国内では28日の大阪と31日の大田区を残すのみとなりましたが、海外は一足早めにまとめます。今年もあっという間でしたねえ・・・
1.年間最優秀選手
※デオンテイ・ワイルダー(米)
ヘビー級が動くが如く世界が動くとまではいかないが、それでも最近のヘビー級戦線への注目が高まってきてるのはこの選手のおかげと言えるのでは。
昨年12月のタイソン・フューリー戦から、今年のブリディール、オルティス2での圧巻のKO劇。そして来年以降に実現するであろう、フューリー2とジョシュアとのメガマッチへの向けての期待値込み。
強打と打たれ脆さを併せ持ち、その試合からは常に目が離せない。
ジョシュアがアンディー・ルイスJRに不覚を取った様にワイルダーもいつ、そういう目にあってもおかしくない危なっかしさもあるが、今は勢いがそれを打ち消しているみたいだ。
2.年間最高試合:エロール・スペンスvsショーン・ポーター
(9月28日・米国ロスアンジェルス・ステープルズ・センター)
※不利予想を覆すポーターの奮闘と、そのポーターの勢いをへし折ったスペンスの強さ、上手さが凝縮された至高の一戦。正直、スペンスは前戦のマイキー・ガルシア戦が期待外れな凡戦だっただけに期待はしてなかったが、ポーターの頑張りで思わぬ名勝負になった。
まるでジョー・フレイジャーの様に絶え間なく上下動を繰り返し、最後まで尽きる事のないスタミナでアグレッシブに攻め抜いたポーター、それをシャープなカウンターやボディ・ストレートで迎え撃つスペンス。
特にこの試合の4Rと8Rは白眉の攻防だった。そして11Rにポーターに膝を付かせたスペンスの左ショート・フック。ここから立ち直り最終回まで互いに手を出し合って終了。採点が割れたのは意外だったが、今年度を代表する名勝負に勝者も敗者も無い。
そして試合後にスペンスの横に表れたダニー・ガルシア。正直言って次の相手に相応しくない。やはりここはクロフォード一択だろう。
次点はアブラハムvsグウォジク。
3.技能賞:テレンス・クロフォード(米)
※以前、ビッグマッチらしいビッグマッチに恵まれないが、要所で魅せるテクニックは素晴らしい。かってのスピード・スター、アミール・カーンを翻弄した巧みな試合運び、カバウラスカスに功打され、ペースを奪われかけた時に立て直すタクティクス。滑らかなスィッチワークはかのマービン・ハグラーに勝るとも劣らないと言ったら言い過ぎか。
4.敢闘賞:エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)
※今年だけで4度の防衛。しかもV2とV3の間は1ヶ月未満でのショート・ノーティス、まさに戦う王者に相応しい。ドグボエを返り討ちにしたV1戦も見事だった。
業界からハブされてるルイス・ネリに対しても俺とやろうって言ってしまえる格好良さ。そこには体重超過やドーピングをしでかしても凹にしてしまえる自信があるのか。日本の分厚いSバンタム級戦線はレイ・バルガスでもダニエル・ローマンでもなくこの王者に挑むべきだろう。
5.殊勲賞:アンディー・ルイスJR(米)
※ジョシュアをKOした1戦はまさにアップ・セット・オブ・ジ・イヤー。
レノックス・ルイスをKOしたオリバー・マッコールやハシム・ラクマン同様に再戦で王座を取り返されたが、彼らと違うのはKOで奪還されたわけではないこと。これからはデブの時代なのか?
ゴロフキンの衰え、カネロのダーク・ヒーロー振り、チャベスJRのダメダメさ等もありましたが、スペンス、スティーブンソン、ガルシア、ロペス、ヘイニー等のプロスペクトの成長もあり、着実に時代は動いてるという印象です。来年はライト級以上で井上尚弥みたいな評価を受ける日本人が出て来ないかなあとも妄想します。
生きてるうちに日本人のウェルター級とヘビー級の世界王者が出て来ないかな?勿論、暫定とかスーパーとか抜きでリアルな王者です。