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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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8・30後楽園観戦記

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最低価格が6000円という強気な価格設定でしたが、行ってきました。

某興行の様に最低価格のチケットの当日販売が無かったらどうしようと思いましたが、大橋ジムはそんなことしませんでしたね・・・まぁ、当たり前の話ですけれども。

全7試合、うちインドネシア人絡みが4試合。それらには期待できないのでメインと裏メインともいえる井上従弟vs青木クリスチャーノで元を取るしかなかったのですが・・・

北側のテレビ映えする席は大橋ジム応援団もあり、満員。しかし、南側は寂しい限りの入り。東西も微妙な感じかな。

テレビ解説だろうけど川島郭志と具志堅が前座を見ながら仲良く歓談してたり、セレス会長の姿もありました。そしてジョーさんもいつもの位置に発見。

17:45に試合開始。18時には太陽と海さんと合流したのですが、このとき既に2試合目が終了。こんなマッチメイクじゃアマ出身の二人の実像がわからないよ。

3試合目の日本人対決でようやくボクシング会場にいることを実感。

そして翁長がインドネシアンに3RでKO勝ちして注目の井上従弟vs青木クリスチャーノです。

しかし、緊迫した展開で1R終了も何故かクリスチャーノが試合放棄。負傷などの棄権なら仕方ないけど、どこを負傷したのか観客へのアナウンスもロクにされず、それはないだろう。まあ、いろんな話を遅れて本日、聞いたけど、これが本当なら酷い話ですね。

注目の裏メインが尻切れに終わってガッカリです。

セミでは松本亮がインドネシアンにもつれた試合をしたけど、このまま世界とか言う前に久我とやってくれないかなあ。まさかと思うけど、久保隼とか小國vs岩佐の勝者狙いじゃないでしょうね。

せめてレイ・バルガスかジェシー・マグダレノに挑まないとダメだと思うけどなあ。ミニマム級とか完全に日本人、しかも特定のジムでたらい回しになってるので、他の階級までそれをやったら興ざめしますね。

そうならない様に一応、釘を刺しておこう。

不満たらたらの状態で迎えたメインですが、正直この試合だけで元を取った感じです。久高の試合に外れ無し。

井上弟はブランク明けではあるものの、上体が大きくなった印象。

やはり大きなパンチをハンド・スピードに乗せて打っていくので、KO勝ちが少ないことを気にして倒しに来てる様にも見える。

一方の久高は1Rこそ後手に回ったものの、2R以降に持ち味を発揮。柔軟な防御とタイミングのいいカウンターで拓真を攻め込み場内を湧かす。

しかし、悲しいかな、久高のボクシングは点で切り取ると防御もカウンターのタイミングも素晴らしいのだが、攻防分離気味でそれが線にならないのでポイントをゲットするまでには至らない。

随所でいい攻めを見せるものの、流れは拓真にあるとは感じました。

判定は3-0。個人的には3差で拓真かな。

去年の村中戦もいい試合で場内を湧かすし、久高は名勝負製造機ではあるものの、やはり一定レベルの相手に勝ちきるには何かが足りないのかも知れない。これは翁長にも感じることですが。

しかし、久高はこれだけの試合をしてカットまでしたのに11月に翁長と試合できるのでしょうか・・・ダメージが心配ですね。

試合後は太陽と海さんと更に某マニアの方と合流し、濃いお話をさせて頂きました。20:30には試合が終了して会場を後にしたのですが、気が付けば終電間近。また、お願いします。

 


久保vsローマン他雑感

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久保隼がダニエル・ローマンに敗れて王座陥落。

 

 

 

自分も含めてですが、久保に手厳しい論調が目立ちます。実質いいところ無しで完敗したわけですから、プロである以上はこれらの批判も受け止めて次への踏台にして欲しいものです。

しかし、問題は別のところにあるのではないか。

①久保がファンを納得させる過程を踏んでいないのに世界を獲ってしまったこと。

②防衛戦で結果を積み重ねて評価を上げねばならなかったのに負けてしまったこと。

この2点に尽きるでしょう。

久保はOPBFのSバンタム級王座を2度防衛こそしてるものの、国内で厚い層を誇る階級であるにも関わらず、実力測定可能な日本人と戦ってない。いきなりの穴王者、セルメニョへ挑むという幸運が世界王座を手繰り寄せてしまったわけです。

それならば防衛戦で評価を上げるしかないわけですが、ローマンになすすべなく完敗と来ては批判の声に抗うことが出来ませんでした。

せめて日本王者の久我や現OPBF王者の大竹、松本亮などと拳を交えていれば、もう少し何とかなったりしたのではないかと思います。

ある意味、ボクサーの真価は負けてからなので、これから世界を狙ううえでの筋金を入れていって欲しいものです。

 

あとは気になるのがミニマム級(WBO)のタライ回しですね。え

おかげで山中竜也の王座奪取も日本国限定世界王座にしか見えません。何だかなあ・・・

これは観戦仲間の太陽と海さんに指摘されたのですが、WBOのミニマム級王座は5代とも日本人が続いてるとのこと。

ロドリゲスJRが王座返上した後はこの様な経緯です。

高山vs大平のIBFとWBOの王座決定戦以来がこうですね。

①高山勝成(大平・原)

②田中恒成

③高山勝成(加納)

④福原辰也

⑤山中竜也

これではタライ回しじゃないですか。

現王者の山中は久保以上に信頼が置けないんですよね。

OPBFは決定戦で獲って、一度も防衛戦を行わずに返上ですし国内の強豪との対戦は・・・う~ん。

とりあえずカジェロス相手に福原以上の勝ち方を見せてくれないととは思います。間違ってもV1戦が日本王者の小西を持って来て欲しくないですね。まさかね?

