小原の米国デビューは快勝とはいかなかったものの、実質、勝っていたのではないかという声も海外で多く出ており、まずまず存在感を知らしめることは出来たのかなと思います。
村田が挑んでるミドル級なども難しいクラスですが、近年、荒川や亀海それに今回の小原が挑んでるライト級~ウェルター級までのゾーンも世界的な層の厚さは半端無いです。以前、チャーリー太田や渡部あきのりが東洋王者(日本も同時保持してた頃も含め)だった頃に国内で無敵でも世界ではカスリもしない旨の事を書いたことがありましたが、その様な状況に風穴を開けるべく海外で積極的にチャンスを掴みにいく選手が増えたことは喜ばしいことですね。
しかし、リナレスこそライト級王者として形にはなったものの、生粋の日本人3名には非常に厳しい現実が続いてます。
①荒川はダニエル・エストラーダとの挑戦者決定戦を一度は負傷判定で負けにされたものの、露骨な採点に疑義が呈されて一転(暫定ながら)王座決定戦への出場機会を得ることに。フィゲロアとの暫定王座決定戦は激闘ということで米国でも評価を得ましたが、判定では完敗。国内からの出直しを図ったものの、加藤、内藤に連敗とハード路線ゆえの落とし穴にハマってしまった感じです。
②亀海は4階級制覇王者のロバート・ゲレーロに善戦、激闘を展開して米国で評価を上げましたが、ポイントで完敗。今年は中堅クラスのアルフォンソ・ゴメスにも判定を落としており、再度の出直しを強いられてます。今後はSウェルターへ上げる選択もあるみたいですが、さて、どうなるか。
③そして小原ですが、今回の試合は挑戦者決定戦への出場決定戦的な意味合いの試合だったそうです。いわばクォーター・ファイナル(準々決勝)というところでしょうか。層が厚い階級なのでタイトル・マッチへの道程はまだまだ厳しそうです。
荒川は負けが込んでしまいましたが、亀海と小原は国内ではそれぞれの階級では突出した存在です。防御が優れて、ほとんど打たせない技巧を持っているうえ、KO率も高い強打者です、国内では。
当たり前の話ですが海外では平凡なパンチャーになります。国内ではワンパンで仕留めてたケースも連打でもダウンを奪えなくなってくる。また、いわゆるボクシングでは技巧に差があるので距離を潰して、打ち合いに持ち込み、技術の差が表れにくい展開に持ち込む。激闘はマスコミやファンに評価されるが、結果を残すことは難しい。今回、試合をまだフルで見れてませんが、小原は激闘スタイルでなく「ボクシング」でカスティーリョ相手に有利な試合を作れたことに期待を持たせます。五輪前にいい知らせが届いてくれれば嬉しいですね。
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中量級への期待
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