パッキャオvsバルガスをWOWOWで観戦しました。そういえばコット戦以来、KO勝ちが無くなったパッキャオ。もう9年もKO勝ちが無いそうです。確かにクロッティ、モズリー、マルケス兄は仕方ないがリオスやアルジェリも倒せなかった。
しかし、パッキャオの試合は相変わらず面白い、KOは無くてもダウンは結構獲るし、いろんな局面でいろんな技術も見せてくれて打ちあいも辞さない。ともすれば消極に過ぎるメイウェザーとはあまりにも対象です。
さて、この日はパッキャオの復活以上に衝撃的な試合がありました。ノニト・ドネアがジェシー・マグダレノに1-2ながら明確な判定を落としてしまった試合です。
最近のドネアは相手選びも慎重過ぎるキライがあったし、この日は単発強打狙いで振り抜いたところにパンチをもらいバランスを崩すシーンも多々ありました。やはりリゴンドー戦やフェザーへ初めて乗り出したベチュカ戦以降は歯車が狂ってる感じがします。それでも左フック等に一発があるので何とか、勝ち星を重ねてきた試合もありますが、09~12年頃の緻密かつ神がかかった強さは感じられません。
かっての好戦的な試合スタイルからより防御に重きを置いて、成功した例としてはパッキャオやメイウェザーなどがいます。
パッキャオはかっては左を主武器にした攻撃特化型でしたが、フレディ・ローチに師事することで多彩なポジショニングから間断なくコンビネーションを打つ攻防兼備の広角殺法を取り入れました。結果、コット戦以降はKO勝ちから離れてるものの、決定的なダメージを被る試合はしていない。あえてあげればマルケス兄との4戦目でのKO負け位だが、あれとても後に引くダメージは残ってない様に思える。
メイウェザーは2001年のディエゴ・コラレス戦をベストにヌドゥやガッティ相手にもアグレッシブな試合を見せてきたが、07年のハットン戦を最後に一度引退して09年にマルケス兄相手に再起して以降に今の安全重視のスタイルの方針が堅固になった気がする。
パッキャオよりもディフェンシブに針を振ったため、試合のスリルには欠けてきたが、負ける姿が想像できない点ではリゴンドーとも重なる。リゴンドーと違うのはエキサイティングな試合をしてた貯金が生きてることも大きいだろう。(無論、米国籍であることや階級的な点でもリゴンドーより有利に働く要素はあるのだが)
一昔前ではロベルト・デュランが階級を上げるごとにボクサー・タイプとしての面が強くなったりしてるし、日本でも河野などは不器用なファイターだったが、30過ぎてカウンター・パンチャーーとしての資質が開花するなどの例もある。
一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いだったドネアだが、最近は下からの突き上げもあるし、いろんな意味で今の試合スタイルは頭打ちではないかと感じさせられました。勿論、今のままでも歴史に名を残せるでしょうが、本来の持ってる才能はこんなものではないはず。ここからもう一花咲かせられるかどうか、本人と陣営の柔軟性が問われるところです。