すいません、山中と小西は同僚でしたね(汗)、一定のジムでタライ回しになる可能性があるので釘を刺しとこうと思います。

ご指摘感謝します。

 

 

 

 

 

井上尚弥は不人気なのか?

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井上尚弥の海外デビューが近づいてきました。

ロマゴンとの競演という話題もあり、海外メディアではことの他、注目されてるみたいですが、対照的に我が国ではその能力と反比例するかの様にイマイチ、注目を受けられてません。

先日の有明では客席はガラガラ、テレビ視聴率も低調。同じ会場で前日に行われた村田の世界戦とは比べるべくも無かったようです。

当初(2013年頃)はフジの2枚看板。まして、井上はTBSから引っこ抜いてきたわけですし。

一般層の注目と実力がここまで乖離してるのも不思議に思いますが、理由はいくつか考えられます。

①試合以外のパフォーマンスの欠如

※いわゆるビッグマウスでもなく、リング外の破天荒な振る舞いもなく、試合で魅せるべく、余計なことに労力を費やさない。

②そのため、キャラクターが見えにくい

※派手な言動も無く、父がトレーナーこそ務めてるものの、日本人視聴者が好むべたべたした家族愛は見えてこない。あくまでもプロとして自立した選手とトレーナーの関係であるが、テレビ的にはドラマ>競技なのだから、売り出しにくいのだろう。井上自身も優等生的でソツが無いし。

③そして軽量級で凄さ、強さが伝わらない

※今でこそSフライでSバンタムまで視野に入れてるらしいが、デビュー時はライトフライ。そのため、世間に対してのアイコンとしてはインパクトが薄かった。

 

こんな試合をやってるのにねえ・・・

 

 

①と②だから③なのだという事でしょうね。

日本のスポーツはいわゆる伝える側が競技に拘った方向で凄さを伝えられる筆致を持った人がほとんどいない。また、映像や言説等を持ってそれを視覚的・聴覚的に伝えられる力をメディアが有してない。だからこそ、いつまで経っても家族愛とか、負けられない理由があるとか、安っぽい三文ドラマの延長でしか表現できない。

これでは一般の人達のスポーツを見る目が養えないし、リテラシーが育たない。

キャラクターはリングの中の強さで感じるものだし、そうなれば必然的に軽量級でも強さ・凄さがわかります。

それを出来てない環境ではロマゴン戦をやらせたくはないな。

いっそ、アメリカで開催した方がいいのかも知れませんですね。

 

 

 

得たもの、失ったもの~井上、ロマゴン雑感

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ようやく井上の海外進出とロマゴンvsシーサケット2を観ました。

まず井上。一見、まずは無難に米国進出を飾った試合でありますが、今までの日本人が海外で試合をしたときと比べて違和感を感じました。何というか、日本人らしさを感じないというか。

 

 

テレビ画面で見た井上は普段、WOWOWエキサイトマッチで観てる海外のスター選手に交じっても何ら違和感無く溶け込んでました。これって実は凄いことじゃないですかね?

三浦はともかく、荒川や亀海等が海外で試合をするときには激闘型への転換を余儀なくされました。これは向こうのプロモーターやファンがそういう試合を彼らに望んだこともありますが、技巧だけでは遅れをとるから+αの部分を出す必要があったからとも思います。

従って海外では対戦相手と相対的に

①単発、強振型

②肉を切らせて骨を断つ式の戦い型

③ブロック中心の攻防分離型

が目立つ傾向がありました。これらも相手と互するうえでの戦略ではありますが、やはり、海外の一流どころと比べるとスムーズさに欠けるというかゴツゴツした印象は拭えない。そこがまた強みだったのでしょうが。これは西岡や粟生ですら感じたことです。

しかし、この日の井上にはそんな日本らしさは全く見えず、海外の選手と何ら遜色ない試合を見せている。もしかしたら井上以後の世代は軽量級からこの様に世界と差異の無い試合を見せれる選手が増えてくるかもしれない。そんな期待を抱かせました。

 

次いでロマゴン。シーサケットとの相性もあるかも知れないが、一番はやはりSフライは適正階級では無いなと。だからといってフライに戻せば海外でのビッグマッチは遠のくし、後戻りは出来なかったのかも。

この試合に限ってはシーサケットの勝利は称えられるものの、やはりシーサケットが勝った試合でなく、ロマゴンが負けた試合なんだよな。

だから、勝者よりも敗者の今後に皆が注目してる。

 

 

 

引退でなく現役続行であるならば、そしてSフライで戦い続けていくならば技巧派への転換を考えた方がいい。もともと接近戦での攻防のバランスがいいし、柔軟な上半身と粘り強い下半身があるのだから、打たせない試合も出来るはず。KOに拘らなければ。

クァドラス戦やシーサケットとの1戦目をもっとポイント・メイク重視に特化した試合が出来てれば、また違った評価が出てきたはず。

そしてロマゴンが復活するならば、83~89年のロベルト・デュランが参考になると思います。レナードにノ・マスで試合を投げ出し、ハーンズには戦慄のKO負けを喫したデュランがいかにして4階級制覇を成し遂げたのか。それはナチュラル・タイミングと称されたデュランの卓越した防御と当て勘の良さがあればこそ、そしてロマゴンにはそれはあると思う。

怪物の名前をロマゴンから継承されたことになる井上はどうするのか?Sフライへ留まるのか、それともバンタムに上げるのか。

どちらにしても二人の直接対決はもう無いのかも知れない。

 

 

 

9・13雑感

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岩佐がついに世界へ到達しましたね。

日本人からの奪取なので外国人相手の試合でどう対応するかは未知数なものの、デビュー時からその才能を観てきた者としては感慨深いです。

1.小國vs岩佐

 

