まだ年越しと言うには早すぎますが、とりあえず2021年の海外のアワードを。コロナ禍の影響を受けまくった昨年、そして今年は海外はパンデミックこそ収まってないものの万単位の観客を動員してしまってるのですから驚きです。日本が慎重に過ぎるのか、海外が楽天過ぎるのか?村田vsGGGや井岡vsアンカハスがNGになった我が国としては羨ましい限りです。
1,最優秀選手:オレクサンドル・ウシク
※一般的には今年3試合行って、うちソンダースとプラントを破ってSミドル級を統一したカネロか、ワイルダーをスリリングな戦いの末に連破したフューリーかもしれないですが、個人的なインパクトはジョシュアを破ってヘビー級を制したウシクがNo.1。
今年はジョシュア戦一試合のみですが、その技巧はヘビー級でも十分に通用すると知らしめた。次はフューリーと対戦か?
ちなみにワーストはカシメロとバルデスがツー・トップ(笑)
2,年間最高試合:タイソン・フューリーvsデオンテイ・ワイルダー3
※回を重ねるごとに試合がエキサイティングなものになっていくトリロジー。2戦目同様に試合のペースを握ってたのはフューリーだが、ワイルダーが意地でダウンを奪い試合をよりスリリングなものにしてくれました。これぞボクシング!
日本人としては中谷正義vsワシル・ロマチェンコや中谷潤人vsアンヘル・アコスタ等も印象に残りましたね。尾川は・・・保留。
ワーストはカシメロvsリゴンドーでしょうか。「手を出せ!」と脳内でガッツが叫んでます(笑)
3.技能賞:ワシル・ロマチェンコ
※中谷相手の再起戦ではやや堅さも感じられましたが、コミー戦では相手を思いやる余裕まで見せての完勝。特に近い距離で一気に死角に回り込むステップワークや相手のガードの綻びを突くような多彩な角度からの攻撃、空間把握能力の高さは他の追随を許さない。
何故、ロペスに負けてしまったのか不思議な位。
4.敢闘賞:ノニト・ドネア
※ドネアが凄いのは一旦、フェザーまで階級を上げてからバンタムに戻しても以前と比べても変わらないパフォーマンスを見せるところでしょうか。しかもスピードと精緻なコンディショニングが求められる軽量級において。いまだに変わらないモチベーションを保っているのは凄いですね。
ウーバリやガバリョをKOした試合を見せられると井上との再戦に期待も膨らみますが、どちらかに土が付くのも勿体無い話です。
5.殊勲賞:ジョージ・カンポソス
※まさかロマチェンコを破って一躍、PFP戦線に乗り込んできたテオフィモ・ロペスを食ってしまうとは・・・この試合がアップ・セット・オブ・ジ・イヤーかなあ。次点はバルデスに実質勝ってたコンセイソン。
6.KO賞:エドガー・ベルランガ
※16連続1RKO勝ちとは、バレロやロマゴン、古くはムニョスに感じた怪物ぶりを見せてくれました。ウェルター級でこの記録を作ったのが凄いです。残念ながら記録はストップしてしまったものの、フルラウンド戦える身体と心のスタミナを証明したので、ボクサーとして筋金が入ったかも。
7.新鋭賞:ティム・チュー
※今のところオーストラリアでの試合ばかりですが、日本でも馴染みのあるジャック・ブルベイカーだのドワイト・リッチーだの、パッキャオに勝利したジェフ・ホーンだのをキッチリ倒して階段を昇ってきました。
そして井上岳に何もさせずに大差判定勝ち。
父が出てきた時はまさにセンセーションだったけど、息子もまた米国進出したら旋風を巻き起こすかな。
※他にも気になる選手、印象的なカードが多く出て来て、ビッグマッチ連発の海外状況は羨ましい位。コロナの脅威はまだ収まりそうも無いですが、ボクシングや格闘技の持つ根源的なジャンルとしての強さは必ずやこのパンデミックを乗り越えるであろうと確信します。
願わくば来年早々にも国内外でそうあらんことを。