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Channel: リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論
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格好いいとはこういう事さ

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本日、ようやく休みになったので録り溜めしてた映像を一気に観ました。
拳四朗は線の細さが気になるが好選手だなとか、河野も今回の試合の相手よりは菊井徹平の方が強かったと思っているんだろうなとか思いながらも、やはり注目はエキサイトマッチで放映されたロマゴン&GGG。いや~、これが世界王者であり、世界タイトル・マッチなんだなという満足。



ロマゴンvsビロリア。試合によって出来ムラがあるビロリアですが、この日は最後まで集中力を切らさずに戦いました。ロマゴンの圧力に屈せず、前へ出て序盤からボディを打って攻めて行きましたが、ロマゴンの堅牢かつ滑らかな防御とグサグサと突き刺さる強打の前に確実にダメージを積み重ねてのストップ。3Rにロマゴンが右のショートでビロリアからダウンを奪ったシーンが両者の力量差を表すかの様に象徴的でした。



ゴロフキンvsレミュー。ボディを振って踏み込みながら強打を打つレミューは外見上は確かに「カナダのタイソン」だが踏み込みの速さ、攻防の切り替えの速さはむしろヘビー級のタイソンの方が速かった。ゴロフキンの左ジャブに削られていってストップは致し方無しか。5Rのボディのダウンからよく立ちあがったと思ったのだけれども。
次はコットvsカネロの勝者とやるみたいですが、本当にゴロフキンがやばそうなのはアンドレ・ウォード位しか思い浮かばないし、ミドルでは当面、誰も止められない気がします。
試合場の雰囲気、王者の風格や品格、試合内容と世界タイトルマッチかくあるべし、世界王者かくあるべしという試合でした。パッキャオやメイウェザーの時代は残念ながら黄昏を迎えつつあり、本当にボクシング・ファンが自身を持って世間に勧められる存在は今はこの二人なのだなと実感しました。

この二人に互せる選手はいるのか。ロマゴンには一度は判定まで粘られたエストラーダや井上尚弥が対戦相手として名前が上がります。エストラーダとの再戦も興味ありますが、やはり井上戦が一番実現して欲しいカードですかね。潜在能力やポテンシャルでは時にロマゴンをすら凌ぐかもと思わせるパフォーマンスを見せてくれる井上ですが、まだ自分のポテンシャルを把握し切れて無い印象を受けます。例えばアドリアン・エルナンデス戦やオマール・ナルバエス戦みたいに文句のつけようない試合をしたかと思えば、サマートレック戦みたいに拙戦をしてしまったり、また、拳の負傷で1年欠場を強いられたりとまだまだ不確定要素も見え隠れします。
ロマゴンもキャリア初期の頃はフランシスコ・ロサスとの1戦目を自らの不摂生による体調不良で苦戦したり、日本でも松本博志に粘られて倒し損ねたりしたことはありましたが、キャリアを積むに従ってムラが無くなってきました。安定感が増してきた分、まさに難攻不落というイメージがあるだけにそりゃ、井岡みたいに金払ってでも対戦忌避する選手が出てくるのも仕方無いかもしれません。だからこそ井上にかかる期待が大きいのですが。

次いでゴロフキン。次戦がコットvsカネロの勝者。他にもアンディ・リーやピーター・クイリン、マット・コロボフと対戦相手には事欠きません。今後はおそらくビッグ・マッチも増えてきますし日本人では村田と言えどもそこに割って入るのは難しい・・・というか今のままでは無理ですね。五輪金という実績でのプロ転向は日本だから希少価値があるものの海外では五輪でメダル獲ってプロ・デビューなんて上に行くほどゴロゴロいますから、そろそろ名前のあるランカーとやらないと相手にすらされないでしょう。

以前、ローマン・ゴンサレスとリカルド・ロペス、ゲンナディ・ゴロフキンとマービン・ハグラーの新旧比較をやったりしましたが、そのときと評価が変わりかねない試合をロマゴンとGGGが重ねてきてるのは事実です。この4人のグレートと同時代を生きていることは大袈裟でなくボクシング・ファンとして僥倖を覚えますね。


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