小國のサウスポー対策が不十分だったのではないかとも言われてますが、あくまでもこのレベルでの対策ですよね。通常のサウスポー対策のセオリーに対する反セオリーも普通に確立してるでしょうから、単に裏のかきあい的な駆け引きでの右周りだったと思います。

小國もグスマンからダウンを奪ったボディをもう少し効果的に使えてれば、試合の展開も変わったのではないでしょうか。

それ以上に岩佐の動きにキレがあり、反応が良かったのではないのかなあ。

ただ、岩佐の防御は攻防一体で才能を感じさせるものの、相手の攻撃水域をすれすれで飛んでいく感じなので一瞬の判断ミスで取り返しの付かないダメージを負いそうで見ていてヒヤヒヤするんですよね。

日本人相手ならこの日の様な試合が出来れば問題ないですが、南米系やフィリピンの才能の塊みたいな選手とこういう試合をすると、岩佐自身のセンスが高いゆえの怖さも感じます。思い過ごしならいいですが。

和氣をけん制する意味合いからか、日本人は指名挑戦者にならない限り、挑戦を受けないとか。世界タイトルですからね。一部のジムにタライ回しさせたらいけませんのでこれは賛成。

 

2.田中vsパランポン

 

先日のシーサケットといい、タイ人は本当は強いんですと言いたい試合が続いてますね。いい事ですよ。

パランポン、日本では板垣とかに負けてますが、ムエタイでは二大殿堂を制してる剛の者でしたので強かったです。1Rのダウンはタイミングによるものでしたが、その後も左を軸に結構、いいパンチを集めてました。田中の顔面がボコボコになってたのを見て、負けるんじゃないかと思いましたよ。

ライトフライに階級を上げてからフェンテス、アコスタと強豪を危なげなく破ってるのですが、ミニマムのときのV1戦のビッグ・サルダール戦みたいにポカ的なダウンを喫することもあるので、井上兄と比べると安定感に欠けるところがある様に思います。

負傷の件もあるので田口戦は年内に拘らずともいいような。

やるならベストの状態でやってもらいたいです。

 

本来は興行枠もテレビ枠も井岡のために用意されたものだったかも知れませんが、別に井岡いなくてもいいんじゃね?と思わされる内容でした。遅すぎるメイン開始とか、くどい繰り返しリピートとかプチ不満はありましたが、この日の放送はTBSにしては珍しく真っ当なつくりで良かったのではないでしょうか。

以上、雑感でした。

 

ゴロフキンvsカネロ判定雑感

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ゴロフキンvsカネロの判定に関しての疑義が紛糾してます。

今回の結果そのものに関しては、概ね納得してる風潮がありますが、やはり8差でカネロ勝利としたジャッジへの不満が噴出してますね。

私的採点は115-113でゴロフキン。しかし、際どいラウンドもいくつかあったことを考えると2差でカネロ勝利というのも納得できる。

引き分けという裁定もアリだと思います。

 

今回、紛糾してるのは8差カネロというジャッジについてですが、その背景としてカネロの過去に関しての試合や動向に関して、過剰なプロテクト感を敏感に感じ取ってる人が多いということが影響してるのでしょう。

①エリスランディ・ララやオースティン・トラウト相手の際どい試合を制してきたこと。

②ゴロフキンとの対戦が自分の身体が出来上がるまでに1年の猶予を与えられたこと。

③ミドル級の王座を保持しながらキャッチ・ウェイトの試合が多いこと。

④またSウェルターの選手が対戦相手として多く、生粋のミドル級との対戦が少ないこと。

⑤加えて試合後の挑発的で不遜な発言(笑)。カネロらしいと言えばそうですが、王者が言う言葉で無いな。

カネロの今までの行いがファンのヒートを煽ってるとすれば、仕方ないところもありますが。

どのような想像を巡らせて、持論を張ろうとファンの自由ですが、自分が納得いかない判定が出るとすぐに買収だの不正だの言いだす輩とか、次につなげるために敢えてそうしたと業界裏話風の会話を好む連中は本当にボクシングが好きなのか疑問です。

8点差は確かに自分もちと理解できないですが、佐々木基樹氏がブログで大差でカネロという見解を述べてる様にまったく当てはまらないわけではない。むしろ、そうなった意見を拝聴し、自分の採点と照らし合わせて検証するのも楽しみの一つではないのか。

判定が複雑になったというが、昔からこの様な議論百出の試合はたくさんあるし、それを議論するのがボクシング・ファンの矜持でなかったか。個人的な考えとしてそういう事を考えるためのファンの体力が落ちてきている気がします。

試合が面白く、語るべきところが多い試合だけに買収・不正の持論だけで思考停止してしまってる人が多く、非常に勿体なく思います。

村田vsエンダム2もまた1戦目みたいな批評に支配される様な試合にならなければいいですね。

サウスポー・キラー~柴田国明を振り返る~

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先日、岩佐に敗れて世界王座を陥落した小國に対して、サウスポーに対する対策が足りなかったのではないか?と指摘する声がSNS上で少なからず呟かれてます。

単純に位置取りの問題やセオリーと真逆に右に回って、相手の左を真正面からもらうポジションが多かったことなどを捉えてのものですが、このレベルになるとセオリー通りの展開を打ち破る「カウンター」としてのセオリーも確立してるだろうし、我々ファンが考え付くことは当然、見越したうえでの戦略だったのではないかと思います。

何といっても世界戦ですし。

内藤もポンサクレックとの3戦目では敢えてセオリーと逆の右回りで展開を作って王座奪取にこぎつけましたね。MXの中継の解説を務めてた上原氏が何故、逆に行くのかとコメントしてましたが、従来のセオリーの上を行く発想でないと超えられない壁もあると思います。

 

しかし、今回は小國がそのレベルでの戦いをしていくうえでの準備不足と言われればその通りの結果になってしまったのも事実。ならば世界レベルで観客にも届く左対策をした試合はあったのかというとありました。

