日本の誇る中量級の雄、井上岳志がオーストラリアでティム・チューにほぼフルマークの判定で敗れました。
父親譲りのチューの強打を食らっても、フルラウンド戦い抜いた井上の打たれ強さ、フィジカルの強さはさすがでしたが、やはり+αが無いとこの階級ではまず勝てない。
軽量級では日本人選手のレベルが飛躍的に向上したこともあり、世界戦での勝率が上がりましたが、ライト級より上はちよっと違うということを痛感させられます。そして、それは80年代に軽量級でも日本人選手がよく世界戦で言われてたことでもあります。
1.試合の前半を見てしまう。
スタミナの温存なのか、後半勝負に賭けてもそのときには挽回しきれないポイント差が付いてたりします。
2.試合のイニシアチブを取れない。
試合を前半、見てしまうことで相手に先手を取られてしまう。
3.攻撃・防御力が国内レベルと乖離してる。
攻撃に関しては、国内屈指のハード・パンチャーが世界の舞台では平凡なパンチ力のボクサーになってしまう。相手のスタミナ、タフネスが決定的なダメージを与えられない。
防御に関しては身体が堅いこともあり、ブロッキング主体なので打ち返しが半テンポ遅れる。結果、試合のペースが握れない。
近年、ライト級以上ではリナレスを別格にすれば、荒川、岡田、小原、亀海、石田とその時における国内の実質最強レベルの猛者が世界ランカー、場合によっては世界戦の舞台を用意してもらって海外で逞しく戦ってるが、残念ながら結果は出せていない。
やはりこの階級の充実無くして、日本のボクシングが世界レベルに至ったということは言えないのではないだろうか。
本当の夢を見せてくれるのはここらへんの階級だよな。