昔、神童、今、普通の人という言い回しがあります。
ボクサーで言えばデビュー仕立ての頃はスピードとセンス溢れる試合を見せながら、上に行くに連れてその才能が目立たなくなり埋もれていく選手達。その様なケースはたくさんあります。
ただ、そこで勝ち星を積み重ねて王座まで辿り着くか、何度となく跳ね返されて無冠で終わるかは神のみぞ知ると言ったところでしょうか。
キャリアを終えた選手として直近では翁長吾央が国内でも無冠で終わったのは意外でした。日本王座にも2度絡んでおり、決してチャンスに恵まれなかったわけでもなかったのですが、これも巡り合わせでしょうか・・・
さて、現状で岐路に立たされてるのが梶颯(帝拳)と千葉開(横浜光)の二人でしょう。スピードとキレがある試合、パンチも結構あるし、毎回序盤で観客を多いに湧かすインパクトを与える・・・が、決定打が無い。
後半に行くにつれて観客も馴化してしまい、結局は興行の中ではその他多勢で埋もれてしまう。
梶は2015年に全日本新人王獲得、2016年12月からコロナ直前の2019年11月まではアジア圏の選手相手に9戦行ってます。
全勝ながら内訳はタイ3・フィリピン5・インドネシア1。
レイ・オライスやデオネル・ディオコスといった強敵からも勝利を収めてるが、インパクトに欠けた内容でした。
それでも勝ち星を重ねていたのでOPBF、WBO-AP,日本の3冠王である福永に挑むも判定負け。正直、際どい敗戦でしたが、結果残せず。
しかし、8月に続いてダイレクトで日本王者の中川健太へ挑むことが出来たのは持ってる部分もある。
帝拳はアマ出身の有望選手がコンスタントにデビューしてるだけにジム内でチャンスをもらえる立場になるのも一苦労だろう。
逆にここでチャンスを逃すともう回ってこない可能性もあるのではないか。文字通り、正念場だと思う。
次いで千葉開。デビュー戦こそ後の(2017年度)新人王である今川未来にKO勝ちしてるもののキャリア17戦のうち8戦が外国人。
内訳はタイ3・フィリピン1・韓国2・インドネシア2。
中川抹茶とか石川春樹に勝利を収めてるものの、昨年のOPBFのバンタム級王座決定戦では中嶋一輝に大差判定負け、無敗ながらも5戦のキャリアの高山涼深にも星を落としてる。
鶴海に勝利を収めて9月にOPBF王者の栗原慶太への挑戦のチャンスが来たものの、予想不利は否めないだろう。
持ち前のスピードで栗原を空転させることが出来れば勝機も見出せるかも知れないものの、ここ数戦は後半に集中力を欠く様に見えるシーンも散見出来るだけに逆に栗原の圧を凌げるか。
5月には阿部麗也が3度目の挑戦で日本とWBO-AP王座を獲得した。果たして梶と千葉は日本や東洋の王座の歴代王者としてその名を刻めるか、それとも凡百のランカーとなってしまうのか。
暑い夏に熱い試合を期待!