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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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血はリングに咲く(仇)花

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高山vs加納を見ました。高山の33歳という年齢を感じさせないエネルギッシュな攻めに対抗するには加納はまだ心許なさを感じます。この組み合わせが世界戦という格付けに相応しいものであるかはさておき、国内のミニマム級戦線ではまだ高山の牙城を脅かす選手はそうそう出て来なさそうです。そう考えると田中恒成がライトフライへ階級を上げたのはつくづく残念。



さて、そうはいうものの、相変わらずの負傷判定。全40戦中、負傷判定決着が6試合。それに該当する無効試合が1試合。これは明らかに多いのではないでしょうか。
それも世界戦がそのうち4試合+無効試合分1試合の5試合です。具体的には2005年以降になりますから世界戦線に参入してからということになります。これでは和製・文成吉と言われても仕方ありません。
例えば同年代で活躍したラッシャータイプでは河野公平や坂田健史、名城信男がいますが、試合を止められる程の傷をバッティングなどで負ったことはありません。微妙なスタイルの違いはあるものの、高山だけが何故こうなるのか?考えられる理由としては

①たび重なる出血により皮膚の脆弱化:いわゆる切れて出血しやすくなってしまうので皮膚強化の手術なども受けたりしたそうですが、効果が出てる様には見えません。

②スタイル上の問題:前後左右にステップを刻みながらもそのスタイルはアウト・ボクサーではありません。懐に入って連打をまとめるので、勢い頭がぶつかりやすいのかも。

上であげた他の選手に関しては戦績を俯瞰してみるとそれほど負傷判定までもつれた試合は多くありません。河野は圧力で相手を下がらせますし、坂田は内懐での攻防でも頭の位置やカバリングなどに意識を集中してた印象があります。名城は中間距離の攻防にも巧さを感じさせました。

真剣勝負である以上はアクシデントによる中途半端な結末が出てくる可能性は否定できず、お金を払った観客もその事象を受け入れなければなりません。しかし、次にまた会場に足を運ぶかは自由です。
プロ・スポーツとしてカタルシスを得ることの出来ない以上は、例え世界王者であっても観客の意識下で淘汰されるかも知れない。多くの耳目を集める存在だからこそ、これでいいという自己満足には陥って欲しくないものです。

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