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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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こっちの亀は凄いぞ。

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最近は亀田昭雄の試合を良く見返してます。

「亀といえば亀海、亀田といえば昭雄」がモットーの当ブログですが、改めて当時の国内での亀田昭雄の突出度を感じましたね。

国内での中量級以上で一番、現在見た目で進化したのはスピードではないでしょうか。それも一元的なものでなく。

手の速さ、脚の速さ(フットワーク)、攻防の切り替え、コンビネーション、バランスの復元・・・重い階級になるほどモッサリとした展開が多かったのですが、近年はかなりテンポ・アップ、レベル・アップされた気がします。ま、そのモッサリした試合を観るのも味があっていいのですけどね(笑)。

これは日本人の平均体格が良くなってきたこと(身長だけでなく)と競技にあった身体の作り方の進化、進退操作の技術の進歩によって、いわゆる身体を持て余すということが少なくなってきたからではないかと推察します。野球等の他の競技でも選手の平均体格は大型化してますし。

少なくとも90年代まではSライト級以上は突発的に表れる個の才能に依存しないといけなかった状況に比べれば大きな進歩だと思います。

 

 

それで亀田昭雄ですが、70年代後半でこの距離感、スピードはヤバいと思わせたのが日本王座を獲得した辻本戦。

辻本も当時の国内中量級では突出した技量を兼ね備えてただけにプロ10戦にも満たない新鋭に完膚無きまでに叩き潰されるとは思ってもみなかったでしょう。私はこの試合は後追いですが、専門誌上で報じられてた以上の衝撃を受けました。しかし、大いなる可能性を感じさせながらもこれが亀田のベストバウトになってしまったのは残念。

天は亀田にボクシングの才能を授けたが、才能を高みで維持していくための気持ちまでは与えなかった。

生来の練習嫌いが祟り、後年は才能の残り香に頼った試合が目立ちましたが、それでも国内二階級制覇を成し遂げ、プライヤーからダウンを奪うのだからその才能の埋蔵量はむべなるかな。

一時はアルゲリョとの対戦も噂されてただけに、非常に惜しい。

日本IBFと関わったのも迷走を感じさせましたね。

 

後年はなかなか表に出てくる機会はありませんが、中量級で世界を狙える選手が以前と比べて増産されてきた現在だからこそ、亀田昭雄の稀有な才能と存在感を語り継いでいくべきかなと思います。

少なくとも後年、亀田と言ってあのイカサマ一家を思い浮かび上がらせる愚だけは避けねばならないでしょうね。


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