今年のカーニバルは本来の意味でのチャンピオン・カーニバルですが、一発目に永野vs小原というカードをぶち込んでくる当たりに盛り上がりが期待出来ます。
さて、王者の永野祐樹ですが、ここ最近の帝拳の伝統ともいえるサウスポーの強打者ですね。そして例外なくこの伝統の系譜は世界まで到達してるので期待も高まります。個人的には小原応援は内緒。
それぞれタイプは異なるし、他のジムから移籍してきた選手もいましたが左の強打者としてより認識されたのは移籍後からの印象も強い。
そんな伝統の系譜。
1.浜田剛史
浜田さんの強打は「爆発」というイメージ。膝のバネを使って下半身から全体の力を連動させて拳に込めて打ち込む感じです。
その短くとも太いキャリアを象徴するかの様に精魂込めて打ち込む魂の強打。そりゃレネ・アルドレンドも飲み込まれますわ。
2.西岡利晃
西岡の場合はキレの一撃、相手の意識を一発で刈り取ってしまう達人の印象。「斬る」イメージ。
JM加古川に在籍してたときは左の強打を持ちつつもスピードとステップで相手を翻弄していく感じでした。
ターニングポイントはウィラポンとの4戦で結果を残せず、アキレス腱断裂により試合スタイルのマイナー・チェンジを図られたときか。
無駄な動きを極力抑え、距離感重視のスタイルへの変更がより左の威力を増した遠因になったと思うけど、どうですかね?欠場時の焦りや悔しさを糧に研ぎに研ぎあげた左にはより凄みが増していた。
3.山中慎介
世界戦最多ダウン奪取記録を持つ山中のゴッド・レフト。
アップライトの構えからワンツーを主体にしたシンプルなスタイルを磨きに磨き上げた末の産物。右と左の違いはあるものの、そのクラシカルなボクシングはかのアレクシス・アルゲリョを想起させたと言えば言い過ぎか?突き刺して、打ち抜く「槍」のイメージ。
ただ私見だが、ダウン奪取が多いということはダウンを奪っても立たれることも多かったということ、ストレート系だからある程度、押す感じでの奪取もあったのかなとちょっとだけ野暮なことを考えてみる。
4.三浦隆司
攻撃特化型の三浦の左はまさに「ボンバー」。またはバズーカ。
空ぶっただけで相手に恐怖を埋め込むド迫力の爆撃。
初期は重い鉈の様な一撃だったが、相手の防御ごと打ち砕く一発へと変貌を遂げた。イメージとしては浜田さんのそれに近く、太く短くを体現したキャリアも同じだ。
5.永野祐樹
帝拳伝統の左の強打者の系譜を継ぐ男、永野。
一撃というよりは連打で相手を切り刻んでいくそれは鉞(マサカリ)のイメージ。近い距離からの突き刺す様な左、左、また左。
これが上手く決まれば決して打たれ強くない小原を倒すことも出来るだろう。しかし、小原相手にその距離まで潜り込めるかが鍵になりそうだ。2月1日が待ちきれない。