柴田国明vsビセンテ・サルディバルです。

 

この試合の柴田はまさにサウスポー・キラーのお手本のごとき試合でした。しかも相手はサルディバルですからねえ。

特に10~12Rの攻撃は圧巻。出すパンチ、出すパンチがことごとくサルディバルの顔面を捉えて顔面崩壊→棄権に陣営を追い込みました。

よく言われることですが

①相手の前足の外側を取る位置取り

②左を打たずにダイレクトの右を多用

特にジャブでなく、身体の振りやステップなどでリズムを刻んだり、するあたりは90年代ならともかく、あまりこの時代では類を見ない。

例えばいきなり、右アッパーで切り込んだり、左フックのボディ→顔面のダブルなどは当時の国内ではあまり見られなかったのではないかと思います。

 

他にサウスポー・キラー全開の試合としてはvsベン・ビラフロア第1戦が思い浮かびますね。

 

後年、嶋田雄大が荒川仁人に挑んだ際にはその左殺しの技巧を見染められて特別コーチに専念したこともありました。

秋の夜長にこういう昔の試合を見直してみるのもいいものです。

サウスポーではないですが、vs西城正三、vsファイティング原田の2試合が実現してたらどうなってたのかを考えると、ますます夜も眠れません。

またしてもネリ・・・

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ネリの薬物検査で追加検体であるB検体でも陽性反応が出ました。

まあ、簡単に言えば禁止薬物「クロ」ってことです。

当然、王座は剥奪。海外ではともかく、日本に来ることは無さそうです。

さて、問題は王座の行方。ネリから剥奪した世界王座の扱いですが、一度はTKO負けを宣告されてる山中にも辛いものがありますね。

 

①結果、無効試合→山中に王座差戻し。

②結果はそのままだがネリの王座剥奪→王座決定戦。

・山中が王座決定戦に出場→返り咲きでも防衛記録はリセット。

・別の選手同士で決定戦→勝者に山中が挑戦。

 

おそらく「やらかしてしまった」ネリを再度、日本に招聘することは無さそうなので、次があるにしても対戦相手は別の選手にならざるをえないでしょうね。果たしてモチベーションが継続できるのか?

そして防衛記録の継続の有無に関してはどうなるのか?

日本人選手が薬物違反の問題に巻き込まれたのは、粟生vsベルトラン以来の2例目ですが、加害者でないことがまだ救われます。最近、世界戦で増加傾向にある体重超過の問題も含めて、何とかならないものですかねえ。

※9月のUFC日本大会では体重超過した日本人選手を主催者側は一切の妥協をせずに出場させませんでした。これ位の毅然とした態度があってもいいと思ってます。

 

 

 


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ヘビー級という夢

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私がボクシング・ファンになって以来、生きてるうちには見れないだろうなという夢がいくつかありました。80年代にファンになったものからするとミドル級の世界王座奪取など夢のまた夢でしたし、五輪金メダル獲得なんてなおのこと。

しかし、これらはいずれも現実のものとなり、あとはウエルター級の世界王座獲得やパッキャオの様なスーパースターが我が国から現れることなども夢想してます。

そんななかで現実味に著しく欠けるのがヘビー級の世界王座獲得。

なんせ、日本ランクを定めるまでの人数すら確保できない状況です。

それでも見果てぬ夢に取りつかれてるのか、定期的に話題になる選手が出てくるのもこの階級ならではでありますね。

片岡昇が初代の日本王座に制定されたのは半世紀以上前のこと。

コング斉藤の様なアレな出来事もありましたが、90年代にはヨネクラや協栄がK1などとのタイアップも使ってヘビー級選手の育成に乗り出したこともありました。

しかし、これらは悉く頓挫しており、西島洋介山や今の藤本京太郎みたいな我が国レベルという但し書き付きでの突然変異に依存しなければならない状況がいまだに続いてます。

単純な話ですが

①そもそも日本人の平均体格から動ける重量級の育成は困難。

※筋量、骨格の違いや一定のサイズを超えた場合の身体能力の操作機能が遺伝子レベルで違うという話。

②稀にそういう逸材が輩出されても、才能は金と名誉がある分野に集中する。野球とか、サッカーとかね。つまり、そういう逸材を受け止めるだけの器が業界で用意できてない。

※プロ入り後の世界レベルでの育成という意味も含めて。

 

京太郎は日本→ヘビーと制してきて体格はクルーザーが適正位ではあるものの、久々に出てきた人材だと思います。しかし、世界ランカーを一人も相手にせずに世界王座にいきなり挑ませるのはどうなのか?

危険を感じずにはいれません。

パーカーに挑めるかどうかはともかく、期待と不安が去来します。

 

王者だから無冠戦も

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4団体に認可されて世界王座の価値が暴落してる昨今ですが、いくらアマ・キャリアがあるとはいえ、最短記録狙いで10戦にも満たない選手が何人も世界王者になると、これでいいのかな?と思います。

何というか、王座を獲得するまでの経緯が感情移入できないというか、薄っぺらい場合が多いのですよ。

新人王も日本王座も狙わず、東洋をフィリピンやタイ人と争って獲得し、4つある団体のうち、狙い目の王者に的を絞って挑みにいく。

しかも今はWBOアジア・パシフィックという第二東洋王座もあります。

こんなのでいいのかねぇ。しかも防衛戦も半年に1回がザラ。

これではせっかくの世界王者も名前も覚えてもらえないのでは。

 

さて、名前を覚えてもらうには単純に試合をするのが一番です。

世界戦が交渉に時間がかかるのなら、昔の選手みたいに合間にノン・タイトル戦を挟むのも一考ではないでしょうか。60~70年代の世界王者は普通に防衛戦の合間に試合をしていたし。(EX含む)

