WBCといえば、まず世界王座統括団体を連想してましたが、さすがに朝から晩まで、試合の無い日まで民放で過剰報道されてしまうと、ワールド・ベースボール・クラシックが頭の中に入り込んできます。
日本人は昔からとかく野球が好きで、昭和の世代は特に小さい頃には草野球や三角ベース程度はしてたことがありますから、普段は野球興味無いそうでもWBCの結果を追っていくこと位はしてしまいますね。一般会話の材料ともなりますし。
さて、朧気ながらWBCの報道を観てると大谷翔平の露出度が半端無いのですが、彼の昔と比べての肉体の厚みの違いは驚きます。いかにフィジカルがメジャースポーツで大事なのかを思い知らされます。秀でた技術も肉体がついてこなければ使いこなせないわけで、まさにマス大山いう所の「技は力にあり」です。
対して、わがボクシング業界はどうか。
体重制競技という括りがある中でウェート・トレーニングを落としこんでいくのは塩梅が難しそうですが、井上尚弥のバンプアップされた身体を見ると世界標準では必須と思います。
特に中量級以上の日本人は世界レベルで決定力が出せる選手が今まで少なかった気がします。国内で比較的強打者だった選手が海外では凡庸なパンチャーでしかなくなるという例は結構、多い。
軽量級であれば、かっての西岡や最近の井上尚弥の例もあるが、ライト級以上となるとちょっと苦しいか。
小原、亀海、井上岳、岡田・・・最近では彼らがライト級以上の牙城に必死に食らい付こうとしたが、悉く跳ね返されてしまい、やはり世界との差は痛切に感じる。
平岡アンディはまだわからない。独特のタイミングでバッサリと切り落とすパンチを有してる様にも見えるので今後の推移を見守っていきたいが、Sライト以上とかになるとなあ・・・
ライト級以上の階級で日本人が対世界で感じるのは
①スピードの差
※単純な脚や身体、ハンドスピードだけでなく、攻防の切り替えや連携の繋ぎなど、いろんな種類でのスピードの差。
②パワーの差
※揉み合いでの体力差、パンチの決定力の差、腕力や体幹等からくる出力の差と言うべきか。
そして試合後半になったときのスタミナや打たれたときのリカバーの能力等がやはり世界レベルになる程、乖離を感じる。
軽量級では世界をリードする位の人材を要する様になってはいるが、中量級以上になるとまだまだ厳しさを感じる。
願わくば井上尚弥の如き存在がライト級以上で出てくれば本当の意味での世界や世間を相手に出来ることになるのではないかと思うのだけども。
軽量級はスパイスにはなるけど、より大きな市場を相手にするには中量級以上でなければダメだろう。
漫画みたいなプレーを連発して日本を湧かす大谷翔平を観て、日本のボクシングからこういう存在が出てくるのはいつになるだろうかと思った。