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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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12・14後楽園、W東洋戦観戦記

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内藤律樹が王座陥落、麻生興一が9回TKOでOPBF・S・ライト級王座 ...

 

両国の井上の防衛戦に背を向けて、行ってきました後楽園。

生憎の雨模様で肌寒かったですが、会場の熱気は国技館にも負けてなかったですよ~。

この日は観戦仲間の某マニア氏とボクシングは好きだが、生観戦は初めてという方を交えて3人での出陣です。

バルコニーがまだ解禁されてないので1万円の席で観戦。北側のB列、中央よりもやや端寄りだが、とにかくリングが近くて観やすい。

この日は4回戦と6回戦、8回戦が一試合づつとOPBFのタイトル戦が2試合の計5試合。試合数は多くはないものの、ギュッと濃縮した感じです。それでは試合の感想をば。

 

1.潟辺龍瑛(ワタナベ)vs中鳶隼太(角海老宝石)

オープニングのSフライ級4回戦。

互いに1敗同士なのでまさにサバイバル・マッチ。サウスポーの潟辺がアップライトに構えて距離を取り、中鳶が内懐へ入って左右フックを振るうという展開。右と左の位置取りは常に前足が外側をキープしてる潟辺が支配してたが、中鳶の圧力に押されてポジションの利を生かせない印象。

3Rに中鳶のパワフルな連打が潟辺を捕らえかけたが、4Rに潟辺が左ストレートでダウン奪取。そのまま試合終了。

判定は意外にも割れたが、2-1でダウンを奪った潟辺に凱歌。

38-37が二人に37-38が一人なのでダウンが無ければ勝敗は逆だったかも。

 

2,山田大輔(輪島S)vs白鳥光芳(T&T)

次いでフライ級6回戦。

両者、距離が近くクリンチが多い。離れの際で連打が打てる山田が前半を抑えた印象だが、白鳥もセコンドの指示通りに愚直にボディを叩いていく。4R位から露骨に山田がボディを嫌がるシーンもあり、前半が山田、後半が白鳥という展開かな。

少し白鳥が勝ったかとも思ったが、判定は1-1引き分け。

59-57(山田)、58-56(白鳥)、57-57でした。

 

3.大湾硫斗(志成)vs杉田ダイスケ(ワタナベ)

56.0kgs契約の8回戦。

やはりA級は違う・・・雰囲気から試合から何もかも。

赤穂に負けたとはいえ、杉田有利の予想だっただけに大湾の左の鋭さ、杉田の左に合わせる右のクロスのキレには瞠目せざるを得なかった。1R終了間際に右クロスで大湾がダウン奪取。

辛うじてゴングに救われた杉田だが、左目が塞がっていて2R早々にドクター・チェックを受ける。

ここは続行になったものの大湾の左アッパー→右フックのコンビが炸裂。再度のドクターチェックで試合終了。タイムは2R1:45。

これは凄い。

日本王座を狙うならSバンタム?古橋vs久我の勝者と出きればこれは面白い組み合わせになるな。

 

しばしの休憩で普段、お世話になってる達人先生に挨拶。

短い時間でもマニアックな裏情報を仕入れて有意義でした(笑)。

そしてOPBFのタイトルマッチが2試合。

 

まずはSライト級

4.内藤律樹(E&Jカシアス)vs麻生興一(三迫)

まさに漢の匂いが漂う硬派な組み合わせ。内藤のセコンドに父親がいないのが気になりましたが・・・

麻生がこれしか無いとばかりに徹底したインファイト。身体を預ける様にして距離を潰し、内藤を削っていく。内藤もこれをいなしながら、見事な右のボディを決めるが見た目程の効果は無かったみたい。

3Rにやや足を使いかけた内藤だが、結果として麻生のスタイルに付きあわざるを得ない展開に。4R終了時の途中採点は1-1でイーブン。

5R以降、ロープを背にしながらも印象的なボディを打っていく内藤だが麻生の手数に削られていく。6Rに右目、7Rに左目をいずれも偶然のバッティングで出血したこともあり、悲壮感すら漂う。

そして7Rに麻生の連打で遂にスタンディング・ダウン宣告。

ストップかと思って、三迫のセコンド陣や挙句はカメラ・クルーまでリングに入ってくるがレフェリーに一喝されてリング外へ追い出される一幕も。この回を辛くも凌いだ内藤だが、次の8R終了時の公開採点では3-0で麻生のリードを許してしまう。

そして9R、一度はリング中央へ麻生を押し返した内藤だが、再び麻生の連打を浴びて押し返されるとレフェリー・ストップ。

タイムは9R2:50。

まさか麻生が日本王座に次いで東洋まで制するとは。

素直に賞賛したいが、試合後のインタビューというかマイクはちょっと長すぎるかな(笑)

実はここまででお腹一杯でしたが、この次がもうねぇ・・・

 

そしてSフェザー級の王座決定戦。ラストマッチ。

5.坂 晃典(仲里)vs木村吉光(志成)

自分の予想は日本王座を二階級制覇してる坂でしたが、野木さんにしごかれたからか(笑)木村の動きもキレキレ。

序盤から坂がプレッシャーをかけながら木村をロープ、コーナーに詰めていく。いわゆるカット・オブ・ザ・リングにおいては坂の方が巧いなと思って観ていたが、木村が探り針で出した軽めの左フックも坂の顔面を度々捉える。

2R,木村の左フックに坂がダウン。この回は何とか凌いだものの、3R早々に坂の右に合わせた木村の右が決まる。そして畳み込む様な連打でダウンを奪うとそのままレフェリーが試合をストップ。

タイムは3R0:27。木村のTKO勝ちで王座獲得。

2年前に三代に挑んだときはあと一歩が攻めきれずに判定で敗れた木村だが、今回は躊躇ない攻めで一気に試合を決めた。

試合後、甲斐甲斐しく木村のグローブを外したり、汗を拭いたりする野木さんに「恨んだりまでした。」とマイクで言ってしまい、思わず野木さんも苦笑いを見せる一幕も。しかし、感謝の言葉も忘れずに師弟関係の強さを感じさせてくれました。

世間的には井上尚弥の防衛戦が両国国技館で組まれ、やれひかりTVでのPPVだの、やれドレスコード導入だのとかまびすかしいですが、ボクシングそのものの魅力ではこの日はホールに軍配が上がったと思ってます。

しかし、そろそろバルコニー解放してくれませんかね。

その日こそ、ボクシング業界がコロナに勝った証となります。


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