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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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ヤンキー文化とボクシング

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その昔、ボクシングは不良と切っても切れないものだった。

複雑な家庭環境で育ち、荒んだ少年期を過ごした青年が拳一つで成り上がる。昔からボクシングを題材にした映画や漫画等で良く見られる手法だし、現代でも実際に同じ境遇でデビューした選手も多い。

拳で殴り合うということを原点に持つだけに暴力や反社会的なものとの親和性が高いのは事実だ。これは他の格闘競技も同様だろう。それだけに業界はその立ち振る舞いや周辺に自浄作用が働かなければならない。

反面、高校や大学でアマを経験してきた選手はエリートと称される。一昔前はプロとアマの断裂も深く、所謂トップアマがなかなかプロの世界に入ってこない弊害もあった。そのため一時期のプロは叩き上げが多く、アマ出身者を目の仇にしてた時代もあったりする。

加えて現代はどうか。高校でアマ経験があるのは当たり前、U15やUJ大会が発足以降はプローアマの溝も埋まってきて、良好な関係を築きつつある。そうなると、いわゆる叩き上げの選手にとっては厳しい時代になってきたとも言えるのだろうか。

キックやフルコン、MMA等も子供の頃から親しめる環境が整ってきてるので昔ほど喧嘩に明け暮れて・・・というエネルギーを持て余した人でもどこかしらで発散、昇華出来る様にはなってるのだろう。

Breaking Downや地下格等も含めると受け皿は千差万別だが、今の不良は総合格闘技的なものにより興味を持ってる気がする。

ボクシング程、規則が厳密ではなく、身体にタトゥーが入っていても受け入れられる度量がある業界なわけで。

そうすると以前、国内では刺青禁止にしてるボクシングとの接点は少なくなってくるのもむべなるかな。

これからのボクサーはよりアスリート然とした選手が増えてくるのだろう。野球やサッカー程でないにしろ幼少時からキッチリとやらないと付いていけなくなるレベルになるのかも知れない。

ただ、一昔前にあった成り上がりのサクセス・ストーリーが入り込む余地だけは残しておいて欲しいなと思う。

 

 


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