近年、日本人の平均的な体格が向上していると言われて久しいです。
かってはバンタムから上の階級で世界王者となるのは勿論、ランカーと戦うのも現実味が無かったのですが、フェザー、ライトは勿論、Sライトやミドルでも可能性を感じさせてくれる選手が90年代以降は増えてる気がします。
例えば95年には竹原がミドル級の世界王者となり、先のロンドン五輪では村田がミドル級で金メダル獲得。Sライトやウェルターという世界的にも分厚い階級でも亀海や小原が世界の壁に果敢にぶつかっていく試合を見せています。彼らの先駆者だった石田はカークランドに勝ち、ゴロフキンやピログにも挑んで果敢な戦いを見せてきました。
しかし、彼らのステージへステップを進めるのにはかの国の壁を越えねばなりません。
それはオーストラリア。アジア・オセアニア圏内を超えてこれから世界を目指そうという向きには絶対に外せない国。OPBFに加盟以降もコンスタントに重量級に王者を配してきました。
今年に入ってウエルター、ミドル、Sミドルと総なめ状態です。この現実から目を背けてWBOアジアなんちゃらなんかに逃げてたら駄目だぞ。
1.ジャック・ブルベイカー
OPBFウェルター級王者、13戦11勝(6KO)1敗1分。
7月に高山延樹との統一戦を12R判定勝ちで制して王座統一、2度目の防衛。昨年8月に戴冠して1度防衛した後も音沙汰無かったため暫定王座を制定されてしまったが、何とか元の鞘におさめたわけだ。高山に勝った試合も3-0で2、3、5差だっただけに完勝ではあったものの、決して届かない壁ではないと思うが、日本王者の有川や新藤ではキツいかも。別府がチャーリーをクリア出来るなら面白そうです。
2.ドワイト・リッチー
OPBFミドル級王者、18戦14勝(1KO)無敗、4無効試合。
6月に西田光に大差の12R判定勝ちで王座奪取。敗れた西田は負け数も多いが、戦歴を見ると戴冠戦は柴田からで、他に淵上に2勝、飛天や秋山にも勝っており、Sウェルター~ミドルでは国内では実績がある選手だが、それとても非力な豪州選手に歯が立たなかった。
この階級から上になると豪州と日本の力の差が顕著になってきます。
3.ジェイド・ミッチェル
OPBFスーパー・ミドル級王者、11戦10勝(4KO)1敗
今月17日に松本晋太郎から10R負傷判定で王座獲得。やや緩い身体ですが、圧力をかけてペースを握っての完勝だったみたいです。7差×2と8差ですからフルに戦っても結果は変わらなかったでしょう。松本の前王者の清田が第二次政権で何故か豪州からの指名戦を忌避し続けてたこともあり、松本がその責を背負わされた形ですが、仕方ないですね。
彼らはOPBF圏のこの階級界隈ではそれなりに評価されるが、さりとて世界レベルではない。ただ、ウェルターやミドルなどの日本人にとって重量級の選手にとってはこの国の選手の挑戦をクリアする位でないととても上のステージへ上がれないでしょう。
日本同様に軽量級が未だに主流で層が厚い、タイやインドネシアからの相手ばかり呼んで防衛回数を重ねてもその先は見えてきません。