相手もノン・タイトルで王者を破って、本番の世界タイトルマッチの挑戦権を掴むということもあります。

ダド・マリノをハワイで破った白井義男やラウル・ロハスとの無冠戦で勝ってチャンスを掴んだ西城正三の例が有名です。

白井は無冠戦でレオ・エスピノサに負けており、後年にはエスピノサが挑戦するというパターンもありましたが・・・引き分け善戦のパスカル・ペレスの挑戦は白井王朝にピリオドを打ちました。

原田も海老原も藤も沼田もみんなが防衛戦の合間にコンスタントに試合をこなしてました。大場、柴田も然り。かの有名な大場政夫のロッキー・ガルシア戦はV1とV2の間に行われたものです。

しかし、残念ながら80年代以降はこの慣習は激減してしまいました。

具志堅用高がV5とV6の間に金莫童と試合したり、ユーリ・アルバチャコフがV4とV5の間に小林宏と戦った位ではないでしょうか。

なかなか難しいかもしれませんが、次の防衛戦まで間がある場合ならノン・タイトル戦でガンガンと腕を磨いてもらいたいものです。

 

 

 

 

OPBFからWBOアジアへ?

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最近、ちょっと気になる動きがあります。

WBOアジア・パシフィックが認可されて防衛戦が行われる様になったのですが、OPBFの防衛戦とかこつけて決定戦を行ったり、またOPBFの王座を返上してこちらだけ保持とか不自然な動向が目立ちます。

 

1.藤本京太郎の場合、1月にOPBFのヘビー級王座を獲得して5月に初防衛戦。ここにWBOアジアの決定戦も併用して行われました。

ま、京太郎の場合はヘビー級ですから世界的なアピールの意味合いでベルトは価値問わず持っていていいのかも知れないですね。

 

2.伊藤雅雪の場合、2016年大晦日にダブルタイトルマッチで勝利して両王座を統一。3度防衛したOPBF王座は今年は1度も防衛を行わずに返上。しかし、WBOアジアは現在も保持。鞍替え?

 

3.荒川仁人の場合、去年奪取した日本王座を1度だけ防衛して返上。そして12月にはWBOアジアを獲得してた。日本王座返上により、土屋修平戦は実現せず。そして、永遠の幻のカードになった。

土屋戦よりも重要だったのか?ファン垂涎のカードだったのに。

 

徐々にではあるが、しかし、確実にOPBFからの移行が進められてる気がするけど、気のせいだろうか。今年になって木村翔がゾウ・シミンから世界奪取したこともWBOアジア派からすると追い風になってるみたいだ。

OPBFも大概だが、階級によっては日本人の壁になってくれる選手もまだまだいるし、決定戦ばっかりで有難みが無いWBOアジアなんかよりは全然マシなんだがな。

現行体制の都合ばかりで進んでファンの事が考えられてない気がする。

 

行く人、来る人

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ここ最近、日本王座を巡る行動で不可解な事が目立つ。

最近、認可したアレなWBOの王者と違って、一番ファンの気持ちが入ってる日本王座の取り扱いが随分と雑だなあと感じます。

 

1.ライト級:西谷和宏(VADY)

せっかく奪取したのに返上してしまい、今だ試合が決まらない。

世界挑戦に備えての返上というが、この階級でそんなに簡単に世界なんて実現しないであろうと思うのだが。せめて1~2度防衛してからの方が良かったのではないか。

 

2.バンタム級:赤穂亮(横浜光)

せっかく獲得したのに1度防衛して返上。3度目の世界を目指すとのことだが、早々、チャンスが来るとは思えないのでタイ人相手にお茶を濁すのか?そんなのは赤穂らしくないと思うけどな。

 

3.Sフェザー級:尾川賢一

既に5度防衛したのだから、次へのステップで返上はアリだけども、世界「挑戦」でなく決定戦出場にはガッカリ。

勝つことの確立を高めるにはファーマーとの決定戦の方が確実なんだろうけども、ここはジムの先輩である三浦の仇討でベルチェルトに拘って欲しかったな。

防衛戦決まってからの返上は拳四朗がかなりSNS上でバッシングを浴びてただけに同じことはして欲しくなかったですね。そこは残念。

 

統括団体が4つ認可したからどこかには挑めると踏んでのことでしょうか。バンタムはまだしもSフェザーとかライトとかはどこの団体でも挑むのすら難しそうに思えます。あ、ライトはリナレス狙いなのか・・・それでもGBPがマネージメントしてるから国際的な評価が得られてないと挑戦なんか無理でしょう。

 

本来はキャリアのあるランカーと鎬を削って次世代の選手が絡んでくるべきだが、日本ユースやWBOアジアに挑んで好カードの実現が早くも阻まれてる気がします。

中谷や溜田、ユーリ阿久井等はユースに拘らずにもっと貪欲に上を食って欲しいものですよ。勅使河原も日本王座に挑んで欲しかったのですがねえ。

やはり、地域王座が3つも4つもあるのは害悪でしかない気がします。

 

珍しく改善点を論じてみる。

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業界に関する問題提起をよく聞きます。

勿論、昨日より今日、今日よりも明日が良くならなければならないわけですが、要は興行である以上は、どうすればもっと儲かるかということですね。これは興行主だけでなく、ボクサーやトレーナーも含めた業界人全体でということです。

簡単に言えば

①お客が観たい試合を組むこと

②お客が観たい会場にすること

なんですが、これが結構、難しい。わかってれば苦労しませんね。

 

①ですが、いわゆる好カードであることが第一で、そこにどのように付加価値(権威、意味合い、注目)を持たせるか。タイトルマッチという形も付加価値ではありますが、装飾だけ立派で中身がスカスカならすぐに見透かされます。カマセ相手なんて論外。

