井上vsフルトンが延期になりました。
井上の怪我が原因なわけですが、ここは大事を取って仕切り直しというジム側の意向に賛成です。せっかくのビッグマッチなのでお互いにベストの状態で戦って欲しいですね。延期を受け入れてくれたフルトンにも感謝です。
さて、一階級に4つもある世界王座が統一路線を進むことによって指名試合がおろそかになる・・・ということがファンの間でも賛否があります。ランキングとは厳密にいうとその階級の強弱を争うというよりも、王座への挑戦の優先順位を表すものでもあるので、やはり1位の選手が挑戦の権利をないがしろにされることは気分が良くないことは想像に難くないです。
ただ、概ねのファンの希望は王座統一>指名戦履行ではないかと思います。世界王座が乱立してる時代にはいつも統一王者の出現が待たれるわけで、それはWBCがWBAから分裂したときから変わりません。問題はその過程なんでしょうけどね。
指名戦の履行はメリットとしては王座の正当性の立証、なるべく多くの選手にチャンスが与えられたりします。反面、指名試合がビッグマッチになるとは限らず、経済的に王者はリスクを背負わねばならないこともあります。
直近の日本人としては井岡一翔が6度の防衛戦中、4度が指名試合だったはず。それでも会場規模は大田区総合体育館から抜け切れず、コロナの影響はあったにしろ、満員とはいかない会場での試合を強いられました。
フランコとの統一戦は実らなかったけど、寺地ですら統一路線に舵を取ってる以上、自分もそっち側に行きたいと思うのも当然かと。ましてや次が中谷潤人とまたWBOから指名戦をオーダーされれば、そりゃ王座も返上しますね。本当にやりたいのはエストラーダでしょうから。
井上に関してはどうか。統一路線を進めると1位との対戦がおろそかになる点は否めない。しかし、一般的には他団体王者>1位挑戦者と認識されてるだろうから、指名戦を行わなくても王者のイメージは損ねてない現実もある。
問題は4つまとめた後に統一王者として、ある程度防衛戦を行っていくのか、または今回のバンタムみたいにまとめた段階で「あがり」として全部返上して次に託すのか。
一般的な王者ならば規定に沿った指名戦をクリアしていくべきだろうが、ある程度その階級で突出した存在になってきたら、統一戦路線にシフトするのもアリだと思う。
プロ・ボクシングはリング内外でルールに沿った運営を行う競技であるが、反面、観客の木戸銭やテレビ等の媒体の放映権料によって経済的に成り立つ職業でもある。どちらか一方に偏ってもダメになると思う。もっと柔軟に、しかし、もっと厳格に多角的な視点から観て行けばもっとこの競技は面白く観れるのではないか。