雨が降りそぼる中、行って参りました。
この日は新橋で太陽と海さん、某マニアの方と待ち合わせ。
現地ではジョー・ルイチュさんとも久々にお会いしました。
相変わらずのアクセスの悪さに加えて、おそらく近隣のマンションから苦情が出たのだと思いますが、会場までの道のりが制限されてました。回り道をさせられて通常の1.5倍の距離(体感的に)歩いてギリギリで到着。中に入るとまた自分の席までが非常にわかりにくい。
こんな糞みたいな立地の会場に平日にどれ位来るのかと思ってたら意外と第一試合から入っていて驚きました。
一部、高額そうなスタンド席に空きはありましたが、アリーナとスタンドはギッチリで壮観。ま・・・タパレス戦ほどではなかったかも知れませんが、これだけ平日に集められるのは凄い。
自分たちは最安値の12100円の席でしたが、非常に観やすかったです。さて、試合をば。
1.日本Sバンタム級選手権10回戦
※下町俊貴(グリーンツダ)vs津川龍也(ミツキ)
「龍矢は俺達のスーパースター~♪」というどこかで聞いた様なオリジナル曲で入場した津川。これは皇治の・・・それに気づいた人は皆無でした。
初回から津川が挑戦者らしくアグレッシブに攻めていく。
下町は懐を深く取って、ステップ等を駆使して津川を捌きながらも随所でパンチを当てていく展開。
3回には下町のボディが好打。津川もいきなりの右を放っていくが上手くいなされてる様に見える。
5回終了時の途中採点は3-0で王者優勢。
後半も下町がペースを握っていくが津川の右もヒット。
8回、左からつないだ津川の右ストレートが炸裂して下町が後方へ吹っ飛ぶ様にダウン。起き上がった後に津川が攻め込むが、これをクリンチと足で凌ぐ。
しかしピンチらしいピンチはこれ位で残りのラウンドも抑えた下町が3-0で判定勝ち。
3度目の王座防衛した下町は23戦19勝(12KO)1敗3分。
津川は15戦13勝(9KO)2敗。
下町、次は中嶋vs辰吉次男の勝者との統一戦が観たいな。
2.OPBF、WBO-APウェルター級選手権12回戦
※佐々木尽(八王子中屋)vsカミル・バラ(オーストラリア)
陽気な曲で入場したバラ、ビルドアップされた肉体はボクサーというよりも他格闘技の選手の様。それともラグビーか?
佐々木はスター性抜群の入場。勢いは確かに感じるな。
派手に振り回していく佐々木。フィジカル差は感じない。
バラは時折りスィッチして右ジャブを突いていくが力感はあまり感じない。
2回にバッティングでバラが出血。
3回に佐々木が左フックでダウン奪取。ここで仕留められれば良かったが、ここはバラが凌いでゴング。
佐々木はこの後、バラの攻撃がそれほどでも無いと思ったのか、避けたりせずに被弾しながらも打ち終わりを狙っていく、やや横着なボクシング。攻防が分離してるだけに攻められてるときに観客のフラストレーションが溜まってくる。
6回、右ボディでバラが明らかに失速。そして7回。
左右フックを上下に打ち分けて、逃げるところに飛びかかる様な左フックを炸裂させるとレフェリーが試合をストップ。
タイムは7R0:52、佐々木がTKO勝ち。
OPBFは初、WBOーAPは4度目防衛の佐々木は20戦18勝(17KO)1敗1分。
バラは18戦15勝(8KO)2敗1分。
試合後のインタビューで「~軽量級が盛り上がってるんですけど、ドーピングでも盛り上がってるんですけど~」と時事的なネタをぶち込んできたけど反応はイマイチ(笑)
待ってろ!世界!を連呼してたけど、ちょっと不安。
3,WBA世界Sライト級王座挑戦者決定戦12回戦
※平岡アンディ(大橋)vsイスマエル・バロッソ(ベネズエラ)
本日の再注目カード。互いに左構え、平岡が右のジャブを突いてバロッソの反応を探る。バロッソもいきなり飛び込む様にして入ってくるのだが、タイミングが合わない。
ラウンドを重ねる毎に平岡のジャブが冴えてくる、時にフリッカーも混ぜて攻勢。
6回、左に合わせての右フックで平岡がダウン奪取。
右に合わせての左のクロス、オーバーハンドも好打。
8回にはヒッティングでバロッソが左目下から出血。
そして9回、平岡が左フック連打で2度目のダウンを奪う。起き上がったものの左でさらにダウン追加。ここは何とか起き上がったかに見えたが、バロッソ陣営がカウント途中で棄権。
9R2:58、平岡TKO勝ちで挑戦権獲得。
勝者の平岡は24戦24勝(19KO)、バロッソは32戦25勝(23KO)5敗2分。この勝ちは大きいのでは。
バレンズエラが相手なら十分に勝機はあると思うが。
4.WBO世界バンタム級選手権12回戦
※武居由樹(大橋)vs比嘉大吾(志成)
比嘉への声援が凄い。武居も会場人気はあるのだが、この日は比嘉に感情移入してる人が多かった印象。
体重超過で王座剥奪されて以降の比嘉のボクサー人生は苦難の連続だった。フライ級で通じたフィジカル・アドバンテージはバンタムで通ぜず。西田には完封されて堤とは分が悪い引き分けだった。それでもジッとチャンスを待ち、かっての野木トレの仲間だった武居の王座に挑むことになるのだから現実はドラマだ。
序盤、懐を深く構える武居に比嘉が飛び込む機をうかがう。
武居の右フックに対して比嘉が飛び込んで手数を出していく。
やや武居ペースかと思われたが、4回、比嘉が飛び込んでロープ、コーナーに武居を押し込んで連打を打つ。
武居は巧みなクリンチでこれを凌ぎ、離れ際で足を使って離れ、体制を整える。距離が出来ると武居の左や前手の右フックが冴える。時折、比嘉の前進に合わせる右アッパーも怖い。
9回、比嘉の左フックが好打。武居をコーナーへ追い込み連打。
武居はロープを背に打ち返し、強気な面を見せるが足で裁けなくなってきた印象。
10回、比嘉のパンチで武居が出血。
11回、比嘉の右フックからの左で武居がバランスを崩してダウン。ややスリップとも見えたがレフェリーはダウン判定。
最終回のゴング前に両陣営の様子がモニターに映される。
比嘉陣営で野木トレーナーが激を飛ばしてる。最後だから行けと言ってると思ったが・・・挑戦者だしね。
しかし、比嘉はここで足を使って残り3分を流しにきた。
ダウン奪取したとはいえ、そんなに安心出来るほどポイントは離れていないだろうし、野木さんがこのまま流せとは言ったと思えないのだが・・・
スタミナ難があると言われてた武居が逆にここで絞り出す様に遮二無二攻撃してくる。防戦一方でダウン寸前の比嘉。どちらが挑戦者かわからない。そのまま試合終了。
判定は3-0で武居。ジャッジ2者が1点差だっただけに比嘉がもうひと踏ん張りして最終ラウンドを獲っていれば王座奪取となってただろうに。最後は行かなかったのか、それとも行けなかったのか。むしろ試合後に清々しい表情で満足気な比嘉を観てるとこれが最後と決めてたのかなとも思いました。
初防衛の武居は10戦10勝(8KO)。比嘉は25戦21勝(19KO)3敗1分。
試合後の武居は天心にエールを送っており、いずれはこのカードは実現の運びとなるだろう。両者ともに勝ち続けるのが前提だが。
5.統一世界Sバンタム級選手権12回戦
※井上尚弥(大橋)vsTJドヘニー(アイルランド)
そしていよいよメイン。
スクリーンを使った演出は見事に死角( ノД`)シクシク…
11Kgs戻したドヘニーはさすがに大きい。井上も結構、戻す方だがそれでも体格差が感じられた。
しかし、試合になると井上が圧力をかけてドヘニーがタパレスみたいに後ろ足重心でカウンターや強打狙いという展開。
初回はほぼ見合い、2回から井上が遠い距離からボディを打つ。
ドヘニーも単発ながら左を狙うが展開は変わらない。
5回に出てこないドヘニーに対して井上が挑発する様なシーンもあった。そして6回にはドヘニーのボディに対して上下へ小刻みにしかも適格な連打を放つ井上。
半身に構えてたドヘニーが後ろを向いたところに井上のパンチが腰を捉えたらしく、このラウンド終了後にコーナーへ戻るドヘニーの足取りというか、歩くバランスが悪い。
そして7R開始早々にドヘニー陣営が棄権、井上がTKO勝ち。
タイムは7R0:16、WBC、WBOは3度目、WBA、IBFは2度目の防衛に成功した井上は28戦28勝(25KO)。
ドヘニーは31戦26勝(20KO)5敗。
メインはやや消化不良だったが、随所で井上の技術も観れたし、他の試合が面白かったので概ね、満足した興行でした。
次は年末にグッドマンかあ。アフマダリエフと出来ないかな。
そして来年の今頃は井上vs中谷、武居vs天心の勝敗予想で盛り上がっていて欲しいですね。