世間を巻き込む位の付加価値を伴ってるカードが理想ですが、それを組むには下ごしらえを何年もかけていく必要があります。勿論、インスタントだとダメですよ。

タイトルをたくさん作ればいいってことでは無いと思います。

それによって好取組が潰れてしまってるのが問題です。

 

②に関しては、身近なところでは会場の雰囲気作りとか、進行の問題でしょうね。長すぎる休憩、見えにくい座席、移動し放題で注意されない指定席の状況とかね。テレビ局やマスコミがバルコニーを占拠するなんて論外。あとは多少の野次は風物詩だけど、例の野次男は永久出禁にしないと他のお客さんにも迷惑ですね。何よりも雰囲気壊すし。

 

テレビ中継がついたり、雑誌やメディアに取り上げられたり、チケットの手売りが減少したりとかはすぐには無理でしょうけど、然るべき立場の人達に頑張ってもらいましょう。亀田家とべったりだったあの方もせっかく復帰したのだから手腕を発揮してくださいね~。

 

ここで一般客を取り込むことに注力するあまり、注意すべきこととして

①会場の選別を間違ってはいけない。

※音楽ライブに徹してる会場を上げる人が多いけど、それダメだと思います。まず、都心から通いやすく、段差があって見やすいこと。

後楽園ホールが一番いいじゃん・・・

オール・スタンディングとかのノリは一過性だと思いますよ。格闘競技を観に来る人はそんなの求めてないし、それを好きな人を取り込んでも大したパイにはならないです。

MMAのヤマケンが行ってたクラブ・ファイトや魔娑斗がK1参戦前に行ってたウルフ・レボリューションとかは長続きしなかったし、結局は後楽園やディファに戻ってきましたから。そこに集まってくる人のパイを増やすことが現実的ではないでしょうか。

 

②会場の雰囲気作りを間違ってはいけない。

※休憩中にトランスだかロックだか、その系列の音楽をガンガン鳴らして隣の同行者と会話も出来ないとかね。フジ興行は暗くてパンフも読めないのはいかがなものか。

休憩中にアーティストのライブ等は論外、大概滑るから、お互い不幸。

 

③結局、すぐに出来ることは

自分らは一ファンなので一般客を取り込むことよりも自分が居心地がいい空間を提供して欲しいんですよね。だから観たいカード、観たい興行に金と時間をかけて観に行くしかないわけです。

初めて見に来た人が試合を面白がってくれて、興味を持ってくれればそれは嬉しいですが、それを考えるのはあくまでも業界の方ですからね。ただ、一人のファンが気持ちよく観戦できる環境を整えることが、より多くの人を取り込むことが出来ると思ってます。

 

ウチはどこかみたいに業界人ヅラして正義(笑)を振りかざすブログではないので、一観客の視点で考えてみました。(本当の業界人が言うにはいいと思います。)

まあ、本音を言えば、観に行きたくなる雰囲気づくりよりも、観に行きたくなるカードを組んでくれということに尽きるんですが。

 

 

 

10・22両国雑感

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残念ながら仕事の都合で会場に足を運ぶことは出来なかったのですが、帰宅後にテレビ観戦。やはり拳四朗の試合は後日か・・・

※11月4日23:00~BSフジで放映だそうです。

 
さて、試合についての雑感を。

 

 

まず比嘉vsマソン。比嘉は良くも悪くも荒々しい。最初から最後までトップギアに入れたまま、押し切ってしまうスタミナとフィジカルが彼の最大の長所だが、反面、アマ経験豊富な欧州の選手にはアウト・ボックスされてしまうのではないかという不安もあった。
しかし、この試合に関してはその不安は杞憂にしか過ぎなかったね。
アッパーを5連打、6連打してもはバランスを崩さずに力強く打てる身体の強さ、バランスの良さはなるほど、ちょっと日本人離れしてるかも。
ガードを固めるマソンに隙間を縫うようなパンチを打ったり、強弱を付けたりとパンチャーとしての技術も垣間見えた。
7Rで試合がストップされ、これで14連続KO勝ちだが、あきべぇや別府のときの様な目で見られないのは日本タイと新記録更新も世界戦という舞台で連続KO記録更新を挑戦するからなのか。
井岡戦は正直、どうでもいい。調子がいいときのブライアン・ビロリアみたいな名も実もある相手とやって欲しい。
 
次いでエンダムvs村田2
 

 

選挙速報が消えない画面はムカついたが(笑)。
前回と違うのは村田が勝つことよりも倒すことを意識した様な試合を見せたこと。エンダムが打ち合いを挑んできたこともあり、村田自身も打たれるリスクが増していた。だから最初の2Rは獲られたと思うが、3R以降のペースを握るうえでの大事な選択をしたと思う。
そして、終始、前に出続けて圧力をかける姿勢を崩さずに攻めていく姿勢が勝負の趨勢を決めた気がする。村田もボクシングに幅があるタイプではないので、自分の得意なスタイルに磨きをかけて押し通していくしかない。今回はそれが奏功した。
7R終了時のエンダムの棄権による王座奪取。
確かに現状のミドル級戦線でAクラスにいるとは言えないが、日本人ミドル級でエンダムに勝てる選手が出てきたことは素直に喜びたい。
これから階段を上っていけばいいだろう。
 
この日の2試合を観て思ったのは、村田にしろ比嘉にしろ、
①スピードやタイミング重視の切れるパンチでなく、力でねじ伏せるドスン系のパンチであること。
②その長所を生かすために先手を取る必要があること。
③序盤からハイテンポで飛ばしてもフル・ラウンド、動きが落ちないフィジカルの強さ、スタミナ等があること。
パワーやスタミナ、フィジカルに特化したスタイルが世界戦で通用するレベルの選手が出てきたということでしょうか。そして、それはかってのマス大山が著書で述べてたことを想起させます。
「技は力の中にあり」と。
 

 


「プロとして」村田諒太は竹原慎二を超えたのか?

