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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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年齢は取るものでなく、重ねるもの

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タイトル名はかのカール・ゴッチ先生の言葉ですが、ジョージ・フォアマンの「年齢を取ることは決して恥じることではないのだよ。」という言葉と重なります。自分が10代、20代のときに聞いてもピンと来なかったですが、この年齢になると痛切に身に沁みますね(笑)。

 

その言葉を地で行ってる選手は現役では何と言ってもパッキャオでしょう。39歳というボクサーとして決して若くない年齢ですが、マティセー戦では見事な試合でした。

 

 

あとは50まで戦い続けたバーナード・ホプキンスもいましたね。

若い頃は「死刑執行人」、そして「B-HOP」、「エイリアン」とニックネームの返還によって試合スタイルが変えてました。いつの間にかちゃっかり善玉になってたのはしたたかではありますね(笑)。

 

 

他にもロベルト・デュランやイベンダー・ホリフィールドなども印象深い試合を見せてくれました。

 

 

練習方法の進化等もあるものの、40、50代まで試合を続けられるのは何故だろうか。

 

①基本的なフィジカルの強さ

強靭かつ柔軟な筋肉で怪我をしにくく、治りやすい身体であること

ホリフィールドの筋肉武装、身体を柔らかくするためにバレエの講師もチームに加えてたこともあった。

 

②打たせないこと

防御面の技術が高いこと。デュランのナチュラルな防御勘、パッキャオのポジショニング。ホプキンスのクリンチ等、そして避けるだけ、当てさせないだけに特化せず、打たれずに打つスタイルを確立してること。

 

③試合スタイルの変化、変更に柔軟であること。

ファイターからボクサーへの変更を上手く行ったデュラン。

思い切り踏み込んで左を叩きつける「キング・オブ・デストロイ」の時代よりも多角的なコンビネーションを打つためにポジション重視の試合を見せる様になった「パックマン」時代のパッキャオ。

キャラクター変換に伴って、その都度にスタイルをマイナー・チェンジしてるホプキンス。

他にも様々な理由があるだろう。

ボクシングは若者のスポーツと言ったのはエディ・タウンゼント翁だが、これは年齢そのままではなく、気持ちの問題と言えないだろうか。

肉体的な衰えが無く、気持ちとして上昇志向があれば経験値という武器を備えることが出来る。

ボクシングは若者というより賢者のためのスポーツになってきてるのではないかと思う。


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