RIZINでフロイド・メイウェザーvs朝倉未来が決定しました。
スタンスとしてはまたガチとスパーの中間の曖昧なもので行うことになるわけですが、形は違えども他ジャンルがボクシングを利用して自分のところの権威を高めたり、実利を上げたりする手法は昔からあるので、「あぁ・・・またか」というのが正直な感想です。
MMAもRIZINも好きですからPPV買ってしまうでしょうしね。人間だもの。
さて、他ジャンルはいかにボクシングを利用してきたのか。
1.プロレス
興行という括りで見ればプロレスとボクシングは仲の悪い異母兄弟みたいなものです。デンプシーがプロレスのレフェリーをしてたり、タイソンやメイウェザーがWWEのリングに上がってストーリーに参加したりという微笑ましい光景もあります。
問題なのは異種格闘技戦でしょうか。
田村vsマシュー・サー・モハメッドみたいにシュートでやるケースもあれば、高田vsバービックやビリー・スコットvsジェームス・ワーリングみたいな騙し討ちもあります。猪木vsアリは言わずもがな。
ただ、ルールも何も違ってくるわけでこの手の試合はガチであっても時代の仇花程度の価値しかありません。
あとは格闘技戦という形をとってプロレスの枠で試合を組むこともありますね。この場合は相手をするプロレスラーの力量によって緊張感があるものもあれば、無様な田舎劇に堕したものもあります。
大概は負け役としての役割を全うさせられることになるわけですが。
2.キックボクシング、K1
昭和の時代から平成までキック系の団体はボクサーの社会的なネームバリューを欲してきました。攻撃手段でパンチという共通項があるだけに何かと比較されるものですが、まったく違う競技であることはご存知の通り。
昭和の時代では藤原敏男が西城正三を、島三男が金沢和良を破ってキックボクシングの評価を高めんとするマッチメイクがありました。
ただ、他に引退したボクサーがそれなりに健闘してることもあるので別のものではあるけど、地続きになってたのではないかと思います。
時代が平成になると特に魔裟斗(K1側)のボクサー狩りが始まります。
徹底したローキック攻めで相手に攻めさせずに勝利を収める手法は確かにルール内ではあるものの、何か割り切れないものを感じましたね。
そんな中でもSBで日本王者に昇りつめた鈴木悟や重量級のGPでバンナを破ったりしたフランソワ・ボタの様なケースもありました。
令和の時代になると武居、鈴木、左右田みたいな実績のあるキックボクサーやK1ファイターがボクシングに転向してきて活躍してますし、天心もそのうちやって来ます。
以前の様にギスギスした関係で無くなってきたのは嬉しい限りです。
3.MMA
ジェームズ・トニーのUFC挑戦、いきなりクートゥアーが相手というアレもありましたが、基本、MMAファイターが有名ボクサーと戦いならばボクシングでやらねばならないわけです。
コナー・マクレガーはメイウェザーと試合したのはボクシングでした。
今、流行りのエキシビションでお茶を濁さずにあくまでも公式戦。
それは飛び道具ではあったものの、より大怪我をする確率が高い公式な試合に飛び込んだマクレガーは勇敢でした。
負けても記録に残らず、ガチでいくか、スパーで済ますか曖昧としたエキシビションなんかでお茶を濁す日本人とは全然違ってますね。
那須川天心はメイウェザーと戦って、確かに名前を挙げたのかも知れない。しかし、アメリカでの認識はメイ曰く「ピザ・ボーイ」。
朝倉未来は来年からアメリカでの活動を視野に入れてるので名前を売る必要があるというが、それならMMAで売って欲しいと思うのだが。
人は霞を食って生きてはいけない。しかし、パンを得るための手段が使い古されたサーカスと言うのはあまりにも悲しい。