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村田のミドル級での世界王座獲得は世間的にも大きな話題になりました。五輪金メダリストからのプロでの世界王座獲得、しかもミドル級での戴冠という実績は確かに賞賛されるに値する。

しかし・・・概してひねくれもののマニアは村田に「それ以上」を要求する。仕方ない話ではあるが、やはり同じ階級で世界王者を名乗りながらも村田より強い選手があちこちにいるのだから、彼らに勝たない限りはいろいろ言われ続けるだろう。

それだけ期待値が高いということで納得してもらいたいものだけど。

 

 

SNS上では他の団体の現役王者との比較が喧しいが、さすがに今の時点でゴロフキンやカネロを求めるのは酷すぎる。ソンダースやレミューが相手でも不安が残るし、ジェイコブスに到達することが出来るかもわからない。

むしろ段階的に村田を評価するとしたら、その物差しはもう一人のミドル級世界王者である竹原慎二ではないか。

ボクサーとしての強さ、上手さでは五輪も制した村田が勝るかもしれない。しかし、いわゆるプロの部分、その時代の観客を引き付けた感動の総量としては村田は竹原に及ばないと思う。

 

五輪金からプロ入りした村田はキャリアを積むうえで飛び級が許される。しかし、エンダム戦を実現する前に敗北が脳裏を掠める様な相手との戦いで試されたことがあったのか。

デビュー戦の柴田、そして本来なら2戦目で湯場、3戦目で石田という話だったということだが、2戦目以降に外人路線へすり替わってしまったのは残念。

対して、竹原はアマ経験が無かったこともあり、新人王→日本→東洋と段階を踏んでの挑戦。昔も今も世界的に層が薄い国内重量級の中でも、その時々の自身の実力に見合った相手を確実に破って上がってきた姿勢こそが当時のファンの心を掴んだところもあったはず。

そしてカストロからの王座奪取劇。今でこそカストロは腹ボテだったとか、いくつかのエクスキューズこそあるものの、当時の予想は絶対不利だった。その証拠にデビューから直前まで竹原の試合を放映してきたTBSがこの試合を放映せず、何故かテレビ東京の深夜枠での放映でした。

 

 

村田はエンダムとの1戦目から戴冠ありきで試合が組まれたのと対照的に竹原は絶対不利、王座奪取など考えもつかなかった。

村田に足りないのはこの部分ではないのか。勝ち続ける可能性を追求していくことも大事だし、ミドル級が簡単な階級でないことは誰もが知ってるが、久々に表れた世間へのアイコン足りえる存在だけに、実績重視なだけでなく、プロとして観客の思いや夢を背負っていけるボクサーにこそなって欲しいと思う。

 

 

 

日本にマクレガーは必要か

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いろんな意味で注目されたフロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーの異種格闘家対決in ボクシング。

このイベントの成功で海の向こうではマクレガーがマリナッジとの対戦を画策したり、ガブリエル・ゴンザガが4回戦で戦ったりしてます。

ま、バックボーンが何であれ、片手間でなく順序立てて挑んでくるならいいのではないかと思います。そんなに甘くないだろうし。

 

さて、我が国のボクシング界。異種格闘技からの参入としては元K1ファイターの藤本京太郎がいますが、問題なのはかの階級に人材がいないことです。石田が引退したら国内では誰もいないからオセアニア圏から外人を呼ぶしかないわけだし。

そもそも国内ヘビー級はまだ未開拓なので異種格闘家もその気になれば参入できる余地があり、それは昔から変わってません。

この様な状況に風穴を開けるべく、過去に何度か行動を起こしたことはありましたが、いずれも志半ばに終わってしまいました。

例えば、古くは片岡昇やコング斉藤などを輩出して国内を盛り上げようとしたり、90年代の西島洋介(山)の出現とヨネクラや協栄などがK1とのタイアップによるヘビー級選手育成に乗り出したりとか。

しかし、当時も今もまったくのゼロからヘビー級選手を育てるノウハウは我が国ではありません。

そこで、もう一つの手としては藤本の様に現役の異業種選手の本格参戦はどうかなとも思います。ヘビー級ではないものの、三浦広光の例もありますし。

K1のヘビー級でも過去の佐竹や武蔵に相当するポジションの選手はあまりいないし、どこか環境を整えて受け入れてくれれば、また新しい可能性が出てくるのではないかなぁとボンヤリと考えます。

コナー・マクレガーみたいなケースは賛同しないけど、ボクシングという競技のルールに沿って、順序だてて上がってくる意思を持ってる選手なら異種競技からの参入も大いにして欲しいところです。

 

 

 

山中vsネリの再戦を考える。

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山中の現役復帰が発表され、帝拳ジムからはネリとの再戦が具体的に交渉に入ってることが示唆されてます。通常ならば、純粋にボクシングの試合で楽しみにすべきことなのですが、釈然としない部分がありますね。

言うまでもなく、ネリの薬物検査の結果を受けての再戦。

当初はタオル投入のタイミングを巡っての議論があり、これだけで済むのならば再戦で完全決着を!というのは普通にある話です。しかし、試合後のドーピングでクロ判定された選手がシレっと再戦で来日してファイトマネーを稼げる機会を作るのもいかがなものなのか。これは体重超過で王座を剥奪された人達にも言えるのですが、観客に夢を与える仕事としては完全に失格ですね。

「二度と来るな!」

ということです。この再戦はやって欲しくないし、仮に今回のネリが薬物抜きで山中に勝ったとしても2017年8月12日に京都のリングに上がった山中とは違うわけですから、それで償えるかといえば別の話でしょう。

山中が復帰して試合すべき相手は他にもたくさんいます。

同階級ではゾラニ・テテもいればライアン・バーネットもいるし、階級合わせれば井上尚弥だっています。岩佐だって世界王者になったわけだし、タイミングがあえば再戦は大きなドラマになります。

