世間の注目はプロ野球、WBCに集まってます。門外漢が語弊無く言わせてもらえば大谷翔平一人にフォーカスされてる印象です。対してボクシングはどうか?
4月8日にデビューする那須川天心、3冠統一を狙う寺地拳四朗、直近で試合は無いものの、地上波最後の砦である井岡一翔。
村田諒太が引退したとはいえ、これだけの駒がありますがそう思ってるのは我々ボクシングファンだけかも知れません。
大谷と比べると注目の度合いはやや落ちますが、この業界はまさに井上尚弥の一人勝ちと言えるでしょう。
井上vsフルトンは井上が挑戦者ではあるものの、フルトンの名前が先に来ることはありません。あくまでも井上在りきで組めた試合であり、だからこそフルトンは巨額のファイトマネーとアメリカでは考えられない注目を浴びる事になります。
でも・・・ですね。井上の怪物っぷり、偉業っぷりはおおいに認めるわけですが、一頃に噂されてた海外進出が思った様に行かなかったので国内に舵を切ったうえでの成功なわけですね。
自分みたいな捻くれたファンからすると、日本のボクサーにその先の景色を期待してしまうのですよ。
それは中量級、少なくともライト級以上の階級で世界で無双できる選手の出現。億単位のファイトマネーを恒常的に稼げる日本人ボクサーの出現とでもいいましょうか。
かっては内弁慶とも言われた日本人ボクサーが積極的に海外進出を始めたのが2010年代以降のこと。その鏑矢となったのはSバンタムの西岡だったわけですが、西岡の階級では悲しいかな、相手がマルケス弟やドネアであってもアメリカではビッグマッチの主役足りえなかったわけであって。
小原や岡田はあえなく玉砕、亀海がミゲール・コットと対峙して世界王座決定戦(WBO)に出場できるまで昇りつめたわけですが、そこまでに到達して燃え尽きてしまいました。
そしてその後は中谷正義がテオフィモ・ロペスやワシル・ロマチェンコと戦うまでに至りましたが、ロマチェンコに至ってはチューンナップのためにセレクトしてくれた様なもの。番狂わせを起こせば道が開けるのですが、そうもいかないのがこの階級だったりします。
そして吉野修一郎です。国内でライト級最強を証明して海外に赴くわけですが、初っ端の相手がシャクール・スティーブンソンとは・・・
予想は絶対不利ですが、逆に言えばこれを食ったときは大きい。
この階級になると名も無い相手でもあからさまなアンダードッグを見つけるのが難しいので、最初にボスキャラを倒せば飛び級も狙えます。それが難しいわけですが・・・
しかし90年代まではこの階級は世界との乖離が激しく、世界王座に挑むどころかランカーと手合わせすら難しい状況だったことを考えると、跳ね返されることが多いものの、挑める選手が増えてきたことに希望も感じます。
軽量級の世界王者は国内路線でやりくりしていくパイしかないですが、この階級では海外PPVに乗るかも知れないという夢を観れます。日本人が主役になるのは夢のまた夢かもしれませんが、フィリピンからパッキャオという奇跡が出てきた様に吉野がそうならないとは誰も言えません。
4月になってしまうものの、2023年の最初の初夢に期待していいものでしょうか。