昔は世界王者になることが日本のボクサーの目標であり、ゴールでした。王座を獲得すれば知名度も金も仕事も入ってきたのは今は昔。
階級が細分化して複数団体が認可された状況で増加された世界王者はそこがゴールでなく、スタートとしていろんな付加価値に挑みます。
・他団体統一
・複数階級制覇
・最短奪取、最多防衛、連続KO防衛
しかし、海外を主戦場にしていく王者はいなかったですね。強いてあげればリナレスですが、そもそも日本人では無いし・・・
さて、そこで木村翔です。
日本人でありながら中国をホームにしてるが如く。ゾウ・シミンをKOしてかの国のファンの支持を取り、サルダール戦では虜にしてしまったか。
2ヶ月後に敵地名古屋で田中の挑戦を受けなければいけない事情は中国よりもむしろ日本にアウェー感を感じる。
不思議な立ち位置の世界王者です。
そして記憶に新しい海外奪取をやってのけた伊藤雅雪。
こと試合スタイルに関しては日本的な味付けと異なる。
上体の柔らかさ、見切りの良さ、攻防の切り替えの滑らかさ、速さは明らかに従来の日本人ボクサーが持っていなかったパーツだ。
そして4Rのダウンを奪った連打。あからさまなチャンスにガッツくことなく冷静に、しかも効率的なコンビネーションを打っていったのは鮮やかだった。
ただ、見切りで避けようとするからか、たまにディアスの左フックを食らったり、時には腰が落ちかけたのはヒヤリとさせられた。
日本で単独で世界戦を開催しようとしてもテレビが・・・とか面倒なこと言われるならアラムに呼ばれるままに海外で防衛戦ロードを築いた方がいいんじゃないかと思う。
世界王者の価値とは何か?
それを持ってることで尊厳と名誉と冨がどれだけ得られるかだと思う。
8階級、1団体の時代では挑むこと自体が名誉だったが、今は違う。
ベルトの数が水増しされてるのだから時代で比較するとベルトを獲っただけではダメだし、明らかにそのままでは価値は落ちてる。
ではどうするか?と考えるとベルトの保持者次第ではないかと思います。
誰とどんな試合をしたのか?が問われるのは当然として今はそこに付加価値が求められる。そう考えると海外で存在感を出すのも有りではないでしょうか。普通に野球やサッカーではそうしてるわけだし。
ラスベガスだけが海外でない。木村の様に中国で人気を博すも良し。伊藤みたいにフロリダで奪取して南側で戦っていくのもいいだろう。
日本のテレビやマスコミが冷たかったら見切りを早々に付けてやれ。
旧態依然とした視聴率主義に拘る必要も無い。
※メキシコのツチノコみたいに海外でやってもダメなケースもあります。