フューリーやウシクの台頭により盛り上がりを見せる海外ヘビー級戦線ですが、その一方で対戦の機運を逃してしまった対決もあります。
アンソニー・ジョシュアvsデオテン・ワイルダーがまさにそのカードなのですが、二人がそれぞれ世界王座を保持しての統一戦なら最大級の盛り上がりを見せたでしょうが、今や単なる好カードにしかならないのは残念。
互いに2m級の長身、中量級の攻防のまとまったボクシングをヘビー級で再現するジョシュアと劣勢を一発でひっくり返すぶん回し屋のワイルダーの対決は互いのパーソナリティも含めて、凄いことになったと思います。それだけにタイミングを逸したのは残念至極。
また、ここからキャリアのセカンド・ウィンドにのって機運が盛り上がってくるのでしょうか。その前に二人はそれぞれフューリーとウシクにリベンジしなければならないでしょうが・・・
さて、90年代にも似たような環境でありながらも対戦の機運を逸してしまい、結果として交わることもなかったカードもあります。
レノックス・ルイスvsリディック・ボウ。
マイク・タイソンが収監されてる間にホリフィールドを下して台頭してきたボウとタイソンを最も苦しめたラドックを2RでKOしてのしあがってきたルイス。しかも二人はソウル五輪の決勝で対戦し、ボウが戦意喪失みたいな形で敗れてます。いわばそのときの復讐戦で、ボウにこそ対戦の意味があったはず。
しかし、ボウはWBCのベルトを捨ててまで対戦を避けました。
このときの勢いで二人が戦えばボウが有利という見方が多勢を占めてたにも関わらず、対戦を避けたのです。これにはトレーナーのエディ・ファッチも匙を投げてしまい、これが影響したのか二人のその後のキャリアは明暗を分けていきます。
願わくばジョシュアとワイルダーには対戦しなかったことでの後悔が残らないキャリアになってもらいたいものです。