今日は休みなので朝から、用階vs根本2などを観てました。
最近の試合と比べると荒々しく、良くも悪くもパワフル。決め手は右に合わせての右クロスだったのですが、この時代はパワー信仰が強く、ジャブで試合を構築するよりも左右フックを振り回していく印象が強く残りました。
70~80年代の国内で活躍するパンチャーには共通項がある気がします。
①筋肉質の肉体、盛り上がった僧帽筋に太くて短い腕。
②ジャブは牽制程度、パワフルに左右フックで圧力をかける。
③防御はブロックとクリンチ主体。
アマ出身者でもプロで成功するためにはとパンチ力を強調するスタイルに変更することがありました。用階政弘、ロイヤル小林、上原康恒等。軽量級では具志堅や後の渡辺二郎みたいなストレート・パンチャーも散見されましたが、JRライト(Sフェザー)以上になると当時の技術水準ではフッカーにならないと難しかったのでしょうか。
柴田国明もパンチャーでしたが、決め手は左フックだし、瞬発系だからちょっと上記のパワー系とは趣きが違うかもしれません。
当時の日本人の平均体格も影響しての試合スタイルなのかなとも思います。時は流れて90年代になると、上半身の力に頼ったスタイルでなく、身体の柔軟なしないや、下半身との連動の強化、カウンター等の技術の進歩により、パンチャーも多様さを見せてきます。
日本人の体形がより西洋の人達に近づいてきたことや映像メディアの発達により、技術の革新が進んだことも影響してるのもあるでしょう。
それでも吉野弘幸みたいな極端なレフト・フッカーが出てきたりするのは面白いものです。
そして現在。山中のゴッドレフト、西岡のモンスター・レフトはいわずもがな。Sフェザーでも内山みたいにストレートでもフックでも倒せるオールラウンダーが出てきたり、ミドル級では右ストレートに決定力を持つ村田みたいな選手もいます。また、三浦のボンバーは昔と今風の中間みたいな懐かしい感じでもありますね。
特に2000年代以降は防御面に関しても空間把握能力に優れ、距離感に長けたボクサーが増えたことがストレート系のパンチの重要性を高めたのではないかと推測します。
昔の試合を見直すことはそこから現在までの流れを辿って、いろいろ類推する面白さがあります。この論拠が正しいかどうかはわからないですが、一つの仮説として読んでいただければありがたいです。