6~7月にかけて地上波テレビの命運をかけた戦いで二人のボクサーが結果を出しました。世界王者の人数と反比例するかの様にテレビ中継が激減し、マイナーの道一途の日本ボクシング界。
その様な状況で観点から最後の望みを託されてたのが井岡と村田です。とかく視聴率と話題性があるため、勝って次に繋げることが業界のためになる・・・との理由で。
そもそも日本のスポーツ・リテラシーは高いと言えない。
過剰なナショナリズム。競技よりも個人に重点を置く報道編成。その個人を持ち上げるためには破廉恥も厭わない姿勢はマスコミがマスゴミと言われる所以でもあります。かっての亀報道は言わずもがな。
そしてテレビは時に本物も偽物に貶めることがあります。
ミニマムではあれだけのマッチメイクをこなしながら、ロマゴンを避けたのがキッカケでマッチメイクも試合も慎重になった井岡。
ロンドン五輪金メダルというこのうえない実績でデビューしながら、何故か2戦目、3戦目の日本人対決が無くなり、代わりに微妙な外人と戦いながら第2王者を竹原と同じ偉業と捉えられてしまう村田。
しかし、地上波は勿論、CSの各局からも弾かれてるボクシング中継を存続させるためにも井岡と村田には今回、勝ってベルトを巻いてもらわねばならない。しかも相応の相手と対戦して煩いマニアも納得させねばならないのだから大変なミッションだったとは思う。
TBSもフジも一から新しいスターを作って育てる余裕が無いだろうし、ここで二人がコケたら、もう手を切ってしまうことも考えられた。
結果は・・・先陣の井岡がパリクテに10R、TKO勝ちで4階級制覇。
次鋒の村田がブラントに2R、TKO勝ちで王座奪回。
とりあえずはガッツ・ファイティングもダイヤモンド・グローブも存続することだろう。ただ、問題はこれから。
井岡には江藤兄vsシントロンの勝者との指名戦や田中恒成も挑戦を表明してるが、本人がボクビーで語ってた様にエストラーダとやって欲しい。もう足枷は無いはずだ。
村田はゴロフキンとのビッグマッチが実現できる様にマッチメイクをハードにして欲しい。ブランダブラみたいな防衛戦はもういらない。
まずはジェフ・ホーンになるのかな?ファルカオではダメだ。
今回は二人が大半のボクシング・ファンから支持されたのは、想定しうる中での強敵相手に結果を出したからだと思う。だから、微妙な相手を連れてきての防衛戦ではもう納得しない。
地上波中継を通しての世間へのアイコンになってる二人だからこそ、常にギリギリの勝負が求められる。予定調和では数字以上に信頼が得られない。