どうしても山中vsネリ2を実現するのであれば、前戦は無効試合扱いで王座決定戦にすべきだし、厳重なドーピング検査を義務付けることは必須。

ただ、SNS上を見るとボクシング・ファンを大きく刺激するカードではあるので実現した段階で帝拳が大きく信用を失墜する可能性は高いと思います。それこそ終わりの始まりどころか、いきなり終わりになることも考えられるのではないですかね。

「もどかしさ」ゆえ。

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ボクシングは才能やセンス等、先天的なものが占める割合が大きいスポーツだと思います。一瞬の判断の差が勝敗を分ける残酷さ、その瞬間でしか表現しきれない儚さ、切なさが詰まってる競技です。

溢れんばかりの才能を如何なく発揮して昇りつめていく選手の試合は素晴らしい。

しかし、豊かな才能を生かしきれないでもがいてる選手もいる。こんなはずではなかったという思いが募りながらも、追い続けてしまう。そんなボクサーが忘れられず印象的だったりします。

キャリアも後半に差し掛かりながらも、もがき続ける男たち。

 

1.翁長吾央(大橋)

 

その才能は誰も認めてたのに、何故かベルトに縁が無い。

左右どちらでも決定力があり、防御感もよく、何よりもセンスがいい。

王座挑戦の機会は何度かあった。2010年の中広負傷に伴う日本Sフライ級の暫定王座決定戦ではようやくベルトを腰に巻くかと思われたが、佐藤洋太にTKO負け。

2011年の最強後楽園決勝で負傷引き分けになった帝里木下と翌年に空位の王座決定戦を行うも1-2ながら完敗。

そしてベテランと呼ばれて久しい年齢に差し掛かった頃に地元、沖縄で東洋王者のレネ・ダッゲルに挑むも0-3で完敗。

デビュー時は日本・東洋獲得は当たり前で世界へと謳っても誰も疑わないだけの試合を見せてきたのだが、この様な紆余曲折のキャリアを誰が想像しただろうか。

 

2.久高寛之(仲里)

 

マスクはいい、センスはある。試合もカウンター・パンチャーながら激闘も厭わないので面白い。しかし、タイで獲得したシルバー王座以外のベルトとは縁が無い。

日本王座に関しては2007年にヨシケンと暫定王座決定戦を行ってるものの、それ以降は挑戦の記載はない。しかし、強敵相手のマッチメイクが評価されてか国内外で4度の世界挑戦に恵まれてるのだから、そういう意味では不運とは言い切れないだろう。

しかし、相手の出方を見過ぎてしまうのか勝ちきれない部分がある。

粉川、村中、井上弟、マーク・ジョンヤップとの試合はいずれも激闘で面白いが全部、負けてる。何かが足りないのだろうが、それを見つけるために戦い続けてるのかもしれない。

 

3.木村隼人(ワタナベ)

 

海外デビューとアジア圏を席券した紆余曲折のキャリア。

強敵相手の強気なマッチメイクはその心意気こそ歓迎されたものの、攻撃に気がはやり過ぎるのか打たせる試合が多く、一時期はそのダメージの蓄積も心配された。

ハンド・スピードもあり、動きに切れもある。しかし、時には打ち急ぎ過ぎるのか、やや間合いが乱れて試合が汚くなる傾向がある。

ジム移籍後にA級トーナメントこそ制したものの、2015年4月の日本王者、石田への挑戦、2016年10月の中川健太との王座決定戦ではいずれも0-2、1-2であと一歩が勝ちきれない。

今年7月の東洋王者、レネ・ダッゲルへの挑戦も0-3敗退。

ワタナベジム移籍後はチャンスにも恵まれてるが、それをモノにするには何かが足りないのかもしれない。

 

※上記3名はセンスは一枚抜きんでてるし、キャリアも技術もあるのですが、今一つ突き抜けられない「もどかしさ」を感じる選手たちです。

このまま、才能を感じさせたまま終わってしまうのか、それとも・・・

 

今をブレない・・・ではダメだろう。

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井岡の周辺が騒がしいです。所属ジム会長である父との不仲、父のスキャンダル。それらが発展しての今回の引退騒動。

もとからの問題を考えると、一翔(以下、井岡)が不憫のも思えてきますが、国内ジム移籍はとてもやらせてくれる雰囲気ではありません。

とするとどうなりますかね。

①引退・・・はダメージも少ないし、様々な事柄でモチベーションが保てなくなってしまえば十分、ありえる話です。

 

②現役続行

・国内ならば親父と和解して出直すか、別のジムに移籍ですが、これは簡単に行きそうもないですねぇ。叔父の弘樹氏が手を差し伸べられればいいのですが。

・海外、特に米国ならばフライ級で国内しか防衛して来なかった選手はおよびでないので、かっての高山みたいに自分から場所も相手も問わず、戦っていくことです。

ただ、チャンスを掴むにはインパクトを残すことが求められるので、石田vsカークランドや高山vsレフェレみたいな試合がそれなりの相手と出来るかが問題です。

ロマゴンやシーサケット、クァドラス、井上尚などの参戦によってSフライは今後も盛り上がっていく可能性はあるものの、フライ級で米国に需要があるのかを考えると難しい。ましてミニマムから上げてきた身体はこれ以上は無理だろうし。

 

仮に現役続行したとしても今までの路線を継続するならば意味が無い。ロマゴンとは今更やってくれとは言わないが、せめてCの王者たる比嘉の気持ちに応えてくれてもいいのではないか。

ミニマムの頃は八重樫と二つ返事で対戦に合意し、フライでもレベコと2度戦ってるではないか。この事件が転機になってボクサー井岡にも気持ちの変化が出てくると嬉しいのですが。

 

 

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