローもなく、左をぶん回し過ぎる。

あちこちで指摘されてることですが、何故、あのボディを最初から叩いていかなかったのかとの疑問は残ります。今回はゲーム・プラン自体が失敗だったのでしょうか。

しかし、開催地は海外であったものの、日本人が絡んだ試合で今年に入って最初のリアル世界戦だったと思います。堪能しました。

 

 

 

 

7・19後楽園:W東洋戦観戦記

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久々にホールに足を運びました。

平日興行にも関わらず、開場前は久々にホールの廊下から階段へ連なる列が出来ました。これだけで地力のある興行だと実感。期待値が高まります。

この日はhigegeさんとその知人といつものバルコニーから観戦。

「今回は臼井を応援しますよ!」というhigegeさんの提案で青コーナー側に陣取りながら開始を待つ。

客入りは開始時は比較的余裕があったものの、メインが近づくに連れてかなり密度が高まってきて、気が付けば北側の席はビッシリ、いつもは空席が目立つ南側もかなり、埋まっており、南側後方に結構な数の立ち見も出てきたほど。全体的には8~9割は埋まっていて、あえて言えば満員以上超満員以下って感じかな。

 

さて、試合の方は全6試合。アンダーでの3試合はいずれも金子ジム勢がKO勝ち。ウェルター以上の重い階級ということもあって1,2試合目はともに迫力があったものの、やや大味な印象。

しかし、3試合目の藤中vs大村は階級がウェルターとはいえ、軽量級の様にスピードがあり、距離を意識したテクニカルな試合として幕を開けた。

1Rは藤中がカウンターをボコボコ当てて、KOは時間の問題かと思わせたものの、そこからの大村の粘りもあり、熱戦に。最後は藤中が壮絶なKO決着をつけたこの試合が、前座のベストバウト。

 

そしてメイン。まずはダッケルvs木村隼人。

木村は前半、忙しなく手を出すが、ほとんどがヒットしない。

ダッケルが軽いが、的確にパンチを当てていく。意外にリーチが長く、力感が感じられないが、タイミングが良いのか、木村の前進を阻むような左が印象的だ。前半はダッケル優勢に試合が進む。

その後、序盤からボディをしつこく打っていった木村が後半にチャンスを掴みかけるが、結局はダッケルのインサイドワークに誤魔化されてしまった感じ。10Rは一番の勝機だったが、ここで攻め込めず、11Rを完全に落としてしまったのも痛かった。

判定はさすがに6差はどうかと思うが、ダッケルの3差位の判定勝ちかな。

一見、組しやすく、パンチもある様に見えないから、今後はダッケルをターゲットにする選手も出てきそうだけど、なかなかの曲者。今後は日本人キラーとして名を馳せることになりそうです。大差判定で完封した井上弟はやはり強いんだな・・・

 

次いで和氣の再起戦。会場の雰囲気がガラリと変わる。

やはり、スター性を感じますね。相手はベテランの瀬藤。

タイ人が相手でなくて良かったが、瀬藤はやはりブランクが大きかった。和氣のパンチに反応できず、距離を潰して大きなパンチを放つが力感が感じられない。

そして5Rに決着。和氣はやや慎重なキライがあるが、ガードの低さよりも下がりながらの攻撃が多いのが気になる。ブランクのある瀬藤だから押し込みを凌げたが、圧をかけてくる相手を捌けるか?不安が残る。例えばこの日のメインを張った大竹と対戦したらどうだろうか。

陣営は日本人王者が揃ってる今だからこそ、世界獲りを急がせるつもりだろうが、焦らず、国内からじっくりと出直して欲しいとも思う。

それか、中南米や北欧の世界ランカーと対戦してもらいたい。

 

最後に大竹vs臼井。

事前にこの試合の勝者に挑む丸田がリング上から挨拶。

higegeさんたちは臼井応援だったが、この後に丸田と戦わせて面白そうなのは大竹なので、心の中で大竹を応援してました、higegeさん、正直、すまんかった!

試合は序盤、臼井のシャープな左ジャブ、右のストレート、フック等が決まり、王座奪取への期待を束の間、抱かせたものの、ラウンドを重ねるとエンジンの出力が上がってくるのが大竹。鼻血を早々に出したものの、顔色変えずにゴリゴリ前進。

臼井のパンチを連打で食らっても意に介さず、逆に臼井は大竹の攻撃でバランスを崩し、動きが止まるなど見栄えが悪い。

そして10回、ラウンド終了間際についに臼井がダウン。そしてセコンドが躊躇なくタオル投入。これはいいタイミングでした。

 

第一試合からメインまでスムーズに試合が進行し、お目当ての選手が終わったら帰るお客さんもほとんどいなかったので、本当に観にきて良かったと思える興行でした。

これだけの客入りで最安値の5000円を当日でも正直に販売してたのは良かったと思いますし、自由席もいつもなら南側の後ろ2列まででしたが、この日は後ろ5~6列まで自由席だったのは観客目線からするとありがたかったですね。

 

唯一、気になったのはリング内のことですが、試合のストップが明らかにタイミングが遅いだろという試合もありましたね。膝がぐにゃぐにゃになってるのに再開させて、踏ん張れずに重大な事故につながったらどうするのだろうか。レフェリーが高齢な方も多いので、こちらも世代交代を考えてもらいたいです。

 

 

7・23大田区雑感

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片道2時間の勤務先から理由をつけて大急ぎで帰宅しました。

なんとかリアルタイムでテレビ観戦だけは出来たので雑感を。

まず田中vsバレラ。

 

田口は今までの試合で一番良かったのではないか。

昔はタイトルそのものに価値があったので、王座奪取自体が快挙であり、そのボクサーの評価につながってました。しかし、今はそこまで王座に価値観を見出せなくなってます。

むしろ、田口みたいに戴冠後に実績を積み重ねて認められるというパターンになってきたと思います。その点ではこの後に出場する京口に対するボクシング・ファンの信頼はまだまだですが、可能性は感じられますね。

バレラは強打だけでなく、アウト・ボクシングやスイッチまで駆使してペースを変えようと試みたものの、最後は心を折られた様に見えました。

敢えて言えば、序盤に鼻血を出し、優勢だったラウンドの次は一転攻められるという展開は観客には面白いが、この様に打たれる試合は確実にダメージを蓄積させる。

田中恒成と試合するなら早い方がいいだろう。

今なら勝負になるが、一年後はわからない。

 

それで京口vsアルグメド。

 

プロ・キャリア8戦(アマで経験あるものの)で変則タイプのアルグメドと互せるのは凄いと思う。日本人の福原でなく、やりづらいアルグメドに挑んだのも評価できる。しかし、あまりにも愚直というか、後半のダウンが無ければ、展開も変えられずにそのまま負けてた可能性もあった。

ダウンも含めて、京口が持っていたということかな。今回は相手も変則だし、内容よりも結果が問われる試合だっただけにあまり言われることもないだろうが、あえて言えば、次に防衛戦があった場合に観に行きたくなるかと言われると答えに窮する。

仕返しのつもりかも知れないが、頭突きやホールディングはいささかダーティな印象を与えてしまったとも思う。評価は次の試合待ちかな。

船井の試合は動画配信で我慢するか・・・

 

さて、今回の大会で気になったことは知人もブログで上げているのだが、①長すぎる休憩②もみ合いの多さ③メイン開始が21:00.

特に③。これをやられるとキッツいんですよね。

帰りの足を気にする様な状況では集中した観戦は出来ないです。

 

テレ東アナの8戦目最短王座獲得とか、あのいらねぇー輩をリングサイドに・リポーターになんかでもつけないでもらいたいものです。

  

 

 

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