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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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8・17後楽園観戦記

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16日は様々な要因で会場に足を運べなかったのですが、翌日は観に行ってきました。プクー氏といつものバルコニーで観戦。

しかし、当日券は普通に購入できたのですが購入時に指定席は完売。自由席のみの販売でしたがそれも後に売り切れで入れなかった人もいたそうです。そんなのも久々・・・と思ったら先月の久我vs和氣もそうでしたね。

バルコニーの密集度は高かったけど、南に少し空席もあったし、蟻の入り込む隙間も無いという札止めのイメージは無かったな。良く入っておりましたが。

テイル渥美が欠場して溜田の相手がインドネシアンに変更になったのが唯一の不満。しかし、アンダーから好試合が連発してこの日は盛り上がること。

大橋ジムのデビュー戦、三木田と森が揃って1RKO勝ちで初陣を飾る。大阪帝拳から移籍した中澤奨はインドネシアンに迷いが見える様な試合で3RにTKOで勝利を収める。

アマ出身のホープ、中嶋はやや清水っぽさを残す独特の試合で藤岡に5R終了時棄権に追い込んでTKO勝ち。小突く程度に右を打ち、左のボディを中心に緩急つけた試合展開は独特に見えた。アマっぽさがいい意味で消えてるのが面白い。

そして溜田が剛腕振りを見せて30勝(12KO)29敗1分といろんな意味に捕えられる戦績を持つインドネシアン、アリエフ・プレイダーにボディで2RでKO勝ち。ヨネクラからの移籍組ということもあり、何故か大曲を彷彿とさせる。テイル戦は観たかったなあ。

 

全試合KO決着でサクサクと試合が進み、セミファイナル。

OPBFフェザー級タイトルマッチ、王者、清水聡に対するは元全日本新人王の河村真吾(堺東ミツキ)。

清水の試合は独特だ。アップライトというよりも棒立ち、ガードは低く、パンチも腰が入ってる様に見えず、見栄えは良くない。

しかし、河村がラッシュをかけてもパンチが当たらない。

そして打ち合いの中ではいかにも手打ちにしか見えない清水のパンチの方が着実にダメージを与える。ゴツゴツと石で殴る様な感じで河村の顔面がボコボコに腫れあがる。

1Rこそ河村が優勢に見えたが、2R以降は清水が試合のイニシアチブを早くも握る。そして4R、ロープ際に追い込まれても上体の動きで河村の攻撃をスイスイ躱し、狙いすませた右一閃でダウンを奪う。

何とか起き上がった河村に連打を浴びせてレフェリー・ストップ。

先日、生観戦した日本王者の源よりも上だろう。国内では実力No.1だと思うが世界ではどうか?フェザー級の王者はサンタクルス、ウォリントンにバルデスか・・・

国内ではこのスタイルで無双を誇ってるが世界レベルでもっと連打の回転力がある選手やスピードスター、パワーのあるファイターと戦ったときにも通用するのか、その先が観てみたい。

 

そしてメイン。1戦毎に引退の二文字がちらつく八重樫東と向井寛史(六島)のマッチアップ。超満員の会場の反応から察するに八重樫を観に来た人が多い印象。そのため、清水の試合が終わって帰路に就く人はほとんどいない様にも思えた。

八重樫は最初から激闘モード。長身サウスポーの向井相手に距離を取ったボクシングをしても不利と判断してのことか。それとも1戦毎に引退が背中合わせになる状況だから、悔いの残らない様な戦い方を選択したのか。

八重樫は序盤からボディを打ち、向井の動きを鈍らせるが、距離が出来ると向井のパンチが顔面に炸裂する。目の離せない展開。

ベストラウンドは6R。明らかに向井の連打でダメージが見える八重樫だったが打ち合う事によって窮地を脱出した。そして続いて7Rに連打の回転力を上げ、遂に向井を仕留める。

正直、被弾も多く、Sフライ級で4階級制覇を狙うには不安が残る内容ではあったが、それでも現状で出来得ることを100%出し尽くした試合だった。こんな試合したら、そりゃ人気出ますよね。

この日は身体のダメージを感じさせたり、反応やタフネスの劣化を思わせるシーンはほとんど無かったものの、不安は残る。

 

 

試合終了は20時43分。長すぎず、短すぎず満足感を抱いた興行でした。帝拳ジムが業界の盟主たるパワーを失ってきてる様にも思えるので今後は大橋ジムがその位置に割って入る事は十分にあるかもしれない。

 


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