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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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6・18幕張、井岡vsパリクテ観戦記

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幕張メッセは遠かった・・・が観に行って正解な興行でした。

休日だったので昼間は都内で某映像マニアとお会いし、そのまま一路海浜幕張へ。久々に京葉線を使ったのですが、やはり遠いですね~。

まず太陽と海さんと待ち合わせ、第一試合から観戦。

布崎清治(本多)と関口雄斗の4回戦。

上背がある布崎が危なげなく関口を捌き3-0判定勝ち。

フルマークも一人いたけど3Rは関口に上がってもおかしくないかも。

川畑嗣穂(ワタナベ)とモンコル・カムソマット(タイ)は川畑がヒッティングでモンコルの顔面をカットし、2RTKO勝ちもやや呆気ない印象。

 

そして3試合目、裏メイン。宇津木秀(ワタナベ)と地方ジム所属のベネズエラ人、ピッコロ・ヴォリバー(カシミ)。

リングに上がるなり、ピッコロの身体を見た某ジムの方が「ボクサーの身体でないな。」と一言。他格闘技の身体に近いかもと。

ピッコロは筋量が多いのでパワフルに左右フックを振るっていく。確かにパワーに満ちてるし当たれば倒れる雰囲気満点だが、何というか、所謂、ドスン系のパンチでMMAの選手がキック等に挑んだときに見せる打ち方と言ったらいいのかな。そんな印象。

宇津木が冷静に捌きながらカウンターやボディを打ち込んで削っていく。そして2Rと3Rにボディでダウンを奪った宇津木がKO完勝。

 

この後、予備カードがあったのですが4回戦をパンフに6回戦と記載したのはミステイク。パフォーマンス、長い休憩を挟んで女子世界戦。

ここらへんでジョー・ルイチュさん、ケサランさんと合流。higegeさんのブログで登場してるパンクロッカー氏とも挨拶。

WBOの女子世界Sフライ級王座決定戦、3大世界戦ねぇ・・

吉田実代がケーシー・モートンに10R判定勝ちで戴冠。

ただ、どうしても一発に欠ける者同士で被弾厭わずに打ち合う展開になってしまう。こういう消耗戦は見てて辛いし、これで世界を名乗られてもという気もする。女子は女子で興行打った方がいいのではないか。

 

 

WBA世界ライトフライ級スーパー王座のタイトルマッチ。

京口紘人(ワタナベ)vsタナワット・ナコーン(タイ)。やはりタイトルがかかるとタイ側の気合の入れ方が違う。

京口が圧力をかけて強振していくが2Rの後半あたりからタナワットの軽いが的確なカウンターが炸裂したりして雲行きが変わっていく。

京口は前足の位置取りでタナワットに外側を取られることが多く、あまりサウスポーを意識してないのか、それとも苦手にしてるのか。

後ろで観戦してた某ジムの関係者はそれでもサウスポーのタナワットのボディを捕える京口の上手さを絶賛してたが、これといきなりの右を顔面に叩きつける以外は空振りも目立ち、タナワットを捕えられない。

タナワットも避けることに専心して手数が出てないため、判定は中差で3-0京口だが、拳四朗との統一戦に進むうえでプラスαが欲しい。

突破力はあるものの、それを生かす術がもう少し欲しいかな。

 

 

そしてメイン。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦。

井岡一翔(Reason大貫)vsアストン・パリクテ(比国)。

やはりパリクテの身体が大きい。骨格が太いし、前日計量のリバウンドを考えるとフェザー級位はありそうだ。井岡と並ぶと体格差に驚く。

1,2Rはパリクテのペース。井岡が入っていけず、被弾で顔が仰け反るシーンもあった。しかし3Rから徐々に距離があってきたのか、井岡がペースを掴みかける。

4Rは微妙に感じたが、5,6Rと井岡がリズムを掴む。

ボディから上への返し、引き際を狙っての左ジャブ。

しかし、7Rにパリクテが再び圧力を強める。井岡が防御しきれずに被弾するシーンもあったが、敢えて打ち合いに活路を見出してペースを再び手繰り寄せる。井岡の意地も見えたこの日のベスト・ラウンド。

8R以降、攻め疲れの見えるパリクテに井岡が攻め込みポイントをピックアップ。このまま判定勝負かと思った矢先に10Rでの決着。

右で一気にきっかけを掴み、上下の打ち分けから上への集中打でストップに持ち込んだ。正直、判定で井岡、KOならパリクテと予想してただけにこれは予想外だったが見事なフィニッシュ。

倒すなら、オーレイドンやレベコ2みたいにボディかと思ってたが、まさか顔面への連打とはこれも予想外でした。

日本人(男子)初の4階級制覇であるが、自分らファンが復帰後の井岡を讃えるのはアローヨ、ニエテス、パリクテと続くハード・マッチメイクだからだ。やはり王座の価値は誰とどのような試合をしたかだろう。

そして、この日、2012年の大晦日で「あっち側」に行ってた井岡が明確に「こっち側」に戻ってきたことを実感した。

敢えて掌返し上等で祝福したいと思う。

 

